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ショッピングウォール

僕は今、ウガンダに来ています。ケニアのビザがクリスマスで切れるので、ビザ更新もかねて陸路でウガンダにかち込みました。

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夜22時発のバスで出発し、首都のカンパラについたのは朝6時。国境が不安でしたが、事前にe-VISAで東アフリカビザを申請していたので結構スムーズにいきました。東アフリカビザは、ケニア・ルワンダ・ウガンダ間で最大三か月間有効なビザです。シングルエントリーと違って、いちいち国境をまたぐたびにビザを発行せずに済みます。

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カンパラに来るまで二度ほどバスを乗り継ぎました。まず一度目は僕の住んでいる島の一番近くの町、Mbitaからケニアで三番目に大きな都市と言われるKisumuまで。そこまでいかないとカンパラまで行くバスがないのです。そこからまたバスに乗ってやっとカンパラですね。

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この道中寄ったKisumuという街はケニア三番目の都市と言われるだけあって結構都会です。ケンタッキーとか、大きなