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おみおつけみたいな多様性をたのしむ

この疫病が世界に及ぼす現象を俯瞰しながら、実はずっと考えてきました。そして、自分ごとに対しても、ぐるぐると終わりのない思考を巡らせています。


「団結」という言葉の力は信じるけれど、どうしてもその後ろに「分断」を感じてしまう。「多様性」という言葉に理想をおくのに、この事態に「一元化」的な行動が戻ってくる。ここでもう一度、作品に関しても、個性と多様性のために、別種の思考を取り入れていきたいのです。


毎日、具を変えれば違う味になる「おみおつけ」の多様性って、改めてすごいと思います。あの時の震災でも、現在の難事でも、おみおつけの徽章が輝いて見える。季節性だったり経済的な工夫で変えられる日本の昔ながらの生きるためのおいしい知恵。ごはんのとなりで、湯気を立てて、食べる知恵は堂々としている。作品の見せかたや売り方にも、そんなおみおつけ思考を取り入れたいなと思うのです。



現在、長野県蓼科のギャラリーで「はるは6つのあけぼの展」が延長開催されています。開始直後、全国自粛要請がはじまり、蓼科のギャラリーも惜しみつつWEB展に変更。ギャラリーが6人の作家の作品動画をつくってくださり公開されています。実は、義父の不幸が重なるなかだったので、この尽力がうれしくて、本当はちょっと泣いた。


作家の道をあるく資金はギリギリですが、売ることが先にくるばかりではない。知恵は堂々としています。

動画の後半に出てくるわたしの作品。森のなかにあるギャラリーなので、新緑も作品素材として構想した作品で、くり抜いた目の奥に、遠い景色をうつしたかったのです。

眼は景色をうつし人をも見透かす


作者の勝手な気持ちというのは、その場で「ほれ、ここ!」と光の粒を指し示さないとわからないことだと思いますが、その気持ちの交換をなんらかの形で行いながら、作品を見てもらい、買ってもらえる世界が広がればいいなと思っています。ものをつくって生きてゆくことは、とても抽象的な仕事です。しかしながら、冒頭にも書いた通り、個性と多様性のために、本格的に思考を変えてゆく機会がやってきました。

2020年4月23日〜5月6日(水)
※6月末までの開催延長決定(電話予約にて来廊予約)



あとがきコッチョリーノ 

▶︎オンライン会議や授業が増えたので、そのぶんブログなどPCでの個人的な書き物に時間を取ることをやめ、書物を読んだり土をこねたり、つまりはオンラインタイム以外は工房作業と家族との対話に没頭していました。▶︎作品について、クリエイティビテへの想いは変わらずですが、販売について、実はずっとずっと考えてきました。つくって売ることばかりでなく、本来こういうこともデザインです。▶︎6月新宿高島屋の展覧会(土鍋を中心とした展示会)について、開催未決定なので告知も控えてきました。いまだにどうなるのか見えません。開催されても誘客に気が引けるし、おそらく入場規制なども厳しくなるでしょうから、今回はわかりやすく「定番作品メイン」に展開しようと思っています。▶︎いつもは100〜300点を展示しますが、今回は志向を変えて「受注できる作品」(サンプル的な現品)をシンプルにおいて、使い方を今まで以上にオンラインでも丁寧に説明して「受注」に導ける形を検討中です。▶︎時間があまりありません。もし間に合わなければ、その後にもオンライン受注会のようなものを企画しようと思っています。受注数には限りがありますが、ご遠方のかたともご縁がつなげられる良い機会になればと思っています。百貨店にはいろいろな制約があります。あくまでも個人の企みなので、またご報告しますね。(すでにオーダーいただいている作品は続々と焼き上がっていますので、もう少々お待ちください)

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