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ライフ・アウトライン実践0-1 はじめに

ライフ(生活と人生)を扱うアウトライン

「アウトライナー基礎講座」に続くテーマ連載第2弾は「ライフ・アウトライン実践」です。ひとことで言えば、ライフ(生活と人生)を扱うためのアウトラインです──と言ってもよくわかりませんね。

たとえばタスクの管理は、すべてこの中でやってしまえる。降りかかってくるタスクを制御し、限られた時間の中でできること、できないことをクリアにすることです。

今抱えている「やること」の全体像を把握し、その中から何を残し、何を落とすか選択できる。これはいわゆる「プロジェク管理」とか「目標管理」と呼ばれるものに相当するかもしれない。

「価値観」とか「ミッション」などと呼ばれるものも、この中で考えられる(いや、そんな生真面目なものだけでなく、もっと人間くさいこと──欲求や願望──だって考えられる。というかそれが大事なのです)。

もちろんアウトライナーだから、メモを取ることも記録をつけることもできる。何よりも、アウトライン・プロセッシングの技術を駆使して「考える」ことができる。

つまり、ライフ──生活と人生──を扱うアウトラインです。私にとって、このアウトラインはどんなタスク管理アプリ、よりも実用的かつ強力なツールになっている。

「ライフ・アウトライン実践」では、この個人的ライフ・アウトラインををベースに汎用化したものを紹介しながら、その機能と活用法を(これまで紹介したことのない部分を含めて)解説したいと思っています。

ちなみに、こんなアウトラインです。

ライフ・アウトライン
 DO-DAYS(日々のDO)
 DO-ALL(すべてのDO)
 LIFE-AS(関係)
 LIFE-BE(自分)

タスクからライフへ

ライフ・アウトラインは、もともとはシンプルなタスク管理のアウトラインとして生まれました。

私は既存のタスク管理のためのツールや手法をうまく使いこなせなかった。降りかかってくるタスクが処理できないまま膨れ上がり、しまいには破綻するということを何度も繰り返してきた。

だから、必要なタスクを洗い出し、整理し、実行するためのアウトラインを作ろうとした。文章を書くためにアウトライナーを使っていたから、そのイメージでタスクをアウトライン・プロセッシングしたのです。

結果的には、「文章のように」アウトライン・プロセッシングするうちに、タスクのアウトラインだったはずのものは、生活と人生を扱う壮大な(?)アウトラインへと変化していった。

そうならざるを得なかったのです。

タスクを実行するためには、そもそも何がタスクかを「考える」必要がある。タスクとは「実際に取れる具体的な行動」のことです。しかし、何かをしようと思ったとき、それが「実際に取れる具体的な行動」として頭に浮かぶとは限らない。ほとんどの場合、モヤモヤとした曖昧な「思い」として頭に浮かぶのではないか。それをタスクを書く場所にそのまま書いても行動はできない。ならばその「思い」をどう扱うかが問題になる。

限られた時間ですべてを実行することはできないから、取捨選択しなければならない。タスク管理アプリにはタスクをどんどん登録していく機能はあったけれど、取捨選択をサポートする機能はなかった。「重要なことを優先せよ」と言うけれど、「重要なこと」って何なのか。そして「優先する」とはどうすることなのか。

タスクを扱うためにはタスクを書き出すだけでは済まない。それは大きな発見だったし、「タスク管理」という枠に囚われているうちは見えないことだった。私がタスク管理アプリをうまく使えなかったのは、「タスクしか書けなかった」からなのです。

ちなみに、シンプルなタスクのアウトラインが、シェイクを繰り返してライフ(生活と人生)を扱うアウトラインへと変貌してく過程は『アウトライン・プロセッシングLIFE』に詳しく書きました。

「ライフ・アウトライン実践」で紹介するアウトラインは、こうしてできたTak.の私的なライフ・アウトラインを、多くの方に使っていただけるように汎用化したものです(ご存知の方は、上で紹介したアウトラインの言葉が少し変っているのがわかると思います)。

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