最強のエコシステムを構築するブランド『シャオミ』
皆さんは、中国の企業『シャオミ』をご存知でしょうか?
デバイスやガジェットをデザイン、販売している企業と認知している方も多いと思います。
しかし本来の目的は販売はなく、Mi Ecosystem(世界最強のIoTプラットフォーム)を構築することなのです。
今回は、そのMi Ecosystemの内容を『シャオミのすべて』から紹介します。
Mi Ecosystemとは?
Mi Ecosystemとは、シャオミ創業者の雷軍(レイ・ジュン)が考案した、究極的に効率を高めるための仕組みです。
その効率の高め方や、事業展開のスピードがMi Ecosystemによって本来なら10年かかるところ、わずか1〜2年で実現してしまうのです。
その結果、10年も待たずして70社ものユニコーン企業が出現しました。
シャオミ製品の特徴は、安くて高品質ハイスペックが当たり前で、この製品価格と品質を実現させるのに必要なのがMi Ecosystemであり徹底的に無駄を排除した効率なのです。
雷軍(レイ・ジュン)は本書で以下のように言っています。
シャオミはハイコストパフォーマンスの道を堅持して進み、ユーザーの信頼を損なうことなく、ユーザーと友達のような関係を築くこと。
ー省略ー
過去30年間のビジネス史を顧みると、高く販売するブランドが市場をリードするのはせいぜい3〜5年、数ヶ月しか持たないブランドがあるのに対し、ハイコストパフォーマンスのブランドは順調に3〜5年、もしくは10年以上も市場をリードできる。
コストコや無印良品、ユニクロがそうだ。
シャオミが出資する企業とは?
シャオミの創業者は、全員プログラマーやIDデザイン、マーケター、ファイナンス、サプライチェーンなどの専門家で構成されています。
それぞれが、専門性を持っているため、これから可能性のあるスタートアップ企業を見つけては、創業者と面会しシャオミが提唱する経営理念など、お互いが納得すれば、シャオミのブランドやソフトウェア、サプライチェーンの使用、ノウハウや資金提供などを受けることができます。
シャオミが大切にする『三観一致』
三観一致とは、『世界観』『価値観』『人生観』の一致です。
中国では最近、結婚相手に求める価値観とも言われているようです。
すべては、迅速なMi Ecosystem構築のためで、同じ価値観を持つ人材こそ最も重要な要素としています。以下は、シャオミがMi Ecosystemを構築するために必要としている価値観です。
1、短期間で収益をあげようと思わない。
2、最高の製品を作り出そうという志。
3、製品のハイコストパフォーマンスの追求。
4、インターネットモデルの先進性を堅く信じる。
5、効率アップ、伝統的業界の改造。
シャオミは、結婚相手を探すように出資先企業を探しているのです。
シャオミが出資しない企業とは?
シャオミは、どれだけ優秀な企業、人材でも短期間で手っ取り早く稼ぎたいと思っている強欲な人間やシャオミの理念に納得できない企業には、決して出資しません。
なぜなら雷軍(レイ・ジュン)自身がシャオミ創業当時を、振り返って以下のように言っています。
起業の目的は夢を叶えたいという感情的な部分が大きかった。ビジネスをするにあたり、直近の利益だけを求める短期的なビジネスを行ってはならない。
提携企業に対してのシャオミの立ち位置
シャオミは、数々のスタートアップ企業に提携話を持ちかけて、多くの企業と提携を結びました。
その頃、各メディアからは小さなスタートアップを、金で買収する会社のようにネガティブに報道されたようです。
しかし、実際は180°違っていて、シャオミは資金提供してMi Ecosystemに参加している企業を決して子会社とは思っていません。
その証拠に、シャオミ側は、アドバイスはするが、決定はしない!と公言し、さらに提携先企業を子会社ではなく、あくまでも将来的には独立した企業になってもらいシャオミのブランドやサプライチェーンを駆使して自立すること望んでいてサポートすることに徹するというのです。
その結果、提携先企業がゆくゆくは上場してシャオミ自体にも利益をもたらし、お互いにとって良い関係が築けます。
最強のMi Ecosystemなる
最後に雷軍(レイ・ジュン)が思い描く最強のMi Ecosystemについてです。
雷軍いわく、Mi Ecosystemとは竹林です。
竹林を星の数ほどある企業とみたて、その中にシャオミと提携した企業があります。それはまるで土の上から見ると一本の独立した竹(企業)に見えるのですが、土の下では根が強固に絡まり合っているのです。
根がしっかりと絡み合った企業同士は、技術やノウハウなど情報交換を積極的に行い、お互い助け合うことで一社では解決できなかった問題などが解決され業界そのものに変革を起こすことを可能にします。
これが雷軍(レイ・ジュン)が思い描く最強のMi Ecosystemです。
最後に
シャオミのエコシステム(Mi Ecosystem)はかなり強固だと思います。その根底には、理念の合致が前提で、提携企業にはシャオミからの全面的サポートにより上場やユニコーン企業を次々と生み出しています。
この記事では、本書の内容を一部だけ紹介しています。まだまだ目からウロコなシャオミの戦略が本書には紹介されています。
ビジネスマンや経営者にとっては学ぶことが非常に多いのではないかと思います。
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