みずほ銀行トラブルの本当の理由?
何を、気にしているの
こう書くと、みずほ銀行の関係者かと思われそうだが、一般のSEの意見です。最初に申し上げておきます。
では、なぜ門外漢がこんなことを言い出すかと、いうとそこにみずほ銀行だけの問題ではない、風潮が感じ取れるからです。
みずほ銀行トラブルの理由
ゾッとするような、理由です。
■MINORIのアーキテクチャの複雑性
■連携しにくい体制、伝達方法
これは、宿命とも呼べるもので、改善していくしか無いものです。
本当に怖いのは、以下の3つ。実際には根っこは一つです。
■保守運用フェーズでの急なリソース削減
■経営とIT現場のコミュニケーション不全 ← 根本はこれです。
■機器の所有を各ベンダーとしたこと
経営とIT現場のコミュニケーション不全
単なるコミュニケーション不足じゃないの?
そう思われる方も多いと思います。
でも、実際には
「経営層は、システムなどお荷物としか思っていない」と言うことです」。
確かに、コロナの影響で収益が落ちる中、各企業は苦しい戦いを強いられています。新しいビジネスモデルは、なかなか創出できずコストダウンのみで収益を向上させなければいけないという戦いです。
その中で、金食い虫である情報システムにおいてもコストダウンの波が来るのは、予想されていました。ただ、問題はコストダウンを急ぐあまり品質低下となるところまで手をつけてしまったことです。
保守限界を踏み越えたコストダウンが何を意味するか
誰でも、品質に手をつけてはいけないことは承知しています。
それでは、なぜ踏み越えてしまうのか。
それが、新しいスキームによる革新的なコストダウンという皮をかぶって登場するからです。
仮想サーバーによる機器の集中化
外部クラウドの適用
機器、設備のアウトソーシング
システム保守のアウトソーシング
一見すると何が問題なの?と思われそうです。
集中化と言うことは、トラブル時の被害が広がると言うこと
安全と呼ばれる外部クラウドの障害時にどこまで対応してくれるのかと言うこと。
アウトソーシングはコストダウンとなるが、障害時の対応がどこまで保証されるのかと言うこと。
コストダウンを考えるときは、それによって失われるものが何かを注意する必要があります。
システム開発は、運用設計・障害設計という開発フェーズを持っています。システムを稼働させるために何が最低限必要か、どのようなリソースを準備する必要があるのか、どこまで保険をかけるのか。
IT部門としては、コストダウンに自ら参画する責任はあります。しかし、失われるものが何か、明確にし経営層に提示する責任もあります。
コストダウンの検討の中では、「トラブルが起こらなければ問題ないのでは」と言うような乱暴な意見がでがちです。
起こった時に失われるものの価値が何かと言うことについてもう少し議論が必要です。
「事故を起こさなければ、車検の通っていない車でも乗っていい」と言うような意見が普通に発せられることがあるのです。
しかし、そこで失われるものは、それまで培ってきた社会的な信頼なのです。
終わりに
関係者でもない人間が、好き放題に意見を述べてしまいました。しかし、実際に同様のことは、あちこちで行われており、いつリスクが吹き出すかわからないのです。
情報システムを理解しない経営層、経験不足からリスクについて説得できない情報システム、利益のために受注をしたい外部業者。
この中で、自分たちが気がつかない間に、品質の聖域に踏み込んでしまいます。悪意を持った対応でないだけタチが悪い。
トラブルが起こった時にはもう全てが遅いのです。