澤口 たまみ

エッセイスト、絵本作家◆かがく絵本のテキストを書いています◆まだひとの言葉にならない自然の言葉をイーハトーブの野原から拾い集めたい◆言葉を音楽にのせて声にしています。

澤口 たまみ

エッセイスト、絵本作家◆かがく絵本のテキストを書いています◆まだひとの言葉にならない自然の言葉をイーハトーブの野原から拾い集めたい◆言葉を音楽にのせて声にしています。

    マガジン

    • 朗読#VOICE&MUSIC

      主に宮澤賢治の作品を、音楽とともに朗読しています。一部、ユーチューブにアップしたものを、折に触れてこちらにも紹介します。

    • つぶやき#ihatov

      ツイッターやフェイスブックの短いつぶやきを、こちらにも載せてゆきます。更新は1日1回、その日の終わりに。おやすみ前に、イーハトーブの景色をどうぞ。

    • ブログ#クラムボンはかぷかぷわらったよ

      澤口たまみのホームページ「クラムボンはかぷかぷわらったよ」に掲載しているブログ記事を、こちらにも転載いたします。更新は、週に1回ほどのペースです。

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      CD「グスコーブドリの伝記 vol.2」宮澤賢治 〈VOICE&MUSIC〉

       こちらはご予約商品です。  ご予約のお客さまのお名前は、「制作ご協力者さま」として、ライナーノートに記載させていただきます。  記名不可、もしくはハンドルネームなどをご希望の方は、必ずお知らせくださいませ。 「グスコーブドリの伝記」は、宮澤賢治が亡くなる前年の1932年に雑誌に発表された作品で、みんなを助けたいという賢治の願いが込められています。  vol.2には、その後半、主人公のブドリがイーハトーブ火山局に勤め、火山の噴火を防いだり、雨のなかに肥料成分を合成して降らせたりする場面を収録しました。 「VOICE&MUSIC」CDは、声も楽器のひとつとして音楽と一体となるよう、演奏にボリュームを持たせた表現です。  宮澤賢治の言葉を、極上の音楽とともに、お聴きいただけます。 〈おはなし紹介〉  ブドリという主人公が、寒さと旱魃で飢饉に見舞われたイーハトーブで、野生の虫から絹糸をとったり、沼ばたけでオリザという穀物を作ったりして、たくましく生きのび、おしまいは、イーハトーブを再びの飢饉から救うために火山を爆発させて温室効果を起こします。 〈制作のトピック〉  VOICE&MUSIC CDは、石澤由松が作曲したエレキベースのビートと、それに合わせて読んだ朗読の音源を、ドラマー、ヴァイオリニスト、それぞれのもとに送り、めいめいに録音した音源を、賢治のふるさと花巻にあるスタジオAZITOの高橋輝がミックスダウン、マスタリングをするという方法で制作されました。  別々に録音されたとは、にわかには信じがたい演奏にもご注目くださいませ。 〈演奏・朗読者紹介〉 朗読 澤口たまみ  1960年生まれ。宮澤賢治の自然の言葉を読み解くエッセイストで、岩手弁の柔らかなイントネーションで賢治の言葉を声にします。 ベース 石澤由松   1949年生まれ。国内外で数多くのアーティストと演奏してきたスタジオミュージシャンで、「8時だよ! 全員集合」ではヒゲダンスを弾いていました。 ドラムス 武田チャッピー治  1949年生まれ。日本人でいち早く、アメリカで演奏し、レコーディングをはたしたロックドラマー。カルメンマキ&OZUで活躍中。 ヴァイオリン&ホーミー 太田惠資  エキゾチックな演奏と、実際に現地で学んできたホーミーで、聴く者を魅了します。即興を得意とし、「るろうに剣心」や「龍馬伝」ほか、劇の伴奏でもご活躍です。  盛岡にお招きした際は、お客さまをして「恐るべき才能を見た」と言わしめました。 〈お知らせ〉 ◆「グスコーブドリの伝記」がどんなおはなしかは、ホームページのこちらの記事にも記しております。あわせて、ご覧くださいませ。 ▼ https://kenjilovesong.com/2023/01/25/gusukobudori-1/ ◆ホームページでは、CDにいただいたご感想なども、随時ご紹介しております。  岩手の自然を写したたくさんの写真や、澤口たまみの日々のエッセイも掲載しておりますので、よろしければお読みくださいませ。
      3,080円
      T&K Quattro MUSIC/BOOK
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      CD「グスコーブドリの伝記 vol.1&vol.2」2枚セット宮澤賢治 〈VOICE&MUSIC〉

