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【会社経営】尋子と幸枝の運命の一期一会の経営会議〜玉川釉薬は、釉薬を作る会社ではない!?〜

経営会議、今年6月から、ひとつ年上の姉と家業の舵取りについて経営会議はじめました。ポイントは「我々二人でだけはない」ということ。というのは、我々二人のところに、外部の優秀な人材(=友達)をオンランゲストに招き、1時間半の時間をもらって、【経営】や【仕組み構築】について相談に乗ってもらうという取り組みです。
★はじめたきっかけや第一回目の様子はこちらの記事をご参照ください。
https://note.com/tamagaway/n/n0d421f96ca71

今回は、参謀タイプの友人である田中くんを招き、ブレストをすることにしてみました。田中くんとは十年以上付き合いがあり、頼れる友人です。名古屋のNPO時代も、東京修行時代も、真面目なことも不真面目なことも、なんだかんだやってきました(笑)今回、そんな田中くんを、姉に紹介してみる。(むしろ今まで紹介してなかったのが驚き!)さて、どんな化学変化が起きるのか楽しみです。

★突然ですが、先に姉の感想文を載せます。あとから、どんな会議だったのかも載せるのでよかったら読んでやってください★

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【姉・尋子の感想】
尋子と幸枝の運命の一期一会の経営会議、4回目は、田中かつよしさんに講師をしていただきました。田中さんは、ソフトバンクのやり手営業マンから始まって様々な分野の仕事をご経験され、なんと現在は名古屋市長秘書←Yahoo!ニュースに取り上げられるほどの大抜擢だったそう!をされています。
田中さん、、おそろしかった、、
これまで講師をお願いしたみなさん、それぞれ違った切り口で玉川釉薬だったり、わたし自身へのアドバイスをしてくださったのですが、田中さんは、わたしという人間の本質をめちゃくちゃ分析して、見抜いてくる!言葉は選ばない!
最初は、この仕事のつらさや業界のやりづらさをぐちぐちと聞いてもらっていたけれど、なぜそれでも継いでやっていくという決意ができたのか?というところへ。
その時わたしの頭に浮かんだのが、職人として始めたインスタの存在でした。
今までどんなかっこいいタイルを作っても、それを生み出す為の努力も高い技術力を必要とする作業も、全てタイルメーカーの陰に隠れてしまう黒子としての存在だった、釉薬職人としての毎日。それがインスタを通して発信できるようになり、たくさんの人に認めてもらえたことで、釉薬作りという仕事だけでなく、自分自身の価値が認められた気がして、自分のモチベーションが上がったことは、自覚していました。
その話をしたら、田中さんは、なるほど!お姉さんは、インスタでキラキラ輝いている自分になるために今仕事を頑張っているんだ!と、、そうか、、確かにそう。なんてミーハーなわたし、、!
加工しまくりの自撮り写真あげてるだけのインスタをやりたいわけじゃない。高い技術を持って、かっこいいタイルを作りたい。それを見てもらいたい。その承認欲求が今わたしのモチベーションになってるのかも。
そして、田中さんは、
でもさ、お姉さんは普通にいても別に輝いてないけど、今まで嫌だった汚くてくさい釉薬の工場(←注。釉薬はくさくないです。言葉を選ばない田中さんの発言引用)にいて、それをお姉さんみたいな若い女性がインスタで発信してるから、輝いてる。それに気づいたことで、仕事を頑張れるようになったんだね〜と。

