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素敵な変人

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私のレッスンを受ける方々や、アレンジをオーダーしてくださる方々は、変わり者が多い。毎月レッスンを受けている生徒さんたちは相当の変人だろうと思います(笑)。

私はそれをふんわりとオブラートに包んで「おもしろい」と表現していますが、最高の褒め言葉なのです。

私の作るものには、決まった型がないし、むしろその型からはみ出すところに個性と魅力を感じる。そこで思う存分自分らしさを表現でき、最高の喜びを見出すはずです。

花ですら、自分らしさを表現できないとしたら、普段の生活ではどうだろう?自分を押し殺して過ごしてはいないだろうか。

誰が作業しても同じ製品が出来上がる、流れ作業のファクトリーと変わらない教室にはしたくないとずっと思って来ました。だから教室というよりも、ワークショップに近いかもしれません。いまだに先生と呼ばれるのにも馴染めないし。

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今月のレッスンでは、器を自分たちで用意してもらうことにしました。オアシスを使わずに、このクリスタルアクセントを使います。これは、水を吸い上げてゼリー状になるもので、見た目にも美しい切り花の足留めになるものです。

器の形によって活け方を変える必要があるので、そこが今回のチャレンジとなります。ただし、いつもの通り、安心してチャレンジができるように、絶対に失敗しない花材を揃えるからね。

私の役割は、この「安心してチャレンジできるように材料を揃えること」にある。対面レッスンだったら、チョコチョコ手助けもできるけれど、遠隔となると生徒さんに全てを委ねなければならない。だから、花材選びは全力で当たる必要があるのです。

そんなわけで、変人でないとこのレッスンにはついて来れないのです(笑)。そこには、お互いの信頼関係があるからです。

私のように、変人でないと意思の疎通が、遠隔のコミュニケーションが円滑に行かないのだと、ようやく気付いてしまいました。

私はパリのフラワースクールで習った基盤があるので、その土台を崩すことはできません。それはアイデンティティーの崩壊です。常に、「自分の表現」を探すことから逃れられなくなってしまいました。

自分の人生すらクリエイティブにデザインしてしまうパリジャンですから、その表現力と創作力は日本人にはかなわないところがあります。それこそ究極の変わり者ですから、真似できませんよ。

だから、形を習っても全く意味がない。その根幹を揺さぶらない限り、オリジナリティーは確立できないでしょう。ただし、残念なことに、このオリジナリティーを確立するってことは、痛みを伴うのでほとんどの人は避けて通りますけれど。

そんな気概を持って、毎回のレッスンに私は臨んでいます。生徒さんたちに伝わっているかどうかは謎だなあ… しょうがない、我が道を突き進みます。



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