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【読書】たった一文に心血を注ぎ、身を削る。創作とは、表現者とは、を圧倒的才能から学ぶ~吉本ばなな・死と光の短篇集~#305

おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、今年もnoteでの発信を楽しまれましたか?私はこの一年、noteのおかげでたくさん学び、新しい世界に挑戦することができました。感謝!

今回は「創作とは?表現者とは?」についての学びと考察を発信します。

1 ベストセラー作家の、死と光の短篇集

本日のおすすめ本はこちらです、ドン!

もう、言わずと知れたベストセラー作家さんですね。先日発信した江國香織さんと同時発売(2021.12.20)なんて、新潮社さん、ありがとう!

『ミトンとふびん』は、家族や親友など身近な人の「死」の傷と向き合いながら、それでも生きていく主人公を描く短編集です。

今日もこうしてまわりつづける地球の上で めぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた 人生のよろこびを描いた短篇集

とは、帯の言葉です。「死」なのに「よろこび」。悲しいんだけど、ほのかに光も見える。本当に、吉本さんの圧倒的な才能にはまいりますよね。

2 圧倒的感受性・表現力・語彙力etc・・・

吉本さんの圧倒的才能を改めて感じたのは、次の文章です。

ちづちゃん、あなたがいたことが私の人生だった。あなたは私の人生そのものだったの。(中略)あなたがいなかったら私は何も知らないで死んでいくところだった。そのくらい、毎日、毎日嬉しかった。好きな人と暮らせたことを、神様に感謝してる。(後略)(p32)

『SINSIN AND THE MOUSE』

亡くなったお母さんの遺言です。お母さんが主人公の「ちづちゃん」をものすごく愛して、大切に思っていたことが分かりますよね。

で、この文章で、お母さんは「大好き」「かわいい」「愛してる(※愛したこと、と出てきますが)」と一切言っていないのです。

言っていないのに、言っている以上に「好き」「かわいい」が伝わるという、この感受性、表現力、そして語彙力などなど。

私なんて、5歳の娘に「かわいいかわいい」としか出てこなくって・・・。

3 この一文に、心血を注ぎ、身を削り

そういう圧倒的才能とは別に、もう一つ感じたことがあります。

この人は、この一文を書くのに、どれだけの時間を費やしているのだろう。

そう感じました。今まで、どの作家さんの作品を読んでも、こんなことは感じたことはありませんでした。でもこの短篇集からは、吉本さんが身を削るようにして、言葉をつなぐ様子を感じました。

読者が1分もかからないで読んでしまうかもしれない文章を、何倍もの時間をかけて、心血を注ぎ、命を削りながら生み出していく。

作家とは、創作とは、そういうことなのかもしれないですね。

4 2022年も、日々積み重ねるのみ

私も、レベルは全然違いますが、同じように感じたことがあります。

「私が30分以上かけて書いたこのnote、読む人は3分もしないでサーと読むんだろうな。もしかして私、割に合わないことしてる?」と。

「割に合わない」と感じながらも、私はこうして毎日発信しています。「割に合う」とか「合わない」とかではないのです。

ある時期から、このnoteの発信が、私の楽しみになっていました。楽しいから発信している。それを日々、積み重ねるだけです。

どこまで続くのか、自分でも分かりません。特に目的もゴールもないまま、ただ書き続ける。こうして2022年も、noteを発信を続けられたらいいなと思います。

いよいよ2021年も終わりますね。実家は大雪です。この景色が懐かしく、これから雪の中を散歩します。

今年もありがとうございました!皆様、よいお年をお迎えください。

私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。