見出し画像

ワクチンって大事だよね!!(ワクチンの効果のまとめ)

コロナの第7波
防ぎようのないくらい感染力が強くなり、
反して死亡率は低下してきました。

もうコロナなんてただの風邪!
ワクチンなんて意味ね~!
という意見もよく耳にします。

はたしてそうなのでしょうか。
改めて書いてゆきます。

1.オミクロン流行下でのワクチンの効果

1-1.感染予防の効果は、接種から4-5ケ月で低下

アルファ・デルタ株においては、はっきりとした感染予防効果がみられました。
ですがオミクロンになり、さらに月日がたつと感染予防効果はだいぶ下がりました。

ワクチン接種歴別の新規陽性者数(8/8-8/14)
※厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードより

30代の方の新規陽性者を書きましたが、数字をみると未接種・2回目接種・3回目接種で新規感染者数の割合はほとんど差がなく見えます。
さらに各年代2回接種の方は未接種の方より、相対的な感染者数が多いようにすら見えます。

ちなみに3回目接種が一気にすすんだ3-4月の直後の5月の調査では、3回目のワクチン効果が強くみられました。

ワクチン接種歴別の新規陽性者数(5/9-5/15)
※厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードより

本来接種率を考えると1万人以上感染していても不思議ではありませんが、実際には6千人!!という高い感染予防効果がみられました。
BA.2とBA.5の違いはありますが、5月~6月~7月~8月と経て3回目接種の効果がほとんどみられなくなってしまいました。
時間とともに感染防御力が低下してしまったのだと思います。

文献的にはイスラエルの報告から、
今年の1月に4回目のファイザーのワクチンを接種して3月末まで追跡調査したところ、3回目接種の人に比べて感染予防効果は34%であったとのことです。

おそらく感染予防効果は何回打ったかではなく、流行直前に接種したかどうかで決まりそうです。
今後オミクロン株用のワクチン接種が始まります、その効果にも期待したいものです。

1-2.重症化・死亡の予防の効果はかなり高い

先ほどのイスラエルの文献から、オミクロン株において3回目接種に対して4回目接種は重症化の予防効果が67%あると報告があります

そして国内からもオミクロンに対するデータが公開されています。
昨年6月から9月に多くの方がワクチンを接種して、今年1月から3月にコロナが重症化した症例を調べたものです。
感染予防効果ならもう切れかけている頃ですね。

人工呼吸器/ECMO装着者のワクチン接種の有無・転帰の内訳
NPO法人日本ECMOnet COVID-19 患者状況の集計より

当時は8割の方が2回のワクチン接種を終了していました。
特に重症化しやすい高齢者は9割近くの方が接種しています。

その中重症化するのは半数弱が未接種者です。おそらく67%以上の重症化予防効果があるのではないでしょうか。
そして重症化したときに死亡するのは、未接種者27%に対して接種者16%程度です。

香港・シンガポールからの報告では、オミクロン感染による死亡率を70歳以上の方で見てみると、未接種4.46%に対して接種ありは0.48%であったとのことです。
この調べもワクチン接種が一気に進んでから半年後のデータですから、ワクチン接種から時間が経過していても、死亡率を下げる効果があることが分かります。

重症化・死亡については流行直前に接種したかではなく、接種の有無・そして何回接種したかが大事なんだと思います。

1-3.後遺症の確率低下の効果はあり

日本人のコロナの文献が見当たらないので海外文献からですが、
イタリアからの報告で、739人の無症状から軽症の新型コロナ患者において、4週以上症状が残った割合を算出したところ、

ワクチン未接種─41.8%、1回接種─30%、2回接種─17.4%、3回接種─16%
であったとのことです。そしてワクチン接種からの期間は、コロナの後遺症との関連はなかったとあります。

後遺症のリスクは重症化・死亡率と同様に、ワクチン接種の有無・回数が大切だということが分かります。

2.ワクチンの大事さを伝えたい

2-1.ワクチンの大事さを信じているのは

ワクチンなんていらない!という意見や記事をよく見かけます。
世の中の通説の全てに逆張りしたメディアや、闇落ちした医師のコメントを見ると悲しい気持ちになります。
接種直後は感染防御の効果が十分にあるし、時間が経っても重症化・死亡・後遺症の予防効果がしっかりあります。

先日アメリカからの報告で、ブースター接種率が人種や収入・学歴などで差があるかを調べた文献が公開されました。
結果、最終学歴が高く、収入の多い人ほど接種率が高かったとの結果が出ました。そのような人ほど、正しい知識を得てワクチン接種をしているのだと思います。

2-2.接種は勧めても、打て!とは言わない

とはいえ、我々はワクチンを強要はしません。
例えばインフルエンザという病気の場合、年間1000万人程度感染して、1000人程度死亡します。
ですがインフルエンザのワクチンを接種することで、感染リスクを50%程度、死亡リスクを80%程度下げることができます。
反面そのワクチンは、年間3000万人ほど接種して数名程度の死亡報告があります。
この数字をみると、絶対打った方がいいのが分かります。
ですがワクチンで亡くなる人がいます、ワクチンを打ったのにインフルエンザになって亡くなる人もいます。
結果的にワクチンを打っても意味がなかった、打たない方が良かったと思う人もいます。
なので「絶対打て!」とは言えないわけです。

コロナワクチンも同様に副反応のリスクがあるものです。
「打て!打ちなさい!」
とは言いません。
ですが改めて言います
「ワクチンは大事だよ!!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?