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テクノロジー色が強いからこそ、デザインの価値が試される

Takumi Tonosaki

bitFlyer Blockchain でデザインマネージャーをしている外崎です。ブロックチェーンと聞くとテクノロジーの話だと思われるかもしれませんが、当社では高度なテクノロジーをいかに価値としてお客様に届けるかを考えています。そのためにデザインの力が大きく貢献すると強く信じているので、今回はそんなデザインの取り組みを紹介します!

バラバラだったアウトプットやデザイナーが少ない状態

私がデザインチームに入った段階ではグループ全体として以下のような課題がありました。

・リテラシーの高い人向けの複雑なデザイン
・アウトプットに統一感がない
・デザイナーがプロダクトによってはいない(リソース不足)

特に急成長が求められるスタートアップでは、このようにデザインの一貫性やそもそもデザイナーを開発フローに含めないということは起こりがちです。当社もグループとして展開している事業や規模に対してデザインリソースは不足している状態でした。一定数の採用は並行して行うものの、人を増やすことでマネジメントやコミュニケーションを含めたコストがかかってきます。少ないリソースでいかに足並みをそろえて、ビジネスやエンジニアと共にスピードを持った開発ができるかがポイントでした。

まずは指針となる「 Design Value 」を決める

デザインも会社と同様にビジョンがとても大切です。デザインに力を入れている会社は「 Design Principle 」や「 Design Value 」と呼ばれるデザインの指針や価値観を定義しています。私たちも「 bitFlyer としてどんなデザインを作っていくのか?」その指針としての「Design Value」を作ることにしました。

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Design Value作成までのステップ

特にユーザー体験の部分はビジネスに直結するもの。デザイナーだけでなく、プロダクトに関わる全員が同じ意識を持って欲しかったのでビジネス・エンジニアを巻き込みつつ進めました。具体的に行ったステップを紹介していきます。

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1.キーワード出し

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最初のステップとして、「どんな体験をさせたいか?」「どんなUIやビジュアルが良いのか?」をお題にキーワードをブレストしていきます。言葉は違えど意味として似たようなキーワードはどんどんグルーピングしていきます。上の図がグルーピング後のキーワード群になります。

2.キーワードをイメージボード化

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次にキーワードをよりデザインとして具体化していくために、そのキーワードをテーマにイメージボードを作っていきます。例えば「シームレス」と一言で言っても、人によって解釈は様々なので「シームレス」を体現しているプロダクトやデザインなどを集めてボードにまとめていきます。

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実際にまとめたその他のキーワードのイメージボード。わかりやすく極端な事例で進められるとデザイナー以外にもわかりやすい。

3.イメージボードで現場やマネジメントとすり合わせ

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作成したイメージボードを見ながら、現場やマネジメントと一緒にキーワードと実際のデザインイメージをすり合わせをしていきます。ボードにまとめたモノのデザイン的な背景(どういうところや意図でデザインされているのか?ビジネスにどのようなインパクトを与えるのか?)を説明できると他の職種の人にもデザインのことを知ってもらえたりします!最後は複数の案に投票してもらい現場の大枠を決めていきます。

4.決定!ガイドラインにまとめる

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現場で固まった素案を経営層や取締役会議に通し、最終的には「Simple」「Universal」「Intuitive」という3つに決まりました。これは今できていることというよりは、「目指したい方向だけど、特に課題感が強かった」ところがキーワードとして決まった気がします。例えば当社グループの場合はアメリカやヨーロッパにサービスを展開しているので、「世界中の人が直感的に使えるようにしなきゃね」とか、現状どうしても仕組みが難しいからテキストを使ってごちゃごちゃしがちな部分に対しては、「図やアイコンで伝えられるところは表現していこう」などの議論や意図で設定しています。

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ガイドラインとしてまとめて誰でも見返せるようにしていく。初版は統一感のなかったカラーやフォント、ロゴなどの基本的な要素もセットでまとめていった。

決まったバリューは運用していくために、カラーやフォントなどベースとなるデザインルールと一緒にガイドラインとしてまとめています

こうしたデザインの活動には現場やマネジメントの理解がとても大切で、この活動に協力してくれたデザイナーや現場のメンバーや経営層にはとても感謝しています。

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一生懸命カラーをチェックする当社代表の加納さん。デザインを浸透させるためには、現場や経営層の理解が大切。

次回は今回決めた「Design Value」を具体的にプロダクトやデザインに落とし込んでいくプロセスをご紹介します。


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