【マネーフォワード】2020.8期-3Q決算

個人向け家計簿アプリ『マネーフォワードME』と法人向けの会計・人事クラウドが2本柱。

【経営成績】

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★増収はなかなか。+161%
★赤字率も縮小。▲37%⇒▲20%へと。17ポイント程度回復。
★にしてもすごい赤字。しかもずっとこんな感じで赤字垂れ流している。カネが続くのがすごい。
★そういう意味では資金調達がとても上手な会社と思う。これが続く限りは燃料を投下し続ける。
★業績予想の進捗。売上が7割弱。残り四半期で届くかどうかは見物。
★業績予想の赤字率は22%弱。どうせなら、予想の赤字まで燃やし尽くしてしまえばいいでしょう。

CF計算書の開示はしていないので、簡易版作成。

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★およそ、▲10億円の赤。営業利益の赤字▲16億円よりはマシになっている。
★前受収益と償却費等がそれなりに大きかった。とは言え、10億円の赤字営業CFで、売上は80億円弱なのだから、資金繰りはそれなりにしんどいのではないだろうか。黒字化しようとすればできる会社なのだろうか?

【財政状態】

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★自己資本比率 47.1%
★d/e Ratioが0.66倍。
★ネットキャッシュが+23億円。対総資産比率11.1%
★直近の新株発行などによる資金調達でそこまで酷い財政状態ではない。むしろネットキャッシュが黒字で意外なくらい良い。
★SaaSビジネスということで、投資家の期待値もそれなりに高いのか。今は種を蒔いている期間ということで引受けてもらっているのか。
★それだけ希釈化しているのに株価は下がらず。今はなんと9,430円も高値つけている。
★時価総額は2,181億円ものバリュエーション。本当にこの会社にこんな価値があるのか?素人からすると甚だ疑問である。

【各経営指標】

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★ROE, ROA, ROICは大赤字なので測定不能である。PERも。
★PBRが21倍と高い。思ったほど高くないかもしれない。資金調達が奏功しているのでしょう。
★EVもバカでかい。EBITDAは赤字のくせに。
★配当など当然しない。全部本業に燃料投下。

【総括】

もうずっと赤字。でも、カネを出してくれる投資家がいる。だから全然ビジネスは続く。ある意味すごい会社。
本当に2,200億円弱もの時価総額の価値があるのかは甚だ疑問ではあるが。
今はネットキャッシュが+23億円ある。
ただ、今のペースでカネを燃やし続けるならば、来年度にまた資金調達が必要になるのだと思う。それでもまだ燃料追加できたら本当にお見事と思う。
経営において資金調達は扇の要。そこがしっかりしていることは認めざるを得ない。しかもこれだけ新株発行しても、株価が下がらない。どころか上げている。
既存の投資家も、「ここまで来たらイモは引けない」という気持ちなのか。
地獄一歩手前の、チキンレース?みたいな感じ?
ただ、この投資先がなくて、キャッシュを溜め込む性向にある多くの日本企業の中にあって、事業投資を継続している若くて元気のある会社とも言える。
私は上述したような価値はこの会社にないとは思うが、これくらい元気のある会社で溢れかえれば、経済は元気を取り戻すだろうとは思う。

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