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母性の果てにあるのは支配欲?

おはようございます。たまです。
みなさん、どんな週末をお過ごしでしょうか?

実は私、モデルナワクチン2回目をこれから打つのです・・・。少し緊張💦
妊婦は副反応が弱い傾向があるそうなので、そこに賭けてます。


さて、今日は久々に小説を読みました。

明日の食卓 (角川文庫)/著:柳月美智子

なんと今年の5月には映画化されていた小説のようです。知らなかった・・


▼あらすじ
息子を殺したのは、私ですか?

同じ名前の男の子を育てる3人の母親たち。
愛する我が子に手をあげたのは誰か――。

静岡在住・専業主婦の石橋あすみ36歳、夫・太一は東京に勤務するサラリーマン、息子・優8歳。
神奈川在住・フリーライターの石橋留美子43歳、夫・豊はフリーカメラマン、息子・悠宇8歳。
大阪在住・シングルマザーの石橋加奈30歳、離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日、息子・勇8歳。

それぞれが息子のユウを育てながら忙しい日々を送っていた。辛いことも多いけど、幸せな家庭のはずだった。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。無意識に子どもに向いてしまう苛立ちと怒り。果たして3つの石橋家の行き着く果ては……。
どこにでもある家庭の光と闇を描いた、衝撃の物語。
引用元:amazon


今を生きる、生かすことに必死の母親たち

子どもへの愛情はもちろんある。けど、思い通りにはならない息子、家族。自分ばっかりこんなに苦労して、家事して、仕事までして。

その果て、つい感情的になり息子や夫に当たる姿があります。

客観的にみると、もう少し冷静になって感情コントロールすればいいのに…とも思いますが、そうもいかない経験をお持ちのお母さんたちもいるはず。

育児書に書いてあることに逆行する日々。
「早く食べなさい!ゲーム取り上げるからね!」

つい、愛情を取り下げるようなことを言っちゃいますよね。
そんな日常の延長にある、虐待死の事件…。鳥肌が立つほど怖くなりました。


一番怖いと思った、問題に向き合わない母親|あすみ

夫の浮気にも言及せず、サイコパス気味の息子にも干渉しない。

今ある日常を守るために、問題を無視する。しまいにはママ友などに依存する。ずるずると違う世界に引き込まれていく…。

実は一番よくあるパターンではないでしょうか?

あすみの主体性のなさに腹立たしさを覚えつつ、もし自分が同じような状況になったら、問題解決に向かって立ち向かえるのか?

世間体、資金面、子どもの友人関係、学校教育…。

変化が怖い。現状維持がいい。誰しもそう思ってしまうはず。
自分だったら、どのように向き合うべきなのか?・・・

炎上覚悟ですが、やはり資金面で「自立」していることがファーストステップだと考えてしまいました。離婚しても食べていける未来が描けるのか?それによって、行動の選択肢や主体性の有無が大いに変わってくる。

悲しいけれど、それが現実だと思いました。


本当に令和の話か?と思うくらいの父親の未熟さ

どの家庭でも、不機嫌をまき散らして子供以上に幼稚なさまが、なんともリアルに表現されています。なぜか、「いやいや小説だからでしょ」とも思えないリアルさ。不思議です。

どの父親も、子育ての責任はすべて母親に属する、という思想。父親とは何なんでしょう?彼らの幼稚さ・無責任さに腹立たしく感じます。

ただ、もしかすると彼らも被害者なのかもしれません。以前の記事でも触れた通り、有害な男性らしさをインストールされており、弱音を吐けない状況に陥っている。


そんな負の連鎖を断ち切るために、自分の息子にだけはインストールさせまいと心新たにさせられました。


母性の果てにあるのは支配欲か

どの母親も、息子に対する愛情は確実にある。けれど、息子は口答えするし、言うことを聞かない。

イライラが募り募って、怒鳴り、こどもに手を上げる。

振り下ろす手は、子どものしつけのため?

自分の発散のため?

彼女らはきっと、はじめは「こどものため」だと思っていただろう。
ただ、振り下ろす手がジンジンするほど、子どもが泣きわめくほどエスカレートしていく。自分の中の加虐性に驚きながらも、快感を覚え、止まらなくなっていく。

とてもたまらなく怖い話。
けど、子育てをして子どもを怒鳴った経験のある親なら、彼女らを完全に否定はできないはず。


ご興味のある方はぜひご一読ください。


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