同時に、ハッとしました。今まで、わたしは心の中に、「あの日の自分」を抱えてきたんだなと。
あの日、大学三年の時、選択の余地なく、通っていた大学のある大阪から戻されて、父に一番のお得意先の社長さんのところへ連れて行かれた。
全く役に立ちませんが、タダで使えるもんは、とにかく使って頑張りますわ〜、そう話す父の横で、わたしは泣きたいのを我慢して、よろしくお願いします、と頭を下げた。
ひろこがいないとお店回らないよ〜と、メールをくれる梅田のバイトの友達のメールに、泣けてしかたなかった。
わたしのフィールドは、梅田のキラキラしたカフェからいきなり田舎の工場になった。その時、わたしは、釉薬という世界に、家業に、自分のもつ輝いているものを全て奪われたと思ってきた。
あれから15年。わたしを今輝かせているものは、いつのまにか、その汚くてくさい釉薬の世界になっていたことに気づいた。
「お姉さんは、輝いてる。」
田中さんは、インスタで発信することが、仕事の目的になってるミーハーさに、肯定的な意見をくれました。
わたしはわたしで、わたしのやり方で勝負すればいいっていう考え方。
今回は経営どうのっていうより、もっともっとスタートのとこにある部分を掘り下げてもらった気がします。
それと、毎回みんなに言われるんだけど、、
釉薬って言葉が分かりづらくて、ダサいと、、笑笑
田中さんは、メイクアップタイルとかどう?って言ってたけど、そんな風に、田舎の地場産業を、わたしがキラキラ変えていけたらいいな、と思いました。
田中さん、楽しい時間、ありがとうございました。


★「家業」しかも「地場産業」、ゼロイチじゃなくすでにあるものを承継する。その承継していくものを自分の「好き」や「やりたい」に寄せる、が最初のテーマです。今回は会話風に載せていますが、実際の会話というより、幸枝エディション(私の編集や偏見入り)でお届けします◎

ひろこ:これまでの「尋子と幸枝の運命の一期一会の経営会議」の話を聞いて、やはり起業家さんは、好きなことをやっていく人たちだと思った。楽しくなければやらなくていいんじゃない?という考え。楽しさを追求したらうまくいったという。でも、家業持ちの私は、まだその感覚が掴めない。話を聞いた後に、好きと仕事を融合させられるんだ!と思ってこの会議が終わるとテンションがあがるのだけれど、現実は毎日仕事に追い詰められている日々。仕事しているか、睡眠か、みたいなギリギリの生活になっている。仕事と好きをあわせるのは実際難しい。でも昔と違って、やりがいのようなものも感じ始めている。

田中:なるほど。最近、仕事のストレスはあるもののやりがいは感じ始めていると。本当は忙しくなかったらチャレンジしたいことはある? 

ひろこ:自分たちが建物を作っていると思えるようにツアーをやってみたい。現場(工場で働く人)は、ただ泥をかき混ぜているだけ、作業だと思う。でも実際は、私たちは建物を作っている。そういう、建物をつくっているだ意識を持ってもらえたらいいなと思う。あと、よく、経営者はビジョンを語った方がいいと言われるけど、ビジョンとか語る前に、会社はそのスタートに立ててないと思う。いまビジョン語ったら「何言っちゃっているの?」という感じになりそう。「田舎の工場じゃん」と思われそう。社員の方々は、一生懸命やってくれるけど、仕事を増やされると思うと前向きになれない人もいると思う。

田中くん:そうだね。ビジョンを作っても浸透しなければ意味がない。全体的な意識で向上心をもってやってもらうには、何をやっている会社なんだというのは強くもったほうがいい。トップがビジョンを語っても部下や社員は馬鹿にしているということもある。でも、言われ続けていると浸透していくのがビジョン。自分も洗脳されていく。それがビジョンの意味。 

ひろこ:うちの仕事にはちゃんと価値があると思う。昔はこんな仕事と思っていたけど、いまは違う。世間にもっと知ってもらえたらと思う。まわりは年配の方が多い業界だけれど、いま、私らしい輝き方ができると思う。

ひろこ:今思ったんだけど、この仕事をやってインスタを始めた。それがたぶん楽しいと思っている。タイルを作っている自体ではなくて、「タイル作ってるんだぞ〜!」って発信することが楽しい。お父さんの仕事を見てたときは、日陰の仕事だなと思っていたけど、SNSで発信したことで、技術とか世間に認められると思った。仕事が楽しいのではなく、誰かに認めてもらったことで向上心がでてきた。 

