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食材の始末を考えて料理をすること

フードスコーレDay6は料理長の長田勇久さん。食材の始末を考えて料理をする、ということ。
長田さんのお話の内容は、あべさんが読みやすくまとめているので、是非こちらを読んでください。

料理と食べることは知恵

食べることと料理することは、知恵。その土地の文化や風土や食材を、いかに保存して食べるか。その工夫が料理だという。



2年前くらいに岩手県の伝統食材の地を訪ねてたとき、郷土料理はなぜ残るべきなのか、考えてた。伝統は残った方がいいのだろうけど、不思議で仕方なく、なぜなのか腑に落ちる答えがわかりたかった。今思えば、郷土料理が残ることは、その土地らしい文化が残ることなのかなと思う。畑が使われ、農家さんが生計を立てられて、書い手が欲しい食材を手に入れられる環境が継承できれば、これまでのリズムや地域の文化を持続させられる。

野菜には、育てる工夫や風土とうまく付き合う知恵が詰まってるし、食べる時も、長く保存したりより美味しく食べるための知恵が詰まってる。


食材らしさと個性


長田さんには、尊重する食材があるという。それは伝統野菜。今の品種改良した野菜は、甘みが強くなり、そのおかげで野菜を食べれる子どもは増えた。ただ、例えば甘くなってるニンジンはそれは本来のにんじんの味からは遠のいていて、ニンジンと言っていいのだろうか?品種改良と、本来の野菜と、両方の味を残す必要がある。
そうしたら、足された味よりも、素材の本来の味を知ることになるという。「味を足す」よりも「引き出す」味は敵わないし、素材の味を大切にできる。


味を足すより引き出す方がいいと言いつつ、では調味料を足すことはどう捉えようか?
長田さんは、みりんも醤油も味噌もそのものが個性的。でも入れすぎると調味料の味になって素材の味が負けてしまう。出汁と調味料は、食材を下支えするもの。みりんを入れることで自然な味わいになる。白醤油は入れすぎるとキリッとしちゃう。素材の良さが引き立つほどに良い調味料を添えると、個々の良さが出て、良いバランスが取れる。そうおっしゃってた。「足す」より「引き出す」ことを大切にしたい。

苦味は旨味


大人になるにつれ、苦味が旨いと感じるようになる。子どもの時は、苦味は毒素だと認識するため、甘い味を好む。でも大人になるにつれ、大根や山菜、鮎のはらわたを食べて、この苦味は大丈夫だと経験則でわかるようになり、むしろ「奥行き」を生む苦味がおいしいと感じるようになる。
人生経験に応じて、好みも食べれる食材も変わるのだと思うと、苦味も楽しめるようになって、より厚みのある食事を楽しめる粋な大人になりたいと思ったのでした。

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