      「グスコーブドリの伝記」は、宮澤賢治が亡くなる前年の1932年に雑誌に発表された作品で、みんなを助けたいという賢治の願いが込められています。 「VOICE&MUSIC」CDは、声も楽器のひとつとして、音楽と一体となるよう、演奏にボリュームを持たせた表現です。  宮澤賢治の言葉を、極上の音楽とともに、お聴きいただけます。 〈おはなし紹介〉  ブドリという主人公が、寒さと旱魃で飢饉に見舞われたイーハトーブで、野生の虫から絹糸をとったり、沼ばたけでオリザという穀物を作ったりして、たくましく生きのび、おしまいは、イーハトーブを再びの飢饉から救うために、火山を爆発させて温室効果を起こします。 〈制作のトピック〉  VOICE&MUSIC CDは、石澤由松が作曲したエレキベースのビートと、それに合わせて読んだ朗読の音源を、ドラマー、ピアニスト(vol.1)、ヴァイオリニスト(vol.2)それぞれのもとに送り、めいめいに録音した音源を、賢治のふるさと花巻にあるスタジオAZITOの高橋輝がミックスダウン、マスタリングをするという方法で制作されました。  別々に録音されたとは、にわかには信じがたい演奏にもご注目くださいませ。 〈演奏・朗読者紹介〉 朗読 澤口たまみ  1960年生まれ。宮澤賢治の自然の言葉を読み解くエッセイストで、岩手弁の柔らかなイントネーションで賢治の言葉を声にします。 ベース 石澤由松   1949年生まれ。国内外で数多くのアーティストと演奏してきたスタジオミュージシャンで、「8時だよ! 全員集合」ではヒゲダンスを弾いていました。 ドラムス 武田チャッピー治  1949年生まれ。日本人でいち早く、アメリカで演奏し、レコーディングをはたしたロックドラマー。カルメンマキ&OZで活躍中。 ピアノ 佐々木浩平(vol.1)  1980年生まれ。石澤由松を、世界に対抗できる唯一のエレキベース奏者と認め、VOICE&MUSIC CDへ参加。2019年、ニューヨーク、カーネギーホールに出演しました。 ヴァイオリン&ホーミー 太田惠資(vol.2)  1956年生まれ。エキゾチックな演奏と、実際に現地で学んできたホーミーで、聴く者を魅了します。即興を得意とし、「るろうに剣心」や「龍馬伝」ほか、劇の伴奏でもご活躍です。  盛岡にお招きした際は、お客さまをして「恐るべき才能を見た」と言わしめました。 〈お知らせ〉 ◆「グスコーブドリの伝記」は長編のため、CDは2枚に分かれておりますが、こちらでは、2枚まとめてのご注文を承っております。  2枚目 は、2023年5月中旬ごろお届けの予定です。ご予約商品となりますので、1枚目の発送の際に、2枚目分の代金のお預かり証をお送りいたします。  2回目の送料はサービスとなります。  また、ご予約のお客さまのご芳名は、ライナーノートに制作ご協力者さまとして掲載させていただきます。   ◆「グスコーブドリの伝記」がどんなおはなしかは、ホームページのこちらの記事にも記しております。あわせて、ご覧くださいませ。 ▼ https://kenjilovesong.com/2023/01/25/gusukobudori-1/ ◆ホームページでは、CDにいただいたご感想なども、随時ご紹介しております。  岩手の自然を写したたくさんの写真や、澤口たまみの日々のエッセイも掲載しておりますので、よろしければお読みくださいませ。
      6,160円
      T&K Quattro MUSIC/BOOK
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      CD「グスコーブドリの伝記 vol.2」宮澤賢治 〈VOICE&MUSIC〉