田中くん:いいんじゃないですか。ふと思ったけど、女性はコミュニケーションを求める。職人でも、製造部員でも、お客さんや誰かから評価されることが大事。男性はポジションとか給与とか。女性は、評価されたい人がから正当に評価されると喜ぶ。この人のために働きたいと思っていると女性は動いてくれる。インスタを通して、タイルメーカーの営業以外の声が聞けたんじゃないかな。いろんな色を探求する自分を発信するってとってもいい。

ひろこ:インスタを通して、これまで繋がりのなかった人たちが連絡をくれて、工場見学にもきてくれたし、気にかけてくれるようになった。誰のために頑張っているかが見えてきた気がする。

田中:それってすごいこと。いままでというのは、釉薬メーカーはタイルメーカーのパートナーという位置だけど、実際は、下請けの最下層だった。エンドユーザーまでに届くのに5つぐらい段階がある。でも実際は、釉薬メーカーは、家を作る仕事。商品がみえるようになってきた。タイルにも要望がつけれるのかな?と思ってもらえるようになった。タイルに直接要望を言える、そういう柔軟な姿勢、声を拾っていくこと、そこが玉川釉薬が目指すべきところなんじゃないかな?そうなってくると次にビジョンがでてくるのではないか?玉川釉薬という会社が社会にたいして何をプロデュースする会社かという。

ゆきえ:私が「田中くん、来月からうちの会社に参謀として入ってくれ!」って言われたらまず何をする?何を捉える? 

田中:最初にファイナンスはもちろんみる。あとは、タイルメーカーとの商談についていく。発注のチャネルを増やす。あと職人の育成。自分は時間をうまくつくって、その分、会社のブランディングをしていくかな。

ひろこ:若手の職人を育てないと。新世代を育てていくことに成功すれば、かならず業界で生き残れると思う。 

田中くん:今日わかったこと。意外にお姉ちゃんは、仕事を楽しんでいる。会社を守るというミッションができたからには根性でやり続ける。仕事の楽しさがわかってきた。美しいもの(作品)を作り上げることができる。

ひろこ:これまで、継ぐということは悲劇だと思っていた。けど、違うやり方で発信していけるといい。

バクっとですが、とっても大事な時間、とっても重要な会話をまとめました。今回、私が一番ハッとした瞬間は「妹(ゆきえ)、営業できるんじゃない?」という一言。職人じゃなくても営業できる、という新しい可能性や考え方。もちろん技術もいるのだけれど、大切なのは、お客さんと話せること、ちゃんと話せる知識があるかということなのだと。でもそれって、よく考えたら、いまでもタイルメイドで自然とやっていることかもと思います。お〜!?そろそろタイルメイドでやっていることが玉川釉薬の経営に直接効いてくる感じかもです。

なんだろう、業界にいると「こうじゃなきゃいけない」って知らぬ間に染まってしまう。でも、外部の人と話すと、全然そんなことはなくて、「なんでこれしないの?」とポーンと軽やかかに、(自分が勝手にできないと思っている)壁を飛び越えてくる。その感覚大好きです。私もこれからも幾つも幾つも壁を突破していきたいと思います。

そして毎回新鮮な、姉の感想文。(みんなに読んで欲しくて思わず先にしてしまった!)その中で、私たちの父の話がでてきて、あまりの父らしい一言(タダで使えるもんは使いますのくだり)に笑いました。言いそうだなと。父は父の生き方があって、考え方がある。父は、小さい頃から自分の家族、幼い妹3人を守ってきた。父も、タダで使われた、そう思ったことが何度あっただろう。それでも立派に会社を興して守ってきた。本当に苦労人。二十歳の頃はわからなかったけど、今ならわかる。わかるのに、姉も私も十五年かかったわけだけど、早くもないけど、遅くもない。

「家業」は、「会社経営」に「家族」が絡み合っている。複雑でドロドロしている。一筋縄ではいかない。明確な答えや教科書がない。それでも奮闘しながら進むしかない。まとまらないnoteは、まとめない。笑
今日はこれにて終了です!そして、いつも経営会議に付き合ってくれる素晴らしき友人たちに感謝。あとこんな長文を読んでくれたことにも感謝です。

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田中くん顔でかい。(これ、なんで、たこ焼きフェイスやってるんだっけ?)そんな終わりです。笑

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