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施設長がお亡くなりになった事件の背景には...NHKストーリーズ「事件の涙 未来を見せたかった〜児童養護施設長 殺害事件〜

■読みすすめる前に...

こんにちは!田中れいかです。
昨日の放送前にフォロワーさんがDMをくれて、この番組のことを知りました。

個人的に知りたかった内容で、かつ知人が出演していたことからすぐさまツイートしました(いいね、やリツイートありがとうございます)。

なんかわからないんですけど、このことを「放送して、はいおしまい」にはしたくなくて、、、会ったこともない、話したこともないわたしがいうのも気が引けますが、少しでも多くの人に大森さんという人のことを知ってほしくて、写真をパシャパシャ撮りまくった内容をこのnoteに残したいと思います。

見逃してしまったかたは読み進めてください。(加筆した部分、聞き逃してしまった部分がありますことをご了承くださいませ)


敢えて感想は書きません。というか、書けません。


番組内で発言してくださった方々に敬意を示すと共に、いまも現場で働く全国の職員さんたちを心から尊敬いたします。


■番組情報

NKH ホームページより引用

去年2月、東京の児童養護施設で起きた施設長殺害事件。凶行に及んだのが、元入所者(22歳)だったことから大きな注目を集めた。取材を進めると、命を奪われた大森信也さん(享年46)は、元入所者が施設を出た後も、4年にわたって就職の斡旋や住まいの確保などに奔走、手厚い支援を行っていた事実が分かってきた。施設の子どもを「うちの子」と呼び、社会に出た後も支援を続けていた大森さんは、何を守ろうとしていたのか。【語り】木村文乃

事件の涙
https://www4.nhk.or.jp/P4708/


■それでは、お読みください


ナレーション(以下:ナ)
我が子のように支え続けた子による犯行だった。施設の関係者なら誰でもよかったと供述。

大森さん46歳

踏み込んだ支援に心配する声もあがっていた。

関わった子どもたちにどこまでも寄り添おうとした施設長。
見つける先には何があったのだろうか。

大森さんの支えを受けた「小林大介さん(仮名・37)」
建設関係の仕事に就き、妻と子どもと暮らしている。

今回の事件はテレビのニュースで知った。

父子家庭で育った小林さん
9歳のときに施設で暮らすことになった。
当初は人間関係でうまくいかずトラブルになったが大森さんだけは本気で向き合ってくれた。6年を施設で過ごした。

小林さん)月一回くらい電話してくれた。そこまでやってくれる人って俺の中ではいなかったから、もう親としかみられないです。

ナ:大森さんを知る関係者は

社会的養護関係者)彼は保証人になっていたから、全部自分で払う気でいた。
それぐらいの覚悟で彼はやっていた

ナ:施設職員での勉強会では黙祷が捧げられた。

関係者)本当に若手のこれから中心になっていくであろう存在が、ましてや卒園生からのことで命を落としてしまう

ちょっと言葉にならないんですけど、私たちからすると非常に痛恨の極みということでしかない。
施設長)いろんなところに行くたびに「やっぱり大森いねえんだな」っていう、、、


ナ:大森さんの支えを受けた小林さん。

(事件を聞いて)「えっ うそだろ」ですよね。
あの信也兄さんが刺される、考えつかなかったです。
(大森さんについて)どうせ大人はうそをつくものだと思っていた。
この人ぐらいまっすぐな人はいないだろう。
お互いが納得するまで1時間でも2時間でも話すんです。