       こちらはご予約商品です。  ご予約のお客さまのお名前は、「制作ご協力者さま」として、ライナーノートに記載させていただきます。  記名不可、もしくはハンドルネームなどをご希望の方は、必ずお知らせくださいませ。 「グスコーブドリの伝記」は、宮澤賢治が亡くなる前年の1932年に雑誌に発表された作品で、みんなを助けたいという賢治の願いが込められています。  vol.2には、その後半、主人公のブドリがイーハトーブ火山局に勤め、火山の噴火を防いだり、雨のなかに肥料成分を合成して降らせたりする場面を収録しました。 「VOICE&MUSIC」CDは、声も楽器のひとつとして音楽と一体となるよう、演奏にボリュームを持たせた表現です。  宮澤賢治の言葉を、極上の音楽とともに、お聴きいただけます。 〈おはなし紹介〉  ブドリという主人公が、寒さと旱魃で飢饉に見舞われたイーハトーブで、野生の虫から絹糸をとったり、沼ばたけでオリザという穀物を作ったりして、たくましく生きのび、おしまいは、イーハトーブを再びの飢饉から救うために火山を爆発させて温室効果を起こします。 〈制作のトピック〉  VOICE&MUSIC CDは、石澤由松が作曲したエレキベースのビートと、それに合わせて読んだ朗読の音源を、ドラマー、ヴァイオリニスト、それぞれのもとに送り、めいめいに録音した音源を、賢治のふるさと花巻にあるスタジオAZITOの高橋輝がミックスダウン、マスタリングをするという方法で制作されました。  別々に録音されたとは、にわかには信じがたい演奏にもご注目くださいませ。 〈演奏・朗読者紹介〉 朗読 澤口たまみ  1960年生まれ。宮澤賢治の自然の言葉を読み解くエッセイストで、岩手弁の柔らかなイントネーションで賢治の言葉を声にします。 ベース 石澤由松   1949年生まれ。国内外で数多くのアーティストと演奏してきたスタジオミュージシャンで、「8時だよ! 全員集合」ではヒゲダンスを弾いていました。 ドラムス 武田チャッピー治  1949年生まれ。日本人でいち早く、アメリカで演奏し、レコーディングをはたしたロックドラマー。カルメンマキ&OZUで活躍中。 ヴァイオリン&ホーミー 太田惠資  エキゾチックな演奏と、実際に現地で学んできたホーミーで、聴く者を魅了します。即興を得意とし、「るろうに剣心」や「龍馬伝」ほか、劇の伴奏でもご活躍です。  盛岡にお招きした際は、お客さまをして「恐るべき才能を見た」と言わしめました。 〈お知らせ〉 ◆「グスコーブドリの伝記」がどんなおはなしかは、ホームページのこちらの記事にも記しております。あわせて、ご覧くださいませ。 ▼ https://kenjilovesong.com/2023/01/25/gusukobudori-1/ ◆ホームページでは、CDにいただいたご感想なども、随時ご紹介しております。  岩手の自然を写したたくさんの写真や、澤口たまみの日々のエッセイも掲載しておりますので、よろしければお読みくださいませ。
      3,080円
      T&K Quattro MUSIC/BOOK
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      CD「グスコーブドリの伝記 vol.1&vol.2」2枚セット宮澤賢治 〈VOICE&MUSIC〉

