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英語科教育法の歩み

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かわむらが勤務校で担当する英語科教育法の取り組みについて、授業者としての振り返りや実践のログを残すことを目的として記事を書いていきます。理想的には毎回の授業について書いていきたい…
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2022年11月の記事一覧

授業に対する生徒の思いを知るために

授業に対する生徒の思いを知るために

英語科教育法IIの振り返りを一週分抜かしていたことに気づいた。

今回の(大きな)問いは「授業に対する生徒の思いを知るためには何ができるか」

生徒からのコメントを受け付ける学生らは主に大学での経験からミニッツペーパーなどの学習者側から先生に何かを伝えることのできる機会・媒体を用いることを挙げた。
ミニッツペーパーに何を書かせるかについては、結構先生によって個性の出るところで、ある先生は「今日気づ

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教師に求められるエンパシーの能力

教師に求められるエンパシーの能力

英語科教育法IV『外国語学習者エンゲージメント』の第4章前半。

どこまで包括できるか本章の1つ目の原則は「手本を示して集団を導く」である。
その手本の見せ方の一つに「誰をも排除せず、あらゆる人を受け入れる包括性(inclusivity)」を示すことが挙げられている。
著者はこう続ける。

これに対してある学生は少し具体的な場面を想定して問いを投げかけた。

これに対して別の学生は「持っているクラ

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省察的実践の技術的熟達

省察的実践の技術的熟達

英語科教育法で行う模擬授業の後には「対話型模擬授業検討会」を行うことが私の授業の恒例となっており,「8つの窓」(教師と生徒それぞれのDO/THINK/FEEL/WANT)をもとに授業を振り返る。

今回は授業の展開に合わせて2つの場面に分けて8つの窓を提示した。第1場面は生徒がペアでやり取りしている時間,第2場面は生徒が先生に(予め決められた)質問をし,それに先生が答える時間であった。
それぞれの

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フィードバックと発問

フィードバックと発問

英語科教育法IV『外国語学習者エンゲージメント』の第3章後半。
「教師と学習者の信頼関係」を生み出す、「教師の行動」について以下の5つが挙げられている。

話し方に気を配る

フィードバックに気を配る

学習者の声に耳を傾ける

エンゲージメントを高める発問をする

関係性を通じて規律を保つ

フィードバック上に挙げた5つの行動原則は、どれも言われてみれば当たり前のことだが、「フィードバック」につ

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国際英語論と英語教育

国際英語論と英語教育

英語科教育法Ⅳの特別回として、国際英語論を扱いました。

1週目に私からの講義を受けて学生がグループで高校生に向けた国際英語論の授業を構成し、2週目にその授業アイデアを発表してもらいました。

その2週目にはゲストコメンテーターとして、国際英語論の考え方を取り入れた英語教育のあり方について研究されている名城大学の藤原先生にお越しいただきました。

贅沢すぎる貴重な時間となりました。ほんの少しだけで

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コミュニケーション能力をどう伸ばすか

コミュニケーション能力をどう伸ばすか

英語科教育法IIの第4回。
今回の問いは「どのようなコミュニケーション活動なら力が付くか」
相変わらず大きな問いだ。

実践的なコミュニケーションの力まずある学生は「道案内などの具体的経験をしておくことで、実際の場面で使える」とし、つまり教室外で起こり得るコミュニケーション場面を想定し、それを経験することで実践的なコミュニケーションの力をつけることができると考えた。
より抽象的な視点として別の学生

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教師と学習者の信頼関係

教師と学習者の信頼関係

英語科教育法IV『外国語学習者エンゲージメント』の第3章前半。
「教師と学習者の信頼関係(ラポール)」の理論的根拠を検討した。

原則1「近づきやすさ」教師はいつでも近づきやすい存在であることが必要であり、そのために(適切なレベルでの)自己開示が重要であるという筆者らの主張にどの学生も概ね同意しながらも「適切なレベル」を巡っては意見が分かれた。
プライベートな話までしてくれる先生をより信頼する傾向

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