
ありがとうは甘くて辛くて美しい
今月最後のレッスンは、甘い香りが漂う春のリース。この小さなピンク色の花は、珍しいオンシジュームで桜のような甘い香りがしてびっくり。
ポンポン咲きのラナンキュラスや、モモコという名のピンクのスカビオサを配せば、スイートなテイストで終わるのだが。。
ここで小さなトゲが痛いイタリアンベリーをグルリと回しかけると、あら不思議、ピリッとスパイスがきいた、南仏テイストになる。なんだかプロヴァンスの風を感じませんか?
フレンチテイストとは、決してガーリーな甘い物ではなく、例えばパリならばコケット(洒落ていて、セクシーみたいな感じ)だし。南仏へ行けば、単なるナチュラルではなく、もっと奥深い、スパイシーで薫るような乾いた風を感じさせる・・・といったような、その土地が辿った歴史文化が漂うはずです。
それを、花を通してどう表現するのかという探究はとても楽しいものです。そこに正解などありません。どのように表現するのかは人それぞれですから。
同じテーマでも作る人によって、仕上がりが変わるのは個性があるからというのはわかりますよね。しかし、同じ人でも毎回違う表現をします。これは、2000年からレッスンをはじめて、かれこれ21年間に培った人間データによるもの(笑)。
作品を見れば、おおよそのことがわかってしまうようになったのです。その人の性質とかバイオリズムみたいなものが。人間だもの、当然その時によってコンディションが様々なので、良いとか悪いという判断では決してありません。アプローチを変えるために参考にしているだけです。
お花のレッスンなので、楽しく作品を作り、笑顔で帰って頂きたいから、時には花以外のアドヴァイスも、ついしてしまいますが、それは私が勝手にやっていることなので、いつもそうという訳ではありません。私のバイオリズムにもよるからです。
まあ、先生なのだから、なるべく、自身を整えておきたいと思うところ・・・
そこで、私自身はどんな「ありがとう」を発しているのかをバロメーターにすることにしました。ダメダメな時は、さらりと口先だけで言って、なんとかごまかそうとしてしまう。でも、本来の意味は「有り難い」なのです。謙虚さがないと本来の「ありがとう」は相手に届かないはず。
嬉しいから「ありがとう」ではなく、当たり前ではないことに気付き、その感謝の気持ちを表すために発する言葉が「有り難う」だから。最近私は、この漢字で、有り難うを言うように心がけています。
なんだか、最近こんな分別くさいことを言うようになりました。悩める仔羊たちを目の前にすると、私の人生経験が、少しでも誰かの心を軽やかにしてあげられたらと思うのですよね。
「有り難う」に気付くと、結構なんだってうまく行くんじゃないかなって思います。悩み多き花好き女子に届いたかしら?(笑)
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