      「グスコーブドリの伝記」は、宮澤賢治が亡くなる前年の1932年に雑誌に発表された作品で、みんなを助けたいという賢治の願いが込められています。 「VOICE&MUSIC」CDは、声も楽器のひとつとして、音楽と一体となるよう、演奏にボリュームを持たせた表現です。  宮澤賢治の言葉を、極上の音楽とともに、お聴きいただけます。 〈おはなし紹介〉  ブドリという主人公が、寒さと旱魃で飢饉に見舞われたイーハトーブで、野生の虫から絹糸をとったり、沼ばたけでオリザという穀物を作ったりして、たくましく生きのび、おしまいは、イーハトーブを再びの飢饉から救うために、火山を爆発させて温室効果を起こします。 〈制作のトピック〉  VOICE&MUSIC CDは、石澤由松が作曲したエレキベースのビートと、それに合わせて読んだ朗読の音源を、ドラマー、ピアニスト(vol.1)、ヴァイオリニスト(vol.2)それぞれのもとに送り、めいめいに録音した音源を、賢治のふるさと花巻にあるスタジオAZITOの高橋輝がミックスダウン、マスタリングをするという方法で制作されました。  別々に録音されたとは、にわかには信じがたい演奏にもご注目くださいませ。 〈演奏・朗読者紹介〉 朗読 澤口たまみ  1960年生まれ。宮澤賢治の自然の言葉を読み解くエッセイストで、岩手弁の柔らかなイントネーションで賢治の言葉を声にします。 ベース 石澤由松   1949年生まれ。国内外で数多くのアーティストと演奏してきたスタジオミュージシャンで、「8時だよ! 全員集合」ではヒゲダンスを弾いていました。 ドラムス 武田チャッピー治  1949年生まれ。日本人でいち早く、アメリカで演奏し、レコーディングをはたしたロックドラマー。カルメンマキ&OZで活躍中。 ピアノ 佐々木浩平(vol.1)  1980年生まれ。石澤由松を、世界に対抗できる唯一のエレキベース奏者と認め、VOICE&MUSIC CDへ参加。2019年、ニューヨーク、カーネギーホールに出演しました。 ヴァイオリン&ホーミー 太田惠資(vol.2)  1956年生まれ。エキゾチックな演奏と、実際に現地で学んできたホーミーで、聴く者を魅了します。即興を得意とし、「るろうに剣心」や「龍馬伝」ほか、劇の伴奏でもご活躍です。  盛岡にお招きした際は、お客さまをして「恐るべき才能を見た」と言わしめました。 〈お知らせ〉 ◆「グスコーブドリの伝記」は長編のため、CDは2枚に分かれておりますが、こちらでは、2枚まとめてのご注文を承っております。  2枚目 は、2023年5月中旬ごろお届けの予定です。ご予約商品となりますので、1枚目の発送の際に、2枚目分の代金のお預かり証をお送りいたします。  2回目の送料はサービスとなります。  また、ご予約のお客さまのご芳名は、ライナーノートに制作ご協力者さまとして掲載させていただきます。   ◆「グスコーブドリの伝記」がどんなおはなしかは、ホームページのこちらの記事にも記しております。あわせて、ご覧くださいませ。 ▼ https://kenjilovesong.com/2023/01/25/gusukobudori-1/ ◆ホームページでは、CDにいただいたご感想なども、随時ご紹介しております。  岩手の自然を写したたくさんの写真や、澤口たまみの日々のエッセイも掲載しておりますので、よろしければお読みくださいませ。
      6,160円
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    2月13日発売!『自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば』(山と渓谷社)

     SNSではたくさんのひとが、「イマソラ」などとハッシュタグをつけて、空の美しさを発信しています。  自然を見て「きれいだ!」と感動することは、多くのひとにとって、日々に彩りをもたらすものでしょう。 「不思議だ!」と思えば、好奇心が刺激され、より深く見つめたり、本を調べてみたりして、知的な満足感を得られます。  そうして日々、目にした美しい空や、親しんだ生きものたちの姿から、励まされることはないでしょうか。  わたしは、あります。  あしたも、空はきれいだろうか。そ

      • 再生

        宮澤賢治「わたくしどもは」

        ユーチューブに新しい試し聴きを公開いたしました。 いつものベースに加え、新たに「グスコーブドリの伝記 vol.2」にご参加いただくヴァイオリニスト、太田惠資さんの演奏にのせて。

        • フキノトウのかたわらには、フキの葉っぱが出てきましたよ。 こういう、草や木の変化のいちいちが楽しくて嬉しくて! 身近な自然に目を向けることは、幸せを感じる最短の近道ではないかと思うのです。

