【ためスモインタビューvol.6】富山を出たくてしょうがなかったーー起業家・原井 紗友里さん
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【ためスモインタビューvol.6】富山を出たくてしょうがなかったーー起業家・原井 紗友里さん

まさるくん@富山👈日本の穴場

富山市八尾で、一軒貸しのゲストハウス「越中八尾ベースOYATSU」や、着物のアップサイクルブランド「tadas」を経営する株式会社OZ Link原井紗友里さん。今回は、富山の若手経営者として注目を浴びている彼女にインタビューしました。

八尾ってどんなまち?
会社員として働いていた彼女が、富山で起業したのはなぜ?
富山での子育てってどう?

経営者目線、母親目線、Uターン者目線で、ホンネを教えていただきました。

◎世界に羽ばたこうと思っていた

ーー小さい頃から、起業家を目指しておられたんですか?

起業は全く考えていませんでした。中学生の時に図書館で「世界で一番寿命が短い国」という本を読んだのがきっかけで、国境なき医師団に入るのが夢だったこともあったんですよ。

高校を卒業したら富山を出て、世界へ羽ばたきたいと思っていました。

ーー実際に、大学を卒業してからは中国で日本語学校の先生として働かれていたんですよね。

そうです。中国での仕事や生活は本当に充実していました。多様な方々との刺激的な出会いがたくさんありました。当時、私は新卒のペーペーだったので、日本にいたら到底出会えなかった方々と交流できたのは自分にとってプラスでした。日本人コミュニティには、大企業の経営職の方が多くいらっしゃいましたし。

ーー中国駐在のあと、富山にUターンされた理由は何だったのでしょうか。

「中国に駐在できる会社を富山に見つけた」というのがひとつの理由です。一瞬富山には帰るけれど、そのあとは海外で働くつもりだったんです。当時は、自分が富山で起業するなんて全く思っていませんでした。

でも、富山に帰ってきて「富山って意外と良いじゃん」って思ったんですよね。まず、お米や野菜、お魚、お水など食材そのものが最高に美味しい。東京や中国に住んでいた時はシャンプーが泡立たなくてびっくりしたし、訪問先で出されたお茶がものすごい不味かったりもしました。富山ではそんなことは絶対ありません。

ーー高校生のとき見ていた富山と、Uターンして見えた富山は違いましたか。

富山は変わっていないけれど、私が変わったから、見えるものが違いました

高校生までは、富山と言ってもせいぜい自転車で行ける範囲しか知らないんですよね。でも社会人になって営業車で県内を巡ると、こんな気持ちの良いドライブをしながらお金をもらえるなんて最高だなと思ったりもしました。

ずっと富山に住み続けていたとしても同じ風景を見れたはず。でも、8年間東京や中国という別の風景の中で生活したからこそ、見えてきたものがあると思います。

ーー富山に戻ってきて、煩わしさを感じたり、Uターンしたことを後悔したことはありますか。

うーん…思いつかないなあ。

強いていうなら、代行で帰らないといけないので気軽に飲みに行きにくいところですかね…。でも、本当にそれくらいです。

◎「起業する」という選択肢

ーー原井さんが起業するに至った経緯を教えてください。

Uターン就職して、コンサルティングの会社に勤めていたのですが、富山は素晴らしいものづくりをしているのに、PRが下手だな、と感じたんです。

ちょうど北陸新幹線の開業のタイミングでもあったので、観光客が増えていました。しかし、彼らに富山を本当に楽しんでもらえているかな、という疑問もありました。そこでたどり着いたのが観光業での起業でした。

そこで富山県が開講している「とやま観光未来創造塾」で学ぶことに。

ーー「とやま観光未来創造塾」での一番大きな学びは何でしたか。

富山県人が当たり前だと思っている自然や、私たちの日常を見て感動する外国人がたくさんいらっしゃったんです。そんな姿を見て、故郷には宝がたくさんあることに気づかされました。

ーーご出身ではない八尾というまちに移住し、起業されたきっかけを教えてください。

塾で学びながら、県内を見て回っていました。その中でも、八尾の「もったいなさ」がピカイチだったんですよね(笑)。

八尾曳山会館で毎月2回やっている「おわら風の盆」のステージを見てとても感動したんですが、観光客が全然いなくて。こんな素晴らしいものがあるのに、本当にもったいないと思ったんです。

ーー「おわら風の盆」は、県内外から20万人もの方が訪れる非常に人気のある行事ですが、それ以外の時期に観光客が少ないのが課題だということですね。

さらに、道端のお地蔵さんに綺麗なお花が供えられているのを見て、地元の人がきちんと暮らしを営んでおられる姿が垣間見えたのもよかったんです。

そんな時に、地元の新聞に「原井紗友里さんは「とやま観光未来創造塾」を卒塾後、八尾か〇〇で起業予定」という記事が出たんです。その小さい記事を見つけて、八尾の商工会の方が連絡をくださって、私がスタートしようとするビジネスに興味をもってくださいました。

その方が地元の人とも繋げてくださったこともあって、八尾で起業しようと決意しました。

ーーご縁が繋がったわけですね。原井さんのこれからの構想を教えてください。

旅の楽しみは「非日常」ではなく「異日常」だと思っています。「八尾の人にとっては日常だが、外の人から見たら日常ではない姿」つまり「異日常」を見せたくて。

そして、八尾により長く滞在してもらうことも大切です。町全体をホテルのように見立てる「平面ホテル化構想」を掲げています。私が運営する宿はあくまでホテルの一つの客室に過ぎず、来てくださった方に八尾という町全体を見せていくデザインを意識しています。

