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公認会計士試験の勉強開始前に日商簿記1級の勉強をするべきか?

ダネフシです。
クレアールという予備校で公認会計士試験の勉強を開始して約1年半が立ちました。クレアールでは日商簿記3級、2級、1級の勉強を終えてから、公認会計士講座が開始するというカリキュラムを採用しています。
他の予備校なら、日商簿記2級を終えてすぐ公認会計士講座開始って感じだと思います。なので、多数派は、日商簿記2級後に公認会計士の勉強開始でしょう。
「日商簿記1級なんて回り道や!」そう考える方は実際、多いと思います。ですが、そういう意見は、自分が日商簿記2級を終えてから、すぐ会計士の勉強を始めた人が言ってたりするので、偏っています。

そこで、日商簿記1級の勉強をひと通り終えてから会計士の勉強にシフトした立場から、日商簿記1級の勉強が公認会計士試験に役立つのか、メリットとデメリットに分けて書いていきます。

メリット1 短期目標として最適
メリット2 会計士試験がダメでも潰しがきく

デメリット1 日商簿記1級特有の対策が必要
デメリット2 理論の勉強が遅れるかも


メリット1 短期目標として最適
 公認会計士試験は長期戦です。優秀な方が短答、論文とストレートに合格しても約1年半程度かかります。モチベーションを維持して勉強し続けることが大変です。短答試験の出願者の2割程度はそもそも、試験会場にすら来ずに放棄してしまうくらいの過酷な試験です。そんな中、モチベーションを維持するために短期目標を据えることは有益だと思います。
僕の場合は
2019年2月勉強開始→2019年6月日商簿記1級→(2019年11月日商簿記1級)→2019年12月短答
という感じ目標を設定しました。6月の日商簿記1級は、良い感じに中間目標として機能してくれました。


今、僕がこれを書いてる、2020年は特殊な年なのですが、
2020年11月日商簿記1級→2021年5月短答→2021年8月論文
というのが、王道でしょう。
また、日商簿記1級は手軽に申し込めますし、公認会計士試験範囲と被るため、既に公認会計士試験の勉強を始めてる人は、とりあえず出願してみるというのもありでしょう。

メリット2 会計士試験がダメでも潰しがきく
 公認会計士試験は、最終的に論文まで受からないと全く意味がない試験です。短答試験に受かっても三振すれば、ただの無資格者です。税理士試験のように科目合格制ではないのです。よって、潰しがききにくい試験だと言えます。一方、日商簿記1級は一度取得してしまえば、履歴書に書けるため、かなりお得です。
価値的には 論文合格>日商簿記1級合格>短答合格 くらいのイメージです。日商簿記1級を保有していれば、それなりに評価されると思います。

続いてデメリットを見ていきます。

デメリット1 日商簿記1級特有の対策が必要
日商簿記1級は、試験範囲こそ公認会計士試験と大きくかぶりますが、出題形式が公認会計士試験とはかなり違っています。なので慣れるために答練や過去問を解いたり、公認会計士試験対策とは直接関係ないことに一定時間を割く必要が出てきます。正直、公認会計士試験に最短で受かろうと思ったら、そんな時間は極力取りたくないわけです。


また、論点の重要性も変わってきます。例えば、直接原価計算の固定費調整は公認会計士試験では捨てても良いほどのマイナー論点です。しかし、日商簿記1級の工業簿記・原価計算で毎回出るわけでないものの、出る時はガッツリ出る可能性がある論点ではあります。つまり、公認会計士試験対策という観点からは切ってしまっていいのですが、日商簿記1級に確実に受かりたいのであれば、押さえておくべき論点だと言えます。


限られた時間の中で、公認会計士試験に、ストレートで確実に受かりたいという人にとっては、正直コスパが悪いと言えるかもです。

デメリット2 理論の勉強が遅れるかも
日商簿記1級を完成させてから会計士の対策を始めると、理論の対策が遅れるおそれがあります。そもそも日商簿記1級は合格率10%程度の難関資格で、その範囲を会得するにはそこそこの時間がかかります。公認会計士試験合格者で日商簿記1級を持ってない人とかもいます。そういう人たちは、公認会計士試験では配点が大きい理論で稼いで、受かったのでしょう。
計算が強くない人が、日商簿記1級に莫大な時間を投下して爆死しモチベーションを下げるよりは、さっさと理論の勉強に移行して、そちらで頑張った方が報われやすいとは個人的に思います。日商簿記1級合格は、公認会計士試験合格の必須アイテムではありません。

まとめ
日商簿記1級の勉強を終えてから公認会計士の勉強をするのは、一長一短ありますが、自分の目的や、置かれた環境を加味して考えてみてください。


実体験ですが、逆に、公認会計士試験の勉強が日商簿記1級の対策になっていた、ということはあります。日商簿記1級に特化した勉強をしていた時は67点で不合格でしたが、公認会計士試験の勉強を始めてから受けた日商簿記1級では73点で合格できました。2回目の受験では特に日商簿記1級の対策はしていませんでしたが、公認会計士試験対策で計算力を向上させることができた結果、伸びたのだと思います。なので、結果論から言うと、公認会計士試験の勉強をしながら日商簿記1級取得も意識してみる、っていうのが良いと思います。


日商簿記1級を勉強してから公認会計士試験の勉強をすべきか否かは、付き合ってからエッチする(多数派)のか、エッチしてから付き合う(少数派)のかのように、個人の価値観の問題で、絶対的な正解はありません。
自分が決めた道を信じて、なんなら日商簿記1級と公認会計士を両取りしちゃってください💪


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