
決断の神様
「勇気と愛が世界を救う♪」と、歌うのはロマンスの神様だけど、実際、勇気と愛が大好物なのは決断の神様だと思う。
初レッスンの花材はミモザでした。ついつい、私の悪い癖で、その場でテーマも花材を変えてしまうという、わがまま放題のレッスンであります。それを面白がってくださる生徒さんたちは、なかなか肝っ玉が座っていますよ。
今年のTAMAKIのテーマは「ensemble/ アンサンブル」。
仏教用語に、「共生/ ともいき」という言葉があります。全ては同等であり、お互いに生かし合うという境地のことです。
どんな花も同等で、葉や枝も華道では同じく花材とよびます。人の数だけ違った見立て方があるのは当然で、花も人も同等。もっと言えば自然も人間も同等です。
美しいアンサンブルが崩壊すると、世の中は不協和音しか流れない。
善悪、優劣、勝負、貧富に分断することは「共生」ではない。
花と向き合った時に、前例に囚われずに、今、共に生きる生命を活けるという事を思いのままに表現して行くのです。
これは新たに、クリエイティブクラスで取り組んで行く試みで、いずれひとつの形にして行きたいと思っています。
ミモザをこんなに可愛げなく使うのも私くらいでしょうね。多分、可愛いと思っていないのでしょう。
私はいつも花を恐れているのだと思う。その生命力や躍動感に圧倒されてしまうからだ。
それでいて、生きるも殺すも私の手に掛かっていると思うと、ぞっとするほど怖い。私はいつも恐怖心と戦いながら花を活けているのだと、やっと認めることができた。
認められたら、あとは決断するのみ。「生かしてやるー!」と。このプロセスを踏んで、誰もが強くしなやかになって行くのではないでしょうか。
自分をごまかさないことが、表現の幅を広げてくれる。そうして、花と共に一人の人間として成熟して行く道です。
完璧を求め、100点を目指せば100点からは遠のく。でも、「生かす」と決めた途端に120点が取れてしまう様な世界なのです。力を抜いて、朗らかでいると、決断の神様が微笑みますから。
決断といえば・・・無駄に決死の覚悟をする人がいた。
私の母は今年85歳になりますが、よく食べるし、毒も吐くし、同居の兄家族の分まで家事をこなすバリバリ現役ばあさんです。
緊急事態宣言も出たし、日々感染者が増えている中、多くの人が離れて暮らす実家には、帰り辛いところだと思います。
私が行こうかどうしようか悩んで電話したら、うちの母、なんて言ったと思いますか!?
「コロナで死ぬなら本望よ。」
決死の覚悟で迎えるな〜(笑)!
しかし、これくらいの覚悟で生きていたら、100歳まで元気でいるかもしれません。
そのDNAを受け継いだ娘も、これまたトンチンカンな決死の覚悟をしていた。
お正月休みに軽井沢へ行っていた時のこと。野鳥の森をひとりで散歩していたら、見渡す限り人影がなく鳥のさえずりしか聞こえてこない。
気分良く歩いていたら、50Mほど先に、狼?狐?野犬?と思わしき動物が飛び出して来た。
瞬間、私は仁王立ちになっていた!鬼滅の刃を読んだせいか、負ける気がしなかったらしい。私と目が合った彼は、凄いスピードで一目散に逃げて行った。(ものすごくほっとした)
覚悟を持った人間には、神様が特別なエネルギーを注入してくれるのかもしれませんよ。
今年も一花入魂の心意気で行きます。
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!