          • タネツケバナの花茎が伸び始めた。 花茎のまわりの葉っぱもふうわりと立ち上がり、まるでドレスのよう。 草は春、どれも花冠の姫になる。

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            野原では小さな花たちが、 身を起こし始めていました。 もう雪は降らないだろうか。 もう降らないといいね。 もちろん降るときもあるさ。 けれどもそんなときは、 きっとお日さまが 大急ぎで溶かしてくれるよ。

            宮澤賢治はいつ『春と修羅』を書き始めたか

             大正10年12月、花巻農学校に教師として就職した宮澤賢治は、近所の蕎麦屋の長女で小学校で教師をしていた大畠ヤスさんを見初めます。  ふたりの恋については、大畠ヤスさんの姪ごさんからご証言をいただいています。遠い記憶で、細部ではおぼろになっていた部分もありましたが、「ふたりが恋をしていた」という根本的な部分をも否定する理由は、わたしには見つけられないのです。  そしてその恋を、賢治は心象スケッチ『春と修羅』のなかに記録していました。  岩手の野山でヤナギ類が芽吹き、美し

             恋と病熱 けふはぼくのたましひは疾み 烏さへ正視ができない  あいつはちやうどいまごろから  つめたい青銅の病室で  透明薔薇の火に燃される ほんたうに けれども妹よ けふはぼくもあんまりひどいから やなぎの花もとらない (一九二二、三、二〇)  宮澤賢治「春と修羅」より

            ただいま制作中のCD「グスコーブドリの伝記 vol.2」に、ヴァイオリニストの太田惠資さんにご参加いただく運びとなりました。 太田惠資さんは、エキゾチックな演奏と現地で学んできたホーミーで、聴く者を魅了します。即興を得意とし「るろうに剣心」や「龍馬伝」ほか劇や映画でもご活躍です。

            盛岡市中央公民館の「物語が生まれるとき」という講座で、「宮澤賢治 百年の謎解き~クラムボンの謎をめぐって」と題してお話ししました。 おかげさまで満員御礼でした。 お客さまには、宮澤賢治の作品に愛が底流していることを、感じていただけたかと思います。 ありがとうございました。

            陽のひかりが、 ここよ、ここだよ と照らしている。 まもなく春の精が、 ここにもそっと、 花冠を被せに来る。

            フキノトウが咲き始めた。 春の精が、 そっと冠を被せたように。

            雪解けの川、水面のひかり。

            散り敷かれた落ち葉の絨毯が銀鼠色なら、春を待つ冬芽の外套も銀鼠色。 銀鼠は、コブシという木の持つ色合いなのだろう。

            雪解け水の湿り気が、春のひかりで乾いてゆく。 かさこそ、かさこそ。 落ち葉はみんな、雪の重しで押し葉になっていたんだな。 銀鼠色に朽ちてゆくコブシの落ち葉は、葉脈だけを残している。 花咲く春を待つひととき、朽ちゆくものの静けさに目を凝らす。

            星野道夫さんの手紙

             あらゆる出来事には裏と表があり、不運と思われる事柄のなかにも、小さな幸いを見つけることがあります。  啓蟄の翌日の3月7日、「ワームムーン」とも呼ばれる満月の日に、父が体調を崩して緊急入院をしました。  88歳と高齢ですが、好奇心は衰えることなく、日々、家のまわりの景色をSNSに投稿しては、楽しんでいた父でした。その日の満月も、さぞかし楽しみにしていただろうと思うと、突然の事態に胸が痛みました。  父が入院すると、ひとり残された母を見守る必要が生じました。  コロナ

            再生

            朗誦伴奏「セロ弾きのゴーシュ」(町の活動写真館)宮澤賢治

            「いつでもきみだけとけた靴のひもを引きずってみんなのあとをついてあるくようなんだ」 と楽長に言われるゴーシュは、ジャズ的なセンスの持ち主です。 ジャズとクラシックの両方で活躍したガーシュインを、賢治は知っていたでしょうか。