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「はまってしまう」傾向を漢字で言いたい

惑溺(性)
ある事に深く迷って本心を失うこと。溺れること。
引用:
https://kotobank.jp/word/%E6%83%91%E6%BA%BA-664896
耽溺性
名詞「耽溺」に、接尾辞「性」がついたもの。

耽溺
一つのことに夢中になって、他を顧みないこと。多く不健全な遊びにおぼれることにいう。「酒色に—する」
引用:https://www.weblio.jp/content/%E8%80%BD%E6%BA%BA%E6%80%A7

惑う・溺れる/耽る・溺れる、ですからね。
何とも怪しげな熟語。

コーヒーには耽溺性がありますからねー。はまりますねー。

なんて使い方がちらほら。

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惑溺、耽溺で思い出した。
高校二年生の夏の課題で、保健体育の授業でこういう課題が出たのです。

「これまでの授業で行ったテーマから好きなものを選択して、グループでレポートを作成せよ」

選んだテーマは「薬物」。

三人グループでのレポート作成で、薬局で手に入る薬でどうにか薬物の多幸感やら、酩酊感やら、非日常を味わってみて、それをまとめてみようということにした。

ネットがまだ世に浸透していない世の中であった。
確かこの本(図解中毒マニュアル)が手元にあって、それに影響を受けたものであったと記憶している。図には、マリファナ、コカイン、覚せい剤。LSDやらマジックマッシュルーム、それからヘロイン、モルヒネ、コデインと。様々な薬物の紹介とその効果が掲載されていた。

10代の好奇心を刺激するにとても興味深いトピックスである。

しかしながら、学校のレポート。

非合法な薬物を手に入れるルートがなかったということもあるけれど、法の範囲内でどうにかしようというあたりに真面目さであり、可愛さを感じる良い思い出である。酒やたばこでさえ避けた。

選んだ薬と選定理由はこれら。
この三つ。

ウット
睡眠導入剤です。ハルシオン(トリアゾラム)を多めに摂取するとトリップするよー的なことが書いてあったので、手に入る睡眠導入剤でエントリー。ハルシオンは薬局で買えなかったので。

パブロン
咳止めですね。1980年代にブロンという咳止め薬を一気飲みしてトリップする遊びが流行ったということが書かれていたのでエントリー。リン酸ジヒドロコデインやらエフェドリンという成分が含まれていて、これが疲労感を忘れさせたり、多幸感を与えたりすると。この辺が参考になる

オールP
これは参考にした本に載っていたわけではないのだけれど、瓶が中2病をとても刺激する形状だったのでエントリー。アンプル状になっていて、服用時には瓶を折って、クッと一気飲みするんですよね。薬局に普通に売ってるんで買ってみてください。実際は普通にカフェインとタウリンが混ざっているただの眠気覚ましですね。

三人グループでのレポート作成だったので、それぞれが上記三種から一つを選択して、思い思いに摂取してレポートに記すと。

好奇心旺盛な真面目が行動力を手にすると怖いですね。

ウットは確か、ひと箱は怖いから、半箱。
パブロンはひと瓶を一気飲み。
オールPはひと箱の二本を一気飲み。

だったと思う。

摂取から時間の経過とともに、所感を記してレポートを書き書きと。
何が起こるかワクワクしたのも裏腹、特に大きな変化がある訳でもなく、なんとなく、背徳感からの楽しさがあったくらいでした。

ウット飲んだ人だけ眠くなって寝てたかな…。

まあ、薬局で売っているようなものをちょっと多めに飲んだくらいで、そんな極端な薬効ってあらわれないんですよね。

薬物に、というよりこの頃は、こういう好奇心から得られる高揚感に耽溺してたし、惑溺してましたよね。

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「耽溺」の「耽」は「耽美派」の「耽」ですね。

耽美派
美を人生の最高の価値とし,美の享受と創造をめざした文学の流派唯美 (ゆいび) 派ともいう。 自然主義に対立しておこり,明治末期〜大正初期にかけて文壇の主流となる。
引用:https://kotobank.jp/word/%E8%80%BD%E7%BE%8E%E6%B4%BE

美を人生最高の価値とし…
かっこよ。

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興味があれば、この辺なんかもとても詳しく説明しているのでご参考を。
この動画見ながら当時、図解中毒マニュアルを読んだことを思い出しました。

ちなみに、非合法にせよ脱法にせよ、基本的に「危険薬物、絶対、ダメ!」のスタンスです。誤解なきように。医療を目的とした合法な手段としての使用には、一定の理解があります。

得た知識があり、その危険性をよくよく理解しているからこそ、断固駄目であると言い切れますし、これら魔の手に絡めとられず歩んでこられたこれまでを振り返ると、正しく学ぶことはとても重要だと思うのです。

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薬局で売っているようなものをちょっと多めに飲んだくらいで、そんな極端な薬効ってあらわれないんですよね。

とは書いたものの、厚労省はじめいろいろなところで注意喚起されていますとおり、風邪薬やら、割と手に入りやすい薬に含まれている「リン酸ジヒドロコデイン」はヘロインと近く、「エフェドリン」はアンフェタミン(覚せい剤)に近い化学化合物であったりします。

用法用量を守らねば本当に危険。

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