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言葉とイメージの狭間で

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ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
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2020年6月の記事一覧

楽しさの自給自足

自粛期間中、あまりストレスを感じず過ごせた理由がひとつある。 それはそもそも外食をそんなに嬉しいと思わないことだ。だから自身期間中、外食ができない日々が続いても、もともとそういう生活だったから「いつもやってたことができない」というストレスの要因にはならなかった。 家で自分たちで作って食べるほうが美味しいと思ってるから、そんなに外食したいと思わない。 もちろん外で食べて美味しいものもたくさんある。 でも、作ること自体楽しかったりもするので、外食よりも家で作って食べたくなる。

抽象化と具体化を繰り返して

話を聞いたり、物事を見たりして、集めた情報からなんらかの共通点を抜きとって、その傾向を一般化する。 ようするに、抽象化する思考の働きなんだけど、これがあんまり得意じゃなかったり、やらなかったりする人が時々いる。 でも、抽象化を頭のなかでそれなりの頻度で日々やらないと、物事の理解ってなかなか進まないし、いろんな発想をするのにもきっかけがつかめなくて苦労するはずだ。 自分で自分が何の仕事をすればよいかを見つけられなくて、前にやったことがある仕事以外は、仕事の形を決めて用意し

学びの願望

願望というのはなかなか厄介だ。 痩せたい、儲けたい、認められたい。 これらは間違いなく願望だ。 けれど、本当にこれらの願望を、その願望をもつものが叶えようと思っているかというと甚だあやしくなってくる。 痩せたいけど、儲けたいけど、認められたいけど。 そのために必要なことを、これらの願望をもつものがやるかというと、実はそうではなかったりというのはあるあるだ。 痩せたいけど痩せない、儲けたいけど儲からない、認められたいけど認められない。 そのために必要なことをやった上で思う

20年ぶりくらいに『美術手帳』を買った。 そういえば昔は毎月買っていたのだった(当時は『BT』という名称だったが)。 特集が「新しいエコロジー」で、延期されていた展覧会がようやく開催される運びとなったオラファー・エリアソンのインタビューが載っているのが、主な理由だ。 アートと代議制「アートで描くサステナブルな世界」と題されたインタビューで、エリアソンはこんなことを言っている。 「芸術の経験は、観客が目の前の作品にどのようなリアリティを感じ、それによって世界にたいする見方を

僕らは世界にアフォードされながら創発的に発想してる

自分の発想がどこから生じるのか? 自分はどうやって仕事をしているのか? 部分的にオフィスワークを復活させてみて、5日ほど出社してみたけれど、あらためて感じたのは、そんなことだ。 まわりに生きた世界がないと思考がちゃんと働かず、まともな仕事ができないなーというのが、明確にわかった気がする。 その意味では、オフィスに出社すれば良いというだけでもない。 むしろ、オフィスに限らず、いろんな現場に足を伸ばしていろんなものを観察し、いろんな話を聞かせてもらう機会を増やすことが大事だ。

New Normal ?

あー、なんか本当に夢から醒めた気分だ。 今週は3日オフィスに出社してみた。 フルリモートワークの期間が2ヶ月も続くと、誰もが感じたのと同じように、このままオフィスに出社しない働き方もありなんじゃないかと思っていた。 でも、3日出社してみて思ったけど、まったくそんなことないなと早くも気づいた。 オフィスで働くほうが圧倒的に生産的だ。 他人と話すにも話は早いし、発想が豊かになりやすい。 あと画面のなかの映像やPCからの音声のみに縛られないのは、いろんなものを認識して利用するの

カンフォタブルゾーンへの幽閉から解放されて

アヴィラの諸自己の生態学において、魂=盲は、モナド的な独我論という孤立した状態――自分自身あるいは自らのたぐいを超えて見る能力の欠如――によって特徴づけられる。 エドゥアルド・コーンの『森は考える』に、このように記述される「魂=盲」という概念がある。 一言でいえば、自分のなかに閉じこもって、まわりの存在に気づくことない状態だ。 野生の猛獣たちがたくさんいる南米の森で、この状態は危険この上ない。なにかしらの獣が自分を狙っていようとも、それに気づけなくなっているのだから。

仕事の環境を問う

昨日は、緊急事態宣言が発令された4月7日以降、約2か月ぶりにオフィスに出社した(ちなみに今日はまたリモートワーク)。 世の中、リモートワークでも仕事ができるんだからオフィスに行かなくてもいいんじゃないかという声も出てきてるが、この2か月の間、フルでオフィスに行かずにリモートで仕事をしてみて、リモートのほうが良い仕事とオフィスでほかのメンバーもいるなかでする方がよい仕事があるのがわかった。 そして、同時にわかったことがもう1つある。 それはリモートが良い仕事とオフィスでやる