2019年振り返り:リアルとバーチャルの格差の変容

かなりひさしぶりの更新になりました。

昨日とあるコミュニティの場で2019年総括しようという話になり、そこで話した内容を書き留めておこうかと思いました。

まず、バーチャル社会の格差をスマホゲームの文脈でいうなれば、2010年代前半はその数年前から始まったGREE、Mobageから引き継いだ「バーチャル社会では金で自己承認欲求を満足できる」というPay to Win的な社会が成立し、2016年〜2017年ぐらいまではその文脈で市場も拡大していったのですが、去年ぐらいからインターネット社会の成熟化に伴い、リアル社会では(主に経済的)格差が可視化され、例えばTwitter炎上のパターンとかが頻発に関連するように、バーチャル社会であるゲームにおいてもPay to Win的なものが受け入れられなくなってきた印象があります。
(一部IPだけ「人気キャラクター」が乗っかりヒットを飛ばすことはある)

つまり、リアル社会の不満をなんでバーチャルでも体験しなきゃいけないのか、ということであり、そのジャストタイミングでパラメーター(プレイヤーの強さ)に課金要素のないバトロワが出てきて流行った、という文脈がある気がしています。

荒野行動、PUBG、フォートナイト等に代表されるバトロワタイトルは、主な課金要素はアバター等の見た目に関するものであり、あとはプレイスキルや実況動画の面白さ等、格差は課金額ではなく「クリエイティブさ」になっています。

正しさはともかく、こういう仮説を立てていくとバーチャル社会の格差デザインはリアル社会の相対的構造で語ることができ、今後のリアル/バーチャルそれぞれの社会デザインはどうあるべきか、という議論ができそうでなかなか面白いかもと思っている今日この頃です。

今回の話はあくまでもリアル社会とバーチャル社会の関連性に絞った話であり、スマホゲーム市場的なことでいえば市場拡大とともに粗悪なゲームが増えた(アタリショック的観点)、中国をはじめとする海外ゲームのハイクオリティタイトルの輸入等の文脈はスルーしています。

では、昨今のドラクエウォークのヒットはなんなのかというのはありますが、今のところポケモンGO出遅れた組とか含めてみんなやり始めたんじゃないのぐらいで思っています。
つまり、例えばゲーム・オブ・ウォーが流行ったタイミングでゲーム開始してもゲーム内資産格差はすでに長大に広がっているので、後発のパクリゲーであるクラキンから「よーいドン」で頑張ろうみたいなのと同じような文脈かなと。

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