大体もういいやとか俺が言うんですけど、「逃げるな」って言うんですよね。
「だめならだめでもいい でも逃げんなよ」って。
俺にはすごい光って見えた。

この人ちがうって。

もう本当 父親以上の父親です。
(施設をでてからも)どこか心の片隅みとか頭の片隅に何か信也兄さんがいるんです。「逃げんなよ」って。

「逃げんなよ」って
いつもそれで踏みとどまって20年って感じ。


ナ:大森信也さん、1972年生まれ。大学4年生のとき、ボランティアで児童養護施設を訪問。虐待などで親から離れて暮らす子どもたちを目の当たりにする。

「自分に何かできることはないか」

そう思い、渋谷区にある施設での就職を決めた。


ナ:働き始めたころの大森さんを知る日永純治(ひえい じゅんじ)さん

日永さん)何かやりたい夢があるって子どもが例えば訴えたとしても
「それは我慢しろ できないんだから」
そういうふうなのがあったと。

その子の可能性を摘むようなことに対し、非常に憤っていたような記憶があります。子どもたちがどうやったら幸せになるかを考えていたので。

こうあるべきだという理想に対して今の現実は全然そうではないと。
全然どことかマイナスなぐらいだと。

相当もがいていた印象があります。


ナ:児童養護施設を退所してから進学した割合は平均より低く、就職の選択肢も限られていた。子どもたちが未来を自由に考えられないことに憤っていた。

そんな中で大切にしてきたことがある。

それは子どもたちの誕生日に弾き語りで歌をプレゼントすることだ。子どもたちのために自ら作った楽譜。16歳の子に送ったのは

(歌詞)誕生日おめでとう
今日からは16歳
もしもきみが20歳になって わたしと飲みに行くなら
ここにいた日々を思い出して 朝まで飲み明かしましょう

歌詞を通じて未来を見守る存在がいることを子どもたちに伝えようとしていた。



ナ:2012年 指導主任になっていた大森さんは一人の少年を迎えることになる

Aくん
母子家庭で育ち、虐待を理由に施設へ(当時15歳)

当時の入所児童の平均年齢は6.2歳(2013年データ)
中学を卒業した子を受け入れるケースは珍しかった。そこには大森さんの特別な思いがあったんじゃないか。

福祉関係者:高橋亜美さん)
(子どもとの)関係を作っていくというのも高齢児童ほど難しいのもあるから、受け入れに関しては積極的でない施設がまだまだ多い。

うちじゃ難しいじゃなくて、そういう子ほど受け入れてやっていこうというスタンスでいる大森さんがいたし、大森さんがいた施設はそれを一生懸命やっている数少ない施設だったと思います。


ナ:大森さんは何に突き動かされているのか、6年前の映像が残っている。

(大森さん)本人がやりたかったのに、私の力がなかったせいでできなかったということが一番苦しかった。わたしが企業に頼みに行って「こういう子がいるけどお金もらえないか」ってやればできただろうし、ほかの施設の情報をもっとかき集めてこういうケースがあるとか調べたりできたんじゃないかって。

わたしはその子に 何人かいるんですけど、申し訳ないなって
ずっと抱えて仕事をしてきました。



ナ:児童福祉法によると 児童養護施設は18歳までの子どもと養育しそのうえで施設に対し、退所した子どもたちの自立を援助することを目的としている。

しかし多くの施設では、予算や人員を増やすことができないのが実情だ。そうしたなか社会で孤立を深め、息詰まる人も少なくない。

大森さんの施設で暮らしていた小林さんも退所後、生活が一変したという。

小林さん)知らない仕事、知らない部屋、知らない環境、一人で飯を食う。

(施設では)みんなでごはんを食べていたんですよね、全員で。
それがいきなりぽつんってなって
ちっちゃな部屋で一人でご飯を食べるときのなんともいえないむなしさ、寂しさ。

飯食ってもうまくない
いくら高い肉を買ってきてもうまくない

一人でずっといるっていうのは
だんだん苦しくなってきますよね。


ナ:施設にいる子どもへの対応に追われるなかでも、大森さんは勤務時間外に会いに行き、食事をおごることも少なくなかった。小林さんはそんな大森さんに救われたという。

小林さん)月一回ぐらいで電話がかかってきてきましたね。「元気でやってるか」「仕事はどうだ」って。信也兄さんの声が聞けるっていうだけで全然ちがうと思う、気持ち的に。

