とんかつDJアゲ太郎は王道少年漫画という話をとてもしたい(ネタバレ注意)

田中です。

とんかつDJアゲ太郎がめっちゃくちゃに面白くて毎日1話ずつ読むのが楽しくて仕方なかったという話をしたくてたまらないのですが、誰かに語ろうにもネタバレなしで話すのも難しいのでこうやってnoteで発散する事にします。オタクは早口語りするのがだいすき。


まずとんかつDJアゲ太郎ってなんだよって人に説明すると、ジャンプの漫画です。今ならジャンププラスってアプリで全話無料で読めます。1日1話か2話ずつ読めるので是非、是非読んでください。お願いします。

一目見たらわかると思うんですけど、まず商業漫画にしてはそこまで絵が上手いわけではないです。ついでにとんかつとDJという意味不明な組み合わせで、初見だと「トンデモギャグ漫画なのね〜」くらいの感想を持つと思います。私もそうでした。

しかし、とんかつDJアゲ太郎はただのギャグ漫画などでは断じてないのです!!今回はそれが言いたい。

とんかつDJアゲ太郎は、王道少年漫画です!!!!(クソデカ大声)


ではどういう理由で、私がこの漫画を王道少年漫画であるとするか語ろうと思います。

この漫画は「友情・努力・勝利」というジャンプ漫画の王道を軸に物語が進んでいきます。主人公のアゲ太郎がとんかつDJとして努力し時には友の助けを借りつつ壁を乗り越える成長物語です。その過程で修行編があったり敵と戦いを経て仲間になったりと、正しく少年漫画の王道と言える展開の数々があります。

とんかつDJアゲ太郎は、ただの1発ネタギャグ漫画などでは断じてないのです!!!!何度でも伝えたい。

そんなに王道展開だと退屈じゃないのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これはとんかつDJの話です。「とんかつ」と「DJ」の話なんです。題材が斬新なので、展開の軸が王道でも退屈さは感じませんでした。王道の古臭さは感じさせず、なおかつその熱さは伝わってきます。


とんかつDJアゲ太郎には「とんかつとDJって同じなのか!?」という印象的なセリフがあります。いや何言ってるの?と思っている方も読み終われば「やっぱりとんかつとDJは同じなんだ!」と思うに違いありません。

物語の序盤、アゲ太郎はDJの修行を通して、とんかつ師としての腕も上がっていきます。例を挙げると、DJとして曲と曲の「繋ぎ」を練習する事でとんかつ師として仕事をしながら次の仕事を考えられるようになる、みたいな感じです。その逆にとんかつを通してDJが上手くなったりもして、とにかく物語は「とんかつDJ」の話に終始します。とんかつDJとかwwwって人もぜひ読んでください……どうか……


とんかつDJアゲ太郎のいい所はまだまだあります。展開が丁寧でかつテンボがいいこと。登場人物が全員キャラがたっててイヤミな人が誰もいないこと。言われると「ふーんそんなもんか」と思うかもしれませんが、少なくとも私にとってこれらの要素は「気持ちよく読む」ために必要な要素です。

物語上対立する人も含めて嫌いな人がいないって割と珍しいと思うんですよね。ドロヘドロもそういうタイプの漫画であったと思うんですけど。読者がカタルシスを得るための「溜め」の部分で、特定の登場人物にヘイトが集まりすぎちゃうのって多分良くないんですよね。そのキャラが嫌いになっちゃって、嫌いなキャラが出てくる漫画読むの辛いから読むのやめる、なんていうのもありえると思うんですよ。現実でも嫌いな人にわざわざ関わろうと思いませんもん。そりゃ避けるわ。閑話休題。


まぁそんな訳でとんかつDJアゲ太郎では最初イヤミなヤツとして登場するキャラも気付けばすきになってるし、ライバルキャラも主人公と互いに認め合いつつ常に主人公の1歩先を行く存在としてあり続けてくれるしでもう最高最高最高なんですけど、唯一、唯一「なんで?」と思ってしまうキャラがいます。

"""""""""こっから特大ネタバレゾーン""""""""""""








とんかつDJアゲ太郎で唯一、最終的な好感度が微妙になってしまったキャラクター、それはヒロインの苑子ちゃんです。

ヒロインの苑子ちゃんは、主人公のアゲ太郎がDJを始める一因にもなったスタイリスト志望の可愛い女の子であり、読者も序盤から何度となく目にするキャラクターになります。

では何故そんな重要キャラクターの好感度が微妙になってしまうのか。

物語の終盤、アゲ太郎が勇気を出して苑子ちゃんに告白したシーン。苑子ちゃんの返事は「あたし、結婚するの。だから、ごめんなさい」

おい!!!!!!!お前!!!!!!おい!!!!!え!?!?!?!?

しかも相手は地元の高校の先輩!?!?!?もはやBSSですらない!!!!!相手の方が先に好きになってずっと付き合っててただ僕がそれに気づかなかっただけ!!!!!そんなのってないよ!!!付き合い始めは上京してからとはいっても、じゃあ今までの展開なんだったんだよぉ……!

いや、まぁまぁまぁ、確かにただ仲良くなった女の子に振られただけなら「かー!これだから勘違いくんはよぉ!童貞乙!w」で終わるんですけど、アゲ太郎と苑子ちゃんの仲って作中で色んな人に応援されてるんですよ。お世話になってる雑誌の編集長とかアゲ太郎の妹とか色んな人に。それでこの仕打ちかよ!!

終盤までに私はアゲ太郎へ完全に感情移入して、ドキドキしながらこの告白シーンを見たわけです。デートをセッティングしてもらったり一緒に仕事の企画をしたり打ち上げに行ったり互いの仕事を認め合ったり。ただ突発的に好きだ付き合ってくれと言った訳ではなく、ここでも丁寧に丁寧に展開が作られてきていたんです。私は告白のシーンでドキドキしつつも、成功を疑っていませんでした。

でも結果は、「あたし、結婚するの」

うおおおおおおおい!!!!!ああああああああ!!!!えええええええええええ!!!!!

唐突すぎる「地元の先輩」という存在。しかも結婚する。もうマジ無理。。。

というか周りの人達もせめて彼氏いるかどうかくらい聞いてよほぉ……!!まぁ直接聞かなかったアゲ太郎も悪かったけどさぁ……!!短い期間のように見えて、実際作中では2,3年経ってるんやぞ……それをおま、お前結婚て、結婚って!!!!!!

まぁこの振られた経験からアゲ太郎はさらにとんかつDJとしての道を邁進する事になるのですが、それでも納得いかない。別に付き合ってハッピーでとんかつDJの道を進んでもいいじゃんね。


まぁなんやかんや言いましたが、結局それだけ感情移入できるくらいアゲ太郎は面白くて、魅力的な漫画だったってことです。

因みに最終話の集合絵に苑子ちゃんはいませんでした。南無。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?