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都会に住んで、上昇志向で結婚できないことは不幸なのか

Twitterに流れてきた、「近年は女性の都会への流入が過多であり、だから結婚できずに”余り物”になる女性が増えている」という言説。

データは本当なのかもしれない。データ自体に、嘘はつけないから。
ただ、問題はそのデータを解釈する方だ。人間は自分の都合のいいようにデータを解釈したがるから気をつけなければいけない。大学でもインターン先でも教科書でも注意されてきた。

都会に女性が流入する理由

なぜ都会に流入する女性が多いのか。そんなの決まってる。
田舎にいるより、色んなことが「マシ」だから。少なくとも私はそう思う。

田舎は、圧倒的に男性に都合のいい常識や習慣で形成された社会だ。

未だに女性の幸せは、家に入って家事をして子供を育てることだと思ってる人も多い。
女性は常に引き立て役だし、職場の「華」だろう。女性社員にはもちろん優秀であってほしいけど、男性は蹴落とさない程度でね?という圧力は、田舎の方が強いだろう。
どうしても多様性に幅がない田舎は、人権意識の低さも都会のそれと比較するまでもないだろう。
ジェンダーロールの刷り込みも田舎ほど強いだろう。親戚が集まると、女性がほとんど座る間もない状況とかね。

こんな社会で女に生まれてしまった自分は、適切にキャリアを積んでいけるのか不安になる。
そして、結婚しないという選択肢なんてないに等しくて、出産しないという選択肢もないに等しいような、そんな社会で暮らしたいと思えるだろうか。
拍手を送りたくなるほどに時代の止まったジェンダーロールを思考停止で受け入れている男性が多数を占めるコミュニティーで、私をしっかり尊重してくれるようなパートナーを見つけられる希望なんてあるだろうか。
あるとすれば文字通り、一抹の望みだ。

もちろん都会に出たからといって、上にあげたこと全部が綺麗に解決される訳ではないけど、少なくとも田舎にいるよりは全部「マシ」なのだ。

だから、私は多くの女性が都会に流れてくる理由に大いに共感する。

上昇志向は悪いことなのか

これまたTwitterの人によると、近年の女性は上昇志向、つまり、高望みの傾向にあるのだそう。それの、何が悪いのだろうか。

むしろ、これまで自分たちの人権を過小評価してきた女性たちが、自身を大切にして、その自分を同じ目線で大切にしてくれる人を求めた結果が、昔よりも「高望み」になってると言い換えられているだけじゃないのだろうかと思う。

今では男性と同じくらい社会進出していて、家事・育児よりも仕事が性に合うと気づけるようになった女性も昔より増えたことだろう。

にも関わらず、呪いみたいな「女子力」を求めてくる男性の数は相変わらずなんじゃないかと思う。まして、そんな倫理観の人が自分と同等かそれ以下の経済力しかなかったとして、誰がそんな人と望んで結婚するのだろうか。

結婚できないのは不幸なのか

というか、そもそも結婚自体幸せなのかという問いに戻ってくる。

「女性が名字を変えるのが必然でしょ?でなきゃ、愛人と区別がつかない」などと仰られる国会議員様たちが、一生懸命守られている現行の結婚制度も実に納得がいかない。

この記事を読んでる異性愛者の男性は、「たかが名字じゃないか」と思うのかもしれない。でも、異性愛者の女性から言わせてもらうと「されど名字だ!」という感じである。

じゃあ事実婚にしよう!と、普通の婚姻手続きの何倍もめんどくさい作業を申し出てくれる方は、ごく少数じゃないだろうか。
ほとんどの結婚願望がある異性愛者の男性からすれば、「え?事実婚にするなら、普通の結婚でいいじゃん」と思うんだろう。

こんなやり取りで疲れるくらいなら、出産予定なし!という条件はつけたいけど、結婚しないで好きな人とただ一緒に過ごしていたい。結婚なんてしないで。(パートナーシップ制度で、事実婚まで包括する横浜市なんかは除くけどね)

なのに、結婚していないのが「可哀想なこと」みたいに表現されるのは、どうも納得できない。一緒に居て全く価値観のあう人を見つけるなんて、かぐや姫の無理難題くらいのお話だろう。でも、変な妥協をしてまで無理して配偶者を見つけなきゃいけない理由がわからない。どうせ、そのあと不満が爆発するくらいなら高望みでも、「いつか」を待ってちゃダメなんだろうか。
私の人生なのに。

本当に、他人の幸せを自分の定規で測ったり、他人の幸せに、自分の不幸を押し付けて一緒に我慢しろと言ってくる人たちは、毎日地味に不幸なことが起こる呪いにかかればいいのにと願ってしまう。


こんなことを書いたら普段から私の記事を読んでくれている方は、「性格悪いな〜」と引かれるのかもしれない。それは少し寂しいけど、最近のTwitterを見ててずっとモヤモヤしてた気持ちをぶちまけて、私はスッキリできました。私のスッキリに付き合わせてしまった方にはごめんなさいと、明日良いことがありますように〜とお祈りしておきます!笑