初恋2

自転車小屋

 僕は中学のとき約8キロの道のりを自転車で通学した。田舎だから通学範囲が広い。遠い人は14キロくらい離れた所から通う人もいた。
 自転車で学校に来たら、自転車置き場(通称自転車小屋)があって、そこに置くことになっている。 
 ある朝その小屋に自転車を置き校舎に向かって歩いていると、後ろから「お〜いT君」と僕を呼ぶ女(ひと)がいる。僕は「ドッキ」とした。「先輩だ!」振り向いてみたらあのエクボのある笑顔で、僕を見てる。胸が「ギュッー」となる。彼女は僕に「部活、卓球部にしたの?」と聞いてきたから僕は「うん」とうなづいた。そう僕は卓球部に入部した。理由はその隣で体操部が活動してたから。彼女がそこにいるから。なんて単純な理由なんだ。
こんなこと言ったら「アホー」と誰かに言われそいだ!
 部活が終わるのは各部同じくらいで終わる。僕はサッサと着替えて自転車のある小屋で同級生と少し無駄話していたらK先輩が、同じ体操部のひとと帰宅するところだった。彼女が僕の自転車を置いている前を通る時、小さく僕に手を振ってきた。僕はその仕草をずっと見ていた、いつの間にか胸が熱くなっていた。
  自転車小屋で登下校時、遭遇するたびに「バクバク」になる僕の心臓は大丈夫なのだろうか?と心配になった。

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