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映画スウィング・キッズ思てたんと違う

【注意】映画「スウィング・キッズ」の大筋とメッセージについてネタバレがあります。

先々週、先週と韓国コメディ映画の「エクストリーム・ジョブ」と「シークレット・ジョブ」を観ました。

どちらも同じ制作チームが手掛けており、非常に秀逸なコメディで楽しい週末を過ごすことができました!

今まで韓国映画は数える程しか観ていなかったですが、もっと面白い韓国映画があるんじゃないかと思い、音楽・ダンス映画で面白そうな「スウィング・キッズ」を観てみました。

なんとも楽しそうなパッケージ画像、そして心躍るタップダンスで楽しい気分にさせてくれそうな予告映像。観る前の私はわくわくで胸はち切れそうでした。

----- ここからネタバレあり -----

大筋は、朝鮮戦争中のアメリカ軍捕虜(北朝鮮側)が、元ダンサーである米国軍人にタップダンスを教わりながら、タップダンスの楽しさにのめり込んでいく話です。

話の中には様々な主義・主張やイデオロギーが渦巻いています。

・(アメリカ)白人→黒人、白人・黒人→アジア人、アジア人→黒人の差別
・資本主義と共産主義
・アメリカの捕虜になっても祖国(北朝鮮)のためにアメリカに屈しないと主張・行動する愛国者達
・ソ連・アメリカに朝鮮は完全に分断され、対立したという代理戦争を嘆く者※
・捕虜にダンスをさせることは、捕虜のためではなく自身の評価(出世)のため
※朝鮮戦争は代理戦争だったのかについては諸説あるので、私の意見ではなく、あくまでも映画の中での表現と捉えてください。



そのような環境の中で、ただダンスを楽しみたいという純粋な気持ちがイデオロギーによって潰されてしまうのを「ファッキン・イデオロギー」としてダンスを極めていく、元ダンサーと捕虜・民間人たち。

映画の前半はダンスの楽しさに目覚めて切磋琢磨していく様子が描かれていますが、後半はそれぞれのイデオロギーによってだんだんと収容所の情勢は不安定になっていきます。また、祖国への思いと、ダンスへの憧れの間で揺れ動いている主人公の心も、後半になるにつれてどちらが彼の本心であるのかがわからなくなってきます。

結末は胸クソそのもので、「ファッキン・イデオロギー」というメッセージを映画全体から感じられるものでした。

面白いか面白くないかでいうと面白いし、観てよかったかと言われれば観てよかったと思います。

ですが、何も考えずにボケーッと面白おかしく映画を見たいと思っている感受性が幼稚園児レベルの私にとっては映画を見ている間は割と苦痛でした。

楽しく週末を終えたい方は、「エクストリーム・ジョブ」か「シークレット・ジョブ」を観てください。

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