テッドチャン『息吹』「予期される未来」が好きな理由

人はみんな、じぶんでつくった人生を歩んでいるのかな。

それとも、本当はもう決まっている道を歩んでいるだけなのかな。

自由意志という考え方につきものなのは、自分の選択に対する責任。

でもその責任というものは時にはモチベーションに、はたまた時にはプレッシャーにもなりうる。

そのプレッシャーに押しつぶされかけてる人にとって、また、決断を下すことに悩み過ぎて心が疲れてしまっている人にとっては、自由意志がないということはどこかで少し安心感があるのではないでしょうか。


糸を紡ぎながら後ろを振り返ってその軌跡を糧にするよりも、

もうできている一本の糸を滴る水のような人生もそんなに悪くないと思える。


自分の選択を正当化するのに必死過ぎた私にとって、柔らかく暖かな春のような追い風になってくれたのは、この予言機のお話しでした。

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