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好きと嫌いは裏表ではなく球体

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満開の梅が、甘い香りを漂わせながら、風に吹かれて花びらが舞い踊っていた。

週末は久しぶりに鎌倉で過ごした。母と兄夫婦の2世帯が住う家なので、コロナ渦では以前の様な行き来が出来ずにいました。高齢の母に加え、今年受験生の姪っ子がいたのでね。

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みな、帰ってくると、「ただいま」より先に「梅がきれいだね」と言う。義姉に言わせると、我が家のために咲いてくれている梅たちなのだそう。

まあ確かに、ご近所数軒の庭の梅が、我が家へ向かって枝を伸ばして咲いている。

昨日はめずらしく、都内の病院に務める甥っ子が帰ってきていた。昨年の春に就職して一人暮らしを始めたのだ。しばらく見ないうちに少し痩せたみたい。

お夕飯に、山芋の明太子グラタンを作ったのだけど、甥っ子が、大和芋と長芋の違いを知りたがった。野球のグローブみたいなのが大和芋で、長く細いのが長芋だと説明しても、ピンと来ないらしい。

「もーググれば?!」と、末っ子が生意気なことを言えば、「そうやって、すぐに答えを出したがるんだから、今時の子は!」と、長男の甥っ子が言う。

「何でもすぐにググって答えが解っちゃったらつまらないでしょ。会話も生まれない」と言う。へ〜いつからそんなジジイ臭い事を言う様になったのか君は!おばさんは、ちょっぴり感動してしまったぞ。

食卓から携帯を排除しよう。卓上には、大事な人生の答えが沢山詰まっていそうだ。

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自分が好きじゃないことにはすべて反対のこと、
つまり私の好きなことがあるのだと思うことによって、
私は自分の人生を切り開いてきた
                     ココシャネル


言い回しがフランスっぽくってわかりにくいけれど、彼女の真意はきっと、まるでコインの裏表みたいに好きと嫌いが存在するのではなく、全ては球体であり、好きと嫌いは包括される。だから人生を突き進めるのだという事と理解しました。

甥っ子の言う様に、結果を焦らず、どちらも手の中で転がして楽しむ気持ちを持ちたい。転がしているうちに、好きも嫌いも溶け合ってしまうでしょう。

正しい答えを持つ事が大事なのではない。星の王子様のキツネが言う様に、大事なものは目に見えないのだ。白黒はっきりさせることに意味なんてあるのかな。

好きも嫌いも、善悪も、全て溶け合ってしまったら、実は思った以上のものを手にすることになるのだろう。





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