”YouTubeの収益だけで生活できる”は本当か

”好きなことをして生きていく”ってすごく夢のある話ですよね。
YouTuberも職業と言われるようになり、近頃の小学生たちは
「将来はYouTuberになりたい」と答える子がかなりいるそうです。
また、最近では有名なYouTuberがタレントとして
テレビに出演することも珍しくはありません。
そのくらい、YouTuberという存在は私たちにとって身近になりました。

”YouTuber”といっても、テレビに出演出来るほどの人物から、
登録者数が数十人ほどの人物までいます。
私のように趣味で活動している人もいれば、出来ることなら仕事にしたいと
考えている人もいるでしょう。
今回は、「YouTuberとして暮らしていきたいなぁ…」
「好きなことをして生きていきたいなぁ…」
と思っている人へ向けて記事を書こうと思います。



●YouTuberの収入源●
まず、YouTuberを仕事にしたいと言うからには収入を得る必要があります。
主な収入源は以下の通りです。

1.動画の収益化(広告費)
2.Super Chat(投げ銭)
3.Teespringを利用したグッズ販売
4.メンバーシップの月額


この他に、他サイトでグッズを販売したりイベントを開くなどして
上記以外の収入を得ます。
ただ、上記の収入を得るためには利用条件というものがあります。
・YouTubeの収益化ポリシーに準拠していること
・パートナープログラムを利用可能な国や地域に居住していること
・AdSenseアカウント(収益化する際にすぐに作れます)を持っていること
・オリジナルの動画を投稿していること

を前提に話を進めていきます。



1.収益化するために
広告費はYouTuberにとってかなり重要な収入源です。
2019年10月の時点では
・公開された動画の総再生時間が直近の12ヵ月間で4,000時間以上
・チャンネル登録者数が1,000人以上

が広告費を得るための条件となっています。
これらの条件をクリアしてYouTubeに申請をして、採用されると
動画の始めや終わり、途中に広告を挿入して広告費を得られます。
ここで見落としやすいのは、
「これらの条件をクリアしてYouTubeに申請をして、
採用されるまでは収益は得られない」
という点です。
また、採用されなければ広告費以外の収入源も得られることが出来ないので
これは避けては通れません。


2.Super Chatを得るために
これは動画をプレミアム公開した際や配信中に
”視聴者から”いただく投げ銭のことです。
これを得るためには、収益化をしていることを前提として
・チャンネル所有者が 18 歳以上である
という条件が加わります。
”視聴者から”いただくものなので
日によって価格は変動するし、チャンネル登録者数が多いからといって
Super Chatを必ずもらえるとは限りません。



3.Teespringでグッズ販売をするために
これはYouTube内の通販のようなものです。
自分のオリジナルグッズを販売することが出来ます。
販売するためには、収益化をしていることを前提として
・チャンネル登録者数が 1 万人以上である
という条件が加わります。
グッズ販売もSuper Chatと同じで”視聴者から”いただくお金ですので
「この人のグッズが欲しい!」と思ってもらえないと買ってもらえません。
しかし、普段YouTubeを利用している方ならわかりやすいと思いますが、
Teespringを利用してグッズ販売をしている日本の活動者はほぼいません。
多くの人は別の販売サイトで自分のグッズを売っています。

有名なサイトはBOOTHでしょうか。


4.メンバーシップの月額を得るために
メンバーシップというのはファンクラブの会員のようなもので
月額を支払った視聴者がバッジ、絵文字などの特典を得られる仕組みです。
配信中に絵文字を使ったコメントを送ることなどが出来ます。
メンバーシップを開設するには、収益化をしていることを前提として
・該当するチャンネル登録者数が 3 万人を超えている
※ゲーム チャンネルの場合はチャンネル登録者数が 1,000 人以上

・チャンネル所有者が 18 歳以上である
という条件が加わります。
前回の条件である1万人から3万人に跳ね上がりましたね。
2,3に続いてこちらも”視聴者から”いただくお金です。
そのチャンネルの視聴者に、メンバーシップに入る価値がある、
月額を支払う価値があると判断されなければ収益を得ることはできません。



ここまで読んで気づいた方もいると思いますが、
収入のほとんどは
そのチャンネルのブランド力と視聴者層に大きく左右されます。

これはYouTubeのみならず、どのサイトでも同じだと思います。
有名なYouTuberの真似をして同じような動画を投稿したとしても
投稿している人物自体に興味を持ってもらえないといけません。
また、Super Chatやチャンネルの月額を支払うことが出来るのは
バイトや仕事をしている視聴者か好きに使えるお金を持つ視聴者のみです。

YouTuberになることは簡単に・誰でも出来ますが、
それを職業にするのは険しすぎる道のりです。
それでも一度試してみたい方は、
まずはチャンネル登録者数を1000人以上集めるところから始めましょう。
これは動画の収益化(広告費)を得るための条件の1つです。


●動画の収益化(広告費)について●
広告費は、動画の再生回数によって決まります。
これは視聴者から得るお金ではなく、広告を掲載した企業から得られます。
明確な数字は出ていませんが、1再生で大体0.1~0.4円だと言われています。
チャンネル登録者数が1000人だろうと50000人だろうと
動画の再生回数が少なければ利益を得られません。
チャンネル登録者数が100万人いるからといって全員が動画を観る
わけではありませんし、チャンネル登録をせずに動画を観る方もいます。
つまり、チャンネル登録者数と再生回数・広告費は比例しないのです。

試しに私の10月1日~10月31日の広告収入を見てみました。
趣味としての活動なので、大体、週に1本のペースで投稿しています。
月の総再生回数は約39万。それによって得た広告収入は約5万円です。
(私の場合、この広告収入は動画のための制作費にほぼ費やされています)
動画1本で平均80万回再生ほどの有名なYouTuberであれば
2本投稿して最低限の暮らしが出来るくらいの値段でしょうか。


一見、デメリットがないように見えますが
収益をいきなり剥奪されるという危険や、
広告掲載をされない内容の動画があります。
例えば、テレビ番組をそのまま投稿するのはもちろんアウトで、
YouTubeの利用規約に反する内容の動画を投稿していると広告掲載の停止、
ペナルティ通告を3回されるとチャンネルを削除されます。
転載動画のほとんどはYouTubeのAIによって判断されるので
場合によっては、同じフリー素材を使っていただけで転載動画と見なされ
「再利用されたコンテンツ」として収益化を剥奪されることもあります。
YouTuberを仕事にするということは、
一歩間違えると無職になりうる危険性も伴っています。


結論として、私はYouTuberを仕事にすることは賛成ですが推奨はしません。
近頃のYouTubeは、無名の状態でチャンネルを開設して生計をたてて生活していくのはかなり苦労する仕組みになっています。
特に視聴者がビックリするような動画を投稿することが
とても難しくなっています。
よく再生回数を稼ぐために出回っているもので言うと、
・世間を騒がせることを目的とした動画
・誤解を招く説明
・個人を名指しで罵る動画

など、いわば物申す系やドッキリ系の動画は人気なコンテンツですが、
広告がつきにくい・広告がつかないのが現状で、
場合によってはアカウントの停止に繋がります。

”好きなことをして生きていく”が売りのYouTubeですが、
一見誰にでも出来る華やかな世界に見えても
実際にそれを仕事に出来る人はたった一握りです。
何で動画が伸びないんだ!と思う時もあると思いますがそれが普通です。
”好きなことをするために”動画投稿を続けていけば
いずれ努力が実るかもしれません。

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