滞独日記「長々連れ添ったカメラとレンズとお別れ」
先日、長年連れ添ったカメラとレンズを譲ることになりました。
いまカメラ屋さんにいくと、たくさんのカメラやレンズが売っていますよね。
これだけ多くの選択肢がある中で、ぼくはあえてマニュアルフォーカスのレンズで、いろんなお仕事をやらせてもらう時期がありました。
なぜかというと、じぶんが何を想い、どう見ているのかを、機械に委ねずその手綱を握ることが大切だったからです。
「どんな写真が好きなの?」と聞かれたら、撮った人の見方を体験できる写真、撮った人が何を想っていたのか想像させられる写真だと、今でもぼくは答えるはずです。
この湖で漁をする人の暮らしは百余年前から続いてきたのだろう…
いまぼくの目の前で懸命に働くこの人の営みが続いていくといいなあ…
彼はいま真剣に話してくれているけれど、ふだんは、この工具で、この椅子にすわって、黙々と作業しているのだろう…
その時々の想いや想像は、やっぱり写真に映ってしまうものです。
このご時世にあえてマニュアルでピント合わせしてきたのは、何を見ようとしているのか自覚しやすい道具がマニュアルレンズだったから。これはフィルム写真が人気になったひとつの要因であるとも思います。
そして、相棒たちよ、新天地で楽しんでください。ありがとう。本当にお世話になりました!
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