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拓匠開発が激プッシュするびっくり(!?)社内研修旅行 (後編) 若手社員が厳しいプレゼンを乗り越える、遊びだけじゃないリスク以上の研修旅行の価値

長崎で外国人ナンパ企画

 拓匠開発から依頼をうけた外部ライターが、“遠慮なし!でいいところだけじゃなくて悪いところも紹介する”をテーマに取材をしていく本ブログ。

 拓匠開発が社員育成も含めて力を入れているちょっと風変わりな社内研修旅行について、ブランド戦略部の朽方会里加さん(6年目)、営業企画部の藤原雄也さん(5年目)、経営企画本部の石井友美さん(2年目)という社員のみなさんにご参加いただき、座談会を敢行。前回から前後編で、お届けしています。

●旅行に行くのに、火サス風に社長プレゼンって!?

――拓匠開発では2014年から社員旅行を、ランダムに選ばれたチームを組んで毎回、テーマやミッションに基づいたプランを組んでいくという、研修旅行に変更しています。それらのプランは、社長にプレゼン。OKをもらったら実際に行けるというものだそうですが、そのプランを通すのが結構大変だそうですね。

朽方:「面白い企画を持ってこい」と社長から言われていて、中途半端だと通常業務さながらの差し戻しがあったりして。企画系の部署の人は特に、ハードルが高いですが、ほかの部署であっても業務後に「研修旅行の企画をどうするか?」をチームメートで話し合います。そこでコミュニケーションが生まれて、行く前から団結が強まるんです。

石井:他部署の方とお話できるいい機会なので、戦々恐々としながらも楽しみになりました。「この人、グルメ詳しいんだ」みたいな、意外な一面が掘り起こされたりして。

象使いライセンス取得(初級編) (2)

朽方:企画としては、タイでガパオの早食い競争をやったり、象使いの免許を取得したり……他県に行って外国の方を連れて帰ってくる、みたいなこともしていました。プレゼンがおもしろい方は、企画を発表しているのを私たちが見ていても面白いですし、その上でちゃんと研修感もおさえているんですよ。

――厳しくても皆さん楽しんでやっていらっしゃるんですね。2018年ごろから、企画もプレゼンもどんどんハードになってきていると伺いましたが、どんな時に企画が差し戻しになるんですか?

藤原:基本的に研修旅行の目的は、『普段できないことをしてほしい』ということなので、例えばプレゼンが面白くても、内容を精査してみると旅行代理店さんなどで組まれているようなものだと、戻されてしまいます。いかに、普段できない体験を織り込んでいるか、がポイントになると思います。

石井:私も去年、企画段階で一度差し戻しになりました。私達のチームの行き先が福井県だったんですが、日本海に面した断崖絶壁の東尋坊が名所で。「サスペンスドラマではなぜ、追い詰められた人は東尋坊に行くのだろう」というテーマを立てて、「火サス風」にドラマ仕立てでプレゼンをしたら、うまく通りました。プレゼンは、そのチームの一番若手がするルールなのですが、去年は私が一番若手だったんです。その時は、先輩からアイデアをいただいて、プレゼンをしました。
 私たちの企画の大きなテーマが、「東尋坊をいろんな角度から見る」というもので、それをきちんと社長に伝えるのに淡々と「こうしたい」というだけでは興味を持っていただけません。「プレゼンにも攻略法があって、まず姿勢から一緒に楽しむ感じでやったほうが通りやすくなると思うよ」というアドバイスをいただきました。実は一発目にモノマネをして、白けてスタートしたことも、凄い覚えています。その他にも、台湾の九份に行くチームが、映画『千と千尋の神隠し』の舞台になったので、カオナシのコスプレをしてプレゼンをして、社内でも伝説になっています。

北海道でドラゴンボールを集める企画(旅行中ずっとコスプレ)

●一見ただのお遊びに見える旅行のふか〜い意義

――たとえ研修旅行であっても、先輩から後輩に、プレゼンテクニックの指導があったりするものなのですね。

朽方:そうですね。それこそ2016年に、藤原と同じチームで石垣島にいった時は、プレゼンを経験していた他のスタッフが、「これじゃ企画、無理だよ」という形でアドバイスをくれましたね。

藤原:研修旅行の大きな目的のひとつは、企画力やプレゼン力を鍛えるためだと思います。旅を通して他部署のスタッフと交流をして、同じ経験や体験を通して同じ意識が持てるのはあると思います。

――そうした研修旅行の理念って、皆さんで共有できている感じなんですか?

藤原:こういう目的だっていうのを掲げてやっているわけではないですけど、皆共通認識で同じだと思いますよ。

――拓匠力の3つである『発想力』『やっちゃう力』『とことん力』は、研修旅行の中に入っていますかね?

藤原:全部入っていると思います。例えばとことん力だと、去年は各行先が最初から決まっていたので、その地域でしかできないディープなことをする…とことんその県について知ってきなさいっていうことを言われていました。それから仕事において「問題を解決するときは、ひとつに対して深く考えろ」というのをよく言われていて、それを研修旅行を通して発見してほしいと思うんですよね。

――ただ、企画力を鍛えるならほかにも方法はあると思うんですよね。この研修旅行は割とお金もかかっているし、労力をかけてやっていて客観的に見ると結構やばい旅行――それなりにリスクがあるとも思われるんですが、それでもなぜ、やっているのだと思いますか。

朽方:まずは社内の部署間のコミュニケーションを深めるっていうことが前提にあるかと思います。チームわけは同じ部署でかぶることもありますが大体はバラけて違う部署の方と一緒になり、その人たちが普段している仕事やプライベートについて旅行を通して話すことで、「この人はこんなこと考えてるんだな」ということを理解し合うことが、目的としてあると思います。ここで親睦を深めることで、通常業務でも「この内容ならあの人に聞いたほうがいいかもしれない」っていうことで、業務が円滑に進むんですよ。

2016年最終日熊本に集合

石井:私は、若手のスタッフがリーダーになって発信する場は、通常業務だとなかなかないので、それを発揮する場なんだとも思いました。もちろん部署間のコミュニケーションもそうですが、例えば入社2年目の若手スタッフが会議のリーダーになることはなかなかありませんよね。この研修旅行では、若手が責任感をもって、打ち合わせのブッキングをしたりプランやプレゼンへの情報収集など、リーダーとしてチームの運営を進めて、人をまとめる経験をするための練習というか、場として提供しているのかなと感じました。

藤原:例えばうちのビジネスは住宅地を開発して家を作って販売することがメインですが、「かっこいい家を作るためにはどうするの?」という時に、普通ならばかっこいい家を見に行ったり、美術館に行って情報を集めて仕事に投影すればいい、となると思います。
 ですが、結局弊社が売っていきたいのはそうしたハード面を作り上げることもそうですが、ソフト面での作り込みも重要だと考えていて。住宅におけるストーリーを作り上げるときに、その発想は、各担当スタッフが情報を集めて会議室で打ち合わせすることじゃなくて、みんなが心を開放できる楽しい場――旅行だと思うんですけど――その遊びの中からアイデアを見つけて最終的にビジネスにもつなげていくのが、こうした難しい企画をする目的ですよね。そうすることで会社全体のチーム力もあげて、縦割りじゃない人間関係の中で、考え方や会社の理念を共有できるといったところが大きいと思っています。


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