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感動を血肉にする

一年ほどまえに、東京にやってきた「ソール・ライター展」。その写真集に触れた瞬間、あの時の感動が蘇ってきた。

美術館で涙を流したのは生まれて初めてだったかもしれない。彼の写真の1枚1枚が私にはグサグサと突き刺さるのでした。

ソール・ライターという人は、日常をこよなく愛した人です。ニューヨークの東10丁目に60年以上住まい、そこに住む人々や景色をずっと撮り続けた。

展示室に、こんな言葉が書いてありました。

”神秘的なことは、馴染み深い場所で起こる。なにも、世界の裏側まで行く必要はないのだ”                           Saul Leiter

写真の中の街も、人も、実に生き生きとして魅力的なのに、すでにこの世には無い景色なのだと言う事を思い出させてくれる。

今こうして私の目の前に広がる世界も、いずれ消滅する。それでも、なんて人生は愛しいのだろうかと思わせてくれる作品の数々に胸を打たれた。(滝に打たれたようだったと当時のブログに書いてありました 笑)

自分が体験する感動は、やがて自分の血肉となり感動を生み出す原動力になると思っています。

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Red Umbrella 1958

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Bus at Night 1950s

スタジオよりも街に出て撮影をすることを好んだのですね。印象派の画家のよう。厳格な美を飛び越えて、日常が紡ぐストーリーを切り取るように、どこまでのその視線が優しい。

私もこんな写真が撮りたいなあというわけで、今朝は美しい朝の空気を切り取ってみようと、カメラを持って!と言いたいところ、さすがにポケットに入らないのでスマホを持ってウォーキングへ。

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目黒川の桜は少しずつ紅葉が始まりました。あとひと月もすれば、落ち葉が川に波紋を描くのでしょうね。

コガモ達(ちょっと違う?カワウかも?)が泳いできた!と、カメラを向けると羽ばたき始め。。

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ドロン。

自分たちを狙うレンズに敏感に反応して飛び去る。本当にすごい、野生の第6感!

そんな感動の朝でした。


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