コウテイ解散

M-1が終わってから、芸人の解散をよく耳にするようになった。M-1決勝にはやはり夢や希望がある。決勝に出るだけで知名度は飛躍的に上昇する。テレビ出演も増える。つまり「売れる」のだ。ではM-1決勝に上がれなかった芸人たちはどうなるのだろう。ファイナリストと比べると差が出てしまうだろう。
そんな中で解散を選ぶコンビも出てくる。
最近だと、オジンオズボーンや井下好井、オドるキネマも解散を発表した。

そんな解散ラッシュの中で1番驚いたのがコウテイの解散だった。

コウテイは大阪NSC35期のお笑いコンビ。同期はゆりやんレトリィバァ、からし蓮根、ももなど実力派が揃っている。そんな中でコウテイも第41回ABCお笑いグランプリ優勝、ytv漫才新人賞も準優勝と関西で結果を残している。

M-1グランプリでも2020と2022で準決勝に進出するなど、決勝に進むのは時間の問題と言われるレベルで期待されていた。

僕が最初にコウテイを見た時の印象は「なんやこれ」だった。顔をすごい近づけてウケているとは言えない「ズィーヤ!」を本気でやって、ネタの内容もぶっ飛んでて面白かった。でも僕がコウテイにハマったのは二人が仲悪いというのを知ってからだった。ネタ中からは全く仲の悪さを感じない、むしろめっちゃ仲良いやろって思っていたから不思議なコンビだと思って好きになった。

その日から今までずっとコウテイを推してきた。

彼らの面白さが一般に認められたのは第41回ABCお笑いグランプリだと思う。漫才とコントで挑んだこの戦い。審査員のかまいたち山内さんは「今までのコウテイは破天荒すぎて伝わってなかったけど、今のコウテイは破天荒なネタが伝わるようになった。」と評価していた。
優勝した時二人は泣いていて、九条さんは「やっと認めてもらえた」と言った。コウテイなりの面白いをしっかり信じて貫いていたのだと感じてファンとしてもっと好きになった。

そこからコウテイはさらに面白くなった。下田さんがツッコミでネタをやったり、冒頭のお決まりのくだりを削ってさらに笑いの量を増やしたり、わかりやすくパワーアップしていた。

特に着目すべきは2020のM-1グランプリ。準々決勝で「コウテイの結婚式ネタがやばい」と界隈で噂になるほど強いネタを持っていた。惜しくも決勝進出は逃したものの敗者復活で例の「結婚式」のネタを披露。テレビで見ていたが正直トップレベルのウケだったと思う。しかし、敗者復活は国民投票。奇天烈なネタをするコウテイは安定して票を得られなかった。ただ、コウテイの面白さが全国レベルになったと思う。

そこからも着々と力をつけていたが、2023年1月31日に解散。

二人が決めたことなので仕方ないが、やはり長年推してきたコンビなので悲しい。

ちなみにこれで3度目の解散らしい。

もしかしたら再結成するかもとは思うけど、あまり期待はしない。それよりも二人がそれぞれ自分の信じる面白いことを続けてまた笑わせてほしい。

それで、もしコウテイが再び漫才をするなら僕は嬉しい。

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