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ランチメイト症候群

『ちかごろの若者』と呼ばれる人にふりまわせれてる経営者が増えてます。

ちかごろの若者というのは、もちろん『最近の若者』だとか『いまどきの新入社員』という意味合いと同じなんですが、「とんでもない奴はマジでとんでもないからな」というのが、彼らを雇ってしまった経営者が揃って口にする言葉なんですね。

なので、その『ちかごろの若者』と呼ばれている人はどうすればいい?ということで、相談を受けることもあるんですが、よくよく聞いてみると彼らには共通する部分があるように思うんです。

もちろん、若者であれば全員が『ちかごろの若者』になるのか?というと、そんなことはありません。どの世代にも、最初から仕事ができる人もいれば、「ちょっとコイツは厄介だな」と思ってしまうような人もいるものです。

(ぼくも、サラリーマン時代の最初の方は、完全にお荷物人間でしたw)

で、ぼくが思う『ちかごろの若者』の共通点はこうです。

・自分の思い込みで行動してしまう傾向にある。
・なんでも連絡はメールやSNSで済ます傾向がある。
・自分のミスは素直に認めるが、それを上司に報告することができない。

例えば、こんな感じです。

ある日、会社に電話がかかってきたとします。それを『ちかごろの若者くん』が受け取りました。電話はいつも取引をしている会社からで、「いま〇〇の対応をしてもらっとるじゃろ、ついでにXXXXも対応してもらえんかの?」という、新たな案件の話でした。

ちかごろの若者くんは、すぐさま「大丈夫です!」と返事をしました。

すると先方も「おお、そりゃ助かります。」と安堵の声をもらしました。そして「ちなみにこっちのほうが急いどるけぇ、1週間でなんとかしてもらえんかいのぉ?」と話を続けます。

そしてちかごろの若者くんは、ここでも「大丈夫です!」と元気よく答えました。
しかし、問題はここからです。取引先との電話を終えたちかごろの若者くんは、新たな案件を施工するための材料があるか倉庫を調べました。すると、施工にどうしても必要な材料がないことに気づきます。

もちろん、倉庫になかったら取り寄せる必要があります。ですが、そんなことをしていたら取引先と約束した『1週間後』には絶対に間に合いません。

「やってしまった…」と血の気が引いたちかごろの若者くんは、どうすることもできなくなり、上司にも報告せずにただひたすら「そのまま」にしてしまいました、、。

いかがでしょう?

これが、ちかごろの若者の共通点をまとめたエピソードなんですが、冷静に考えれば早く上司に報告すべきだということがわかりますよね。そのほかにも、取引先にお詫びの電話をするという方法もあるかと思います。

ですが、どうすればいいのかわからなくなりパニック状態になったちかごろの若者くんは、何もせずに「そのまま放置する」という選択をしてしまったんです。

『ランチメイト症候群』という言葉があります。

これは、学校や職場といったオープンなコミュニティのなかで一緒にご飯を食べる人がいなかったら、一種の恐怖を覚えるというものです。つまり、「ひとりで食べてるところを見られるのは恥ずかしい」と、思い込んでしまうということなんですね。

なので、ひとりで食べてるところ(欠点・失敗)をみられるくらいなら、トイレに隠れてひとりで食べる(隠蔽)という行動をとる傾向にもあるんです。

そして、このランチメイト症候群がみられる世代は、まさにちかごろの若者世代です。

このように、ちかごろの若者は非常に繊細です。ぼくら以上の世代からすると「いや、飯くらい一人で食っても死ぬわけじゃなかろうし」と吐き捨てることができるかもしれませんが、当の本人にとっては死活問題なんですね。

先ほどの電話の県も、悪い報告をしてもらうための仕組みづくりをすれば解決できる内容ではあります。

ですが、その仕組みがちかごろの若者が扱いやすいものかどうか?という視点は持ってあげるべきだと、ぼくは思うんです。

もちろん、ある程度の教育も必要です。ですが、ランチメイト症候群は生まれてからこのかたずっと引きずっていた価値観です。数時間の教育程度で簡単に価値観を塗り替えれるものじゃありません。

ちかごろの若者でも悪い報告ができるようになる対策を、一緒になって考えていくのも経営者の仕事のひとつと言えるでしょう。

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。