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「薬味」という小さな知恵

美しく注目される料理ばかり乗せる器に留まりたくないんだ。コッチョリーノの器は脇役をひきたてる縁の下の力持ちでもありたいと常にぼやきます。

ところで板の器に乗せた「薬味」。食欲増進、素材のニオイを抑制、殺菌作用、彩りなど大活躍である「薬味」は「お」をつけたいくらい好物で尊敬しています。

薬味の知恵

料理をおいしくいただく工夫として「薬味」を添えるという知恵があります。もちろん諸外国にもスパイスやハーブという食文化はあるものの、和食のそれは、生のものを適宜好みの量で食す直前に添える(煮込まない)ことが多い。先週からイタリアの友だちと食事する機会が多いのですが、箸を口に運ぶ前に様々な薬味について質問攻めになること多々あり。素材、味、料理に添える理由、効能などなど。

(写真: 西洋のスパイス/ トスカーナ)

毎年恒例となっている「旅する土鍋 in ITALIA」旅の出発が迫っています。現地では大きな土鍋を担ぎ現地の伝統料理をつくってもらったり、和食をつくってお礼をしたり…。本当は「薬味」という脇役もできるだけ紹介したいのですが、現地ではこれらの調達が難しい。つくづくここ日本で「薬味」の存在をありがたく思う今日この頃です。

(写真: ボリジの花を添える/ ヴィンチ村)

おいしい活動と陶芸道

無休で活動しているコッチョリーノ。せめて年に1度、おいしい活動を第二の故郷であるイタリアでつづけることで「うつわ」や「伝統・文化」を自分でも見つめ直したい。「陶芸道」をつづける理由を、弟子として生きたイタリアで広い視野で見つめ直し、自分にたくさんの問いを投げかけたい。

30年ちかくエンドレスでこの道を歩んでいると、闇と光が混在しすぎて見えなくなる時があるのです。帰路は新たな発想をカバンに詰め帰る。そんな旅。

コッチョリーノの器は「連れて行ってもらえる人はだれだ?」っていう噂話でもちきりだけど、アトリエのなかのひとは寝食惜しみ、出発前の納品や、海外発送便のこと、現地展示会のための制作やらでグルングルンしている。そこにきてこの暑さ!

(写真: 弟子時代のアトリエ/ミラノ)

以前、亀の歩みでつくった「旅する土鍋マガジン」2013・2014年バージョン。2015年バージョンができていないというのに2016年の旅が始まってしまう!できるだけ現地からおいしいご報告できたらと思っています。(※いやいや最近コッチョリーノのnote記事が巷の魅力とずれているようで閲覧数も減っているので自分への記録としてですね)


**写真:コッチョリーノの器「板皿・半月板皿(夜街)」
Cocciorino 地球のかけら **

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