落ち込んでいないっていったら嘘になるかもしれないし、気持ちはでも穏やかになりましたね。



ナ:自立支援を進めるため大森さんと連携してきた人がいる。

早川悟(はやかわ さとし)さん。共に行政に協力を求めてきた。しかし、理解を得るのは難しく、じぶんたちで模索するしかなかった。

早川さん)18歳で自立という制度設計がかなり無理がある。

送り出した子がじぶんたちの知らないところで困難の中にあるような状況にあって、つながりを切れない。

見続けていかないといけないという使命感みたいなものがあったんじゃないかなと思っていますけど。



ナ:一昨年9月、大森さんに思いも寄らない事態が起きる。施設をでて3年半、職を転々としたAが警察沙汰のトラブルを起こしたのだ。

目撃者)外をみたら男の人がゴミ箱をずっと蹴っていて、奇声を発しているような、「わぁー」とかいう声がした。


ナ:部屋の保証人になるなど、Aを支えつづけていた大森さん。他の職員とともに駆けつけた。そこで目にしたのはハンマーで穴だらけにした壁だった。

「壁に盗聴器がしかけられている」とつぶやき、ポケットには刃物を忍ばせていたA。大森さんたちは他人を傷つける恐れがあると考え、強制的に治療させる措置入院を検討。

行政に相談したが、「現時点では危険性はない」として受け入れてもらえなかった。

この直後、大森さんがAへの対応について相談した人がいる。長年信頼を寄せていた児童養護の先輩 黒田邦夫(くろだ くにお)さん。

大森さんの姿勢に気がかりなことがあった。Aが壊した壁の修繕費110万円を個人で肩代わりしようとしていたのだ。

黒田さん)単に個人の思いで とりあえずやれるだけやって保証人になって弁償をする、払ってあげるのは、何度も何度もできるわけじゃない

ですから将来にわたっていろんな子に対応していかなきゃならないので、継続的にできるようなことを含めて考えていかないといけないだろうなと


ナ:大学時代の同期 日永さん
Aへの対応をめぐって施設の中でも慎重な声があがっていたことを聞いていた。

日永さん)警察が介入する事態になったので、これはもう手に負えないと、自分たちの手に負えないし成人している子だから、もうそちらに任せようじゃないか、しかるべき機関もあるしと。

施設の方が言われたとき大森が「それは絶対だめだ うちの子なんだからうちで面倒見なきゃだめだ」とはっきり言った。

大森は彼のことも自分の子供のように思っていたはず。

自分が1回面倒を見た子だから、我が子をそうやって見捨てるということは実の親から1回見捨てられているわけだから、2回も3回も見捨てられることになるって、

そんなことしたら逃げんもたないだろうって言うんですよね



ナ:大森さんはAへの支援をやめなかった。
修繕費110万円は施設の責任者として肩代わりし、新たな住み込みの仕事も仲介した。

アパートの一件から5ヶ月が経った去年、2月25日

しばらく連絡が取れなくなっていたAが、突然施設に姿を現す。
最初に気づいたのは玄関の近くにいた大森さんだった

大森さん)お、どうした

と声をかけた直後、Aに無言で襲われた。



大森さんの支えを受けた小林さん)信也兄さんがいたんだから言えばよかった。「俺もうだめだよ」っていうことを。

そうしたら信也兄さんのことだから見捨てることは絶対しないから、じゃあまた探してみようか、っていう感じで絶対やってくれると思った。

ナ:子どもたちに未来を見せたい。走り続けた23年だった。


〜事件から1年〜

ナ:大森さんと共に施設をでたあとの自立支援に取り組んでいた早川さん。事件をでたあとも変わらない、若者たちを取り巻く厳しい状況と向き合いつづけている。

早川さん)退所した青年は我々の力が及ばなかったからこういうことになったと思うし、こういうことになるからやらないほうがよかったんだと思うような人間はこの仕事選んじゃいけないと思うし、我々この仕事を選んだ以上はやらなきゃいけないことは変わらないから

こんな事件が起きたからこそ、なおのこと我々は
もう一回気を引き締めて 本気で 
こういったことに向き合っていかなきといけないと思います。


ナ:応援団の同期だった日永さん
事件のあとに始めたことがある。子どもたちに無料で食事を提供する子ども食堂だ。実は6年前、大森さんに影響を受けNPOを立ち上げた。子どもたちの将来を支援したいという思いを新たにしている。

日永さん)ああ こいつ(大森)こういうことをやっていたんだな、ということがよくわかるようになりましたね。

彼(A)の犯した犯罪に対して許す気はもちろんないけど、彼個人に対してどうしても怒りの気持ちや恨みとかを持てないんですよね。

本当に弱い部分、社会の弱い部分に対して彼(大森)はもっと目を向けろと、襟首つかんでこっちに向けようとしている。そういうことはやろうと思えばできるんだということを示したんだろうなと思います。



ナ:大森さんに支えられてきた小林さん。一昨年、父親になった。

小林さん)だっこしてもらいたかったんですけど、本当にそれが心残りです。


ナ:いま、自らに誓っていることがある。

小林さん)信也兄さんの「逃げるな」根性を自分の息子にも教えてあげてもいいんじゃないかと思います。

信也兄さんみたいな、子どものことをすごく一番に大事にしてる人になってみたい。

ここまで子どもに全力投球で向かう人になってみたいですね。
なれたらいいですけど。


ー大森さんの妻 夫の思いと向き合ってきた
今の気持ちをつづってくれた

ナ(手紙の音読):本人が遺したというよりも、本当なら一緒に取り組んでいくはずだった様々なことができなくなり、みなさんに申し訳なく 無念に思っていることでしょう。

そのような実直に行きている人が報われる社会になってほしい。それをつくっていくためにみんなで考え、行動してほしい」と願っているのではないかと思います。


end...

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