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僕の当たり前を変えてくれたバラナシ

「チャイしばきに行かへん?」

クリっとした大きな目と、太く濃い眉のインド人青年に意気揚々と話しかけられました。バリバリの関西弁で。

僕も関西人なので、かろうじて意味は分かりましたが、今どき、この言葉を使う人はあまりいません。

関西の言葉で「茶をしばく」とは、ちょっとカフェとかで休憩しない?という意味で、それとチャイ(インドの紅茶)をかけてそのインド人青年は、言ったのだと思います。

衝撃的なつかみでしたが、思えば、このバラナシという地に辿り着く前から呆気にとられることばかりでした。

寝心地の悪いベッドから目を覚まし、スマホの時計を見ると、ハッとします。

「到着時間過ぎてる! 乗り過ごしてしまったかも、、」

消沈しながらも、一応、地図アプリで現在地を見てみると、

「半分も行っていない、、?」

かれこれ、10時間ほど遅れて寝台列車はバラナシへ到着します。

そんなスタートでしたから、バラナシに着いてからも色んな出来事がありました。

それは、これまで自分が生きている中の「当たり前」を変えてくれ、世界の面白さを伝えてくれた経験でもあります。

そもそもバラナシとはインド北部のガンジス川沿い位置し、ヒンドゥー教の聖地として知られていて、インド国内外から、多くの巡礼者や観光客を集めるインドの大都市です。

「インドに行けば、価値観が変わる」

この謳い文句はよく言われていて、どれほど価値観が変わるのか、興味があったことがインドに行った理由の一つでもあります。

まぁ色々ありました。

人1人か2人しか通れない道のど真ん中に牛がいて全く動かない。急にマッサージしてきて、お金を要求。急に案内してきたと思ったら、シルク販売店へ誘導される。
毎日のように死体が運ばれては、燃やされ、遺灰をガンジス川へ流す。腹壊す。
など。

日本では間違いなく、経験できないことがたくさんありました。

自分の価値観が一変する、ということはありませんでしたが、確実に僕の感覚に変化をもたらしています。

これまで当たり前だと思っていたこと(列車は予定時刻に必ずくるとか)が全く通用しない場所があるんだ、と知り、受け入れることで、寛容な心が育まれていきます。

こんな世界、やり方があるんだから、あんまり気にしすぎる必要もないんだな、と、少し自分にも、やさしくなれたような気がします。

どこにいても、違う考えや価値観を否定するのではなく、自分に取り入れなくても、理解し受け入れる、「そんな考えもあるんだな」ってひと呼吸おいてみると視野が広がると、インド旅から教えてもらいました。

こんな経験があるから僕は旅を辞められないんだと思います。

今日はこの辺で。ありがとうございました。








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