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19歳ジュース屋の店主と話して感じた思いを話します

長時間のバス移動を経て、ルアンパバーンに着いた。

ルアンパバーンは、ラオス🇱🇦の有名な観光地であり、町全体が世界遺産に登録されている。日本人の旅先としてマイナーだが、ヨーロッパ人にとっては有名な観光地とされている。

観光名所の一つにクアンシーの滝がある。水の色がとにかく美しい。写真より実物の方が綺麗でびっくりしたのを覚えている。

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バスを降りると、ぶわーっと熱い風を感じた。それもそのはず。その日は37℃を超える暑さだったからだ。

不運なことに、運転手いわく、バスを降りた場所から自分の宿まで歩いて15分くらいかかるらしい。

歩く以外の選択肢がなく、仕方なく歩き始めた。

歩き始めて5分後、全身からジワジワと汗がにじみ出てきた。10分後にはシャワーを浴び終わった後のように全身が汗でビシャビシャになった。

それと同時に喉が乾いてきた。この暑さと汗で喉がカラカラだ。何か冷たいものを飲みたい。

そこで道沿いにジュース屋があるのを見つけた。

助かった。

そのジュース屋は、自分と同い年くらいの男が1人でやっているお店だった。僕は、数あるスムージーの中でマンゴースムージーを頼んだ。100円は安すぎる。

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(これは2杯目のバナナスムージー)

飲んだ瞬間、かち割れそうなくらい頭がキンキンした。そして味がとにかくうまい。この暑さにもってこいだ。

飲んでいると、お店の男が汗びっしょりの僕に興味を持って話しかけてきた。そこで僕の旅のことや、お互いの年齢など話した。会話でお互いの年齢が近いことがわかり、話が盛り上がった。そして、仲良くなった。

次の日、僕はそこのお店をまた訪れた。スムージーが美味しかったのもあるが、それ以上に男の人とお喋りがしたいという思いが強かった。

僕は、前の日と同様にマンゴースムージーを頼んだ。やっぱり美味しい。今回もお店の男の人が話しかけてきて会話がスタートした。

話していくと、彼は、仕方なく親から店を継いでこの店主をしているらしい。違うこともやりたいが仕方がないと彼は言う。

次に日本の話を聞きたいと思って質問をした。

「日本に行ったことある?」という質問をしたが彼は行ったことがないらしい。

「行ってみたい?」と聞くと「行ってみたい」と答えた。しかし、その言葉に続けて彼は「行きたいけど、ビザがおりないし、物価が高いから行くことはできないよ」と言った。

僕は心が痛くなった。

僕と同い年の人が、スムージーの店で一生不本意に仕事をしていくこと、海外を旅したいのに行くことができない環境にいることを知ったからだ。

生まれた場所によってこんなにも自由の差が生まれるこの世界の不条理さにショックを受けた。

それと同時に日本人がどれだけ恵まれた環境にいるのかを実感した。やりたいと思ったことは何でもできる。海外に行きたいと思ったらどこにでも行くことができる。

この環境をフルに活用しないのは、彼のような状況にいる人にすごく失礼なことをしていると思った。

そこで僕は、

日本という恵まれた環境に生まれたことに感謝して、与えられた自由を存分に生かして、生きていく必要があると感じた。

その後も1回訪れたくさん話をした。彼との会話は、僕の人生観を変えるものであった。

最後に訪れた時には、感謝の思いも込めて、700円のチップを渡した。「また会おう」と握手をして彼とお別れをした。

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