◎八尾での子育ては理想の形

ーー2020年には娘さんも誕生されたそうですね。富山での子育てはいかがですか。

ずっと田舎で子育てしたいと思っていたので、それが叶い嬉しいです。

東京で、小さい子供たちが満員電車に乗って通学している子供たちを見て、自分の理想の子育てではないな、と感じていたんです。もちろんそれが悪いことではないのですが、なんとなく違和感があって。私自身は畦道を通って学校に通っていましたしね。

高校生の時はあれだけ富山を離れたいと思っていたけれど、今は帰ってきてよかったと心の底から思います。

ーー八尾での子育てのメリットを教えてください。

娘の瑛麻(えま)は1歳になる前に、おわらの手習いを始めました。私は八尾生まれではないので、きちんとしたおわらを踊ることはできないけれど、瑛麻には八尾生まれ、八尾育ち、おわらのDNAが流れています。おわら娘に育っていることが純粋に嬉しいです。

商売をしていることもあって、「1時間だけ娘を見ていてほしい!」という時がよくあるんですよ。そんな時は近所の方に見てもらいます。近所の方の犬のお散歩に連れて行ってもらったりもするんですよ。そうやって近所の方に一緒に子育てしてもらえるのが本当に助かるし、娘もたくさんの人の中で育って、豊かな環境だなーと思います。

もちろん、ご近所付き合いが苦手な方は向いてないと思いますが、伝統文化の担い手になれるところや、地域で子供を育てられるという点は八尾の魅力です。

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▲娘の瑛麻ちゃん。
八尾のおじいちゃん・おばあちゃんたちに育ててもらっている

ーー原井さんはためスモパートナーとして、富山を訪れた方々にどんなサポートをしたいと考えておられますか。

人それぞれのニーズに合わせてお手伝いしたいです。

例えば子育て世代なら、一緒に子育て支援センターに行きますし、ワーケーションで来られるなら、仕事の捗る八尾のスポットをご紹介できます。

そもそも八尾を訪れる方って縁がある方だと思うんですよ。だから、そのご縁を大切にしていきたい。この「縁」というのは、笑福亭鶴瓶さんから「縁は努力」という言葉をいただいてから大切にしているんです。

ーーNHK「鶴瓶の家族に乾杯」で、鶴瓶さんが八尾を訪れたことがあったんですよね。

そうです。起業して1年目の私の誕生日に、偶然撮影中の鶴瓶さんにお会いしたんです。お店が1周年の時にはお花を贈ってくださり、直接電話もいただきました。

ーー本当にご縁を大切になさっている方なんですね。

起業して1年目で鶴瓶さんに出会えたことは、自分にとってすごく大きかったですね。そして、ご縁がある人に対しては最大限のことをしたいと思うようになりました。だから、八尾に足を運んでくださった方には出来る限りのことをしますよ。

◎富山移住のメリットは「暮らしの豊かさ」

ーー富山で起業するメリットは何だと思われますか。

富山の強みは、ビジネスのしやすさというよりは暮らしの豊かさだと思います。

そもそも、ビジネスが富山にどう絡んでくるかは、その人次第です。「何するか」より「なぜそれをしたいか」が大切なので。

例えば単に「パン屋さんをやりたい」ならば、どこでやってもいい。でも、「子育てしながら起業したい」「富山の食材を最大限に生かしたものを作りたい」と、富山の要素を生かせるのであれば富山でぜひ起業してほしいです。

あるいは、どんな場所でも同じ仕事ができる人であれば、田舎でも起業できる時代。仕事で何をするかというより、自分の生き方と富山に重なる部分があるのであればぜひ富山に来ていただきたいですね。

ーー八尾での暮らしは、どんな方に向いていると思いますか。

人の目を気にしない人にはぴったりの場所です。私自身がそうなんですけどね(笑)。八尾はそれだけ人と人との距離が近いまちだから、逆に人の目を気にしすぎる人には合わないかな。

ーー八尾という文化的なまちに移住した立場から、移住を検討されている方にアドバイスはありますか。

文化や伝統のあるまちは、とっつきにくい印象があるかもしれませんが、皆さん本当によくしてくださいます。まずは地域の方々にパッションを伝えることが大切かもしれません。

私の目標は、自分がおばあちゃんになった時も、このまちに「おわら」がちゃんと残っていて、孫がおわらを踊っているのを見ること。八尾の文化に対して自分ができることを精一杯しようと思っています。こういう覚悟をもって私がやっていることは地域の人に伝わっていればいいなと思います。

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Uターンして見た富山は、高校生の時見ていた富山とは違って見えたと話す原井さん。

Uターンを検討しているなら。
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もしかすると、あなたは富山との縁があるのかもしれません。

ためスモパートナーは、あなたの富山での暮らしや挑戦を全力でサポートします。

<今回ご紹介したためスモパートナー>
原井 紗友里(はらい・さゆり)
富山県富山市出身。県外の大学に進学し、国際教育を専攻する。卒業後、中国・青島で日本人学校に赴任。その後富山の会社へUターン就職したのち、2016年株式会社OZ LINKSを立ち上げた。「おわら風の盆」で有名な富山市八尾を拠点に、『暮らしを体験できる宿』である観光拠点・越中八尾ベースOYATSUや、着物のアップサイクルブランド「tadas」などを展開。「とやま観光未来創造塾」グローバルコース一期生。


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まさるくん@富山👈日本の穴場
アウトドアやグルメ大好きでダイエットできる気がしない、趣味の時間が足りない。知れば知るほど『あえて』富山を選ぶ選択肢が浮上。目指せ!富山移住エバンジェリスト🔥こちら『ためスモ』の公式アカウントです!『おためし暮らし』を提供しています~!→→https://tryijyuu.jp/