2020→2021

hello2021。もうやってきたね。お正月気分も抜けてきた頃。

昨年ではあるけど地続きだし、2020年をもう一度ざっと振り返って文章にしておきたかったから書き留める。

昨年は表現手段を模索した年だった。食の魅力を表現していくためにはどういう表現方法があるのだろうか?と。これまで活動してきたことを前進させること、またコロナによって今私という一人の人間ができることを模索していたこともあり、自分自身が伝えていきたい願望が強くあった。

元々食べることが大好きで、初めにフードロスに関心を持ったことから今の世の中は食がありふれすぎていることに課題意識を持った。そこからフードロスを減らそう環境に良いことを促進しようとか、そういう取り組みをしていたのだけど、それは多様な価値観の一つを否定する行為なのだと気付いたこと、またネガティブよりもポジティブな入り口からの方が人に興味を持ってもらえると体験したことから、食の魅力を伝える側になろうと思った。

まずは、食におけるポジティブな行為を表現していくために食空間を作りたいと思った。食の魅力を最大限に伝えるために、そこでフードフォトグラファーさんとフードコーディネーターさんの元で撮影現場に入らせてもらった。背景には、食べることが至福の時間&空間だと思っているから、食べることの価値がより高めることをしたかった。器一つで食体験が大きく変わると思っているから、器を選んだり一番美味しそうに見える盛り付けをする。一番美味しそうに撮影をする。照明や編集、演出方法によって食べ物の印象が大きく変わる。安い器よりも重みある器を使った方が、食事に味わいが出る。実際には例えばケーキを、そのまま撮るのではなく、フォークを置いてテーブルクロスを敷くことで華やかな記念日祝いに買おうと思うように、消費者にクリアなイメージを持ってもらえる。

現場は慣れないことだらけだけど、出会う方々の優しさに救われ楽しくアシスタントとして現場に入らせてもらった。していた事は、器の包装、食器洗い、盛り付けなど。撮影が捗るように、今何が求められているのかを見極めて常に一歩先を想像しながら準備をしていた。地道かもしれないが細部まで抜かずに気を宿らせる職人的仕事だった。表現を通して魅せる世界観を作ることって面白いなと。

食べる物の背景とストーリーを伝えること。食べ物は食べるだけではなく、紐解けば後ろには膨大な糸が絡み合っているもの。色んな人や文化が関わっているから、それを表現する方法としてパッケージで伝えるのも面白そうだとふと思った。そこで音楽ジャケットのように直感的に欲しくなるようなフードジャケットを作ってみた。パッケージはその食べ物や商品のことを伝えられるスペースだと思っているため、芸大でデザインを学ぶ友人たちと一緒に色やイラストを通して商品の良さを伝えた。後で思ったけどその商品らしさをイメージ化・言語化することだからブランディングに近いような(きちんとやりながら、実験的な遊び的感覚で始めたため違うとは思うが)ことをしてた。写真やデザインは消費者にイメージやらしさを届けるから、商品と消費者を繋ぐ大事な非言語の役割を果たす。

だけど、同時に既に作られたものを伝えることの限度も感じた。果たして自信を持って、この食べ物を世の中に広めたいと思えるか。そう撮影現場で感じることがあった。より良く見せることをしているのに、そのよく見せようとする食材そのものに違和感を感じてしまう。制作という商品を消費者に届ける媒介的な段階に関わるよりも、その手前の段階である事業を作る方が表面だけではなく深く関われるため本質的なのかも?と思ったり。

あとは食の面白いところは実際に食べるところにあると思っているから、食卓や食堂、レストラン、など一緒に食を囲むことにあると思う。都内のフードコートのようなスペースやレストランを巡ったり、色んな地域で特有の食を巡ったりした中で、食事を実際にできる場所だからできることがあると思ってきた。「そこでしか味わえない食」に価値ある。そう考えつつ、そこでしか味わえない食ってどんなものだろう?とも思っている。(新鮮な食材、ストーリー、オーナーや常連さん、音など五感で感じるあらゆるものの影響を受けてる。)出会ったことで豊かになったと感じられる食体験なのかな。それもあり、背景にある文化や風景などを料理として表現するというローカルガストロノミーという概念が面白いと思い、学んで実践した。(食が持続可能的であるためにも、土台には、私たちは何をどう食べていくのか?という問いがある。)食のことちゃんと学ばないと的を得られないことも実感した。

シェフと一緒させてもらったことで、また料理のサービスを作っている友人から料理の圧倒的知的行為であることを学び、自然を文化にしたり人に感動を届けたりする料理という行為の尊さを感じた。

実は去年は食だけではないフィールドに浸ってみようとしてたことから、クリエイターが集まるメディアに関わり、でも結局はそこでも食のコンテンツばかり見てたし惹かれて。ゼミでも独自の「美しい」感覚を持つことに居心地の良さを感じていて、むりくりまとめると、美学を持った上での食に力強さを感じます。食べることは表面的にも深くも味わえるのならば、深く味わっえる場って素敵よね?

今年も食べることについて考えていく。まずは着実にやることやって一歩づつ進む。やって大事にしたいことをクリアに選択して大事にできるように。そして大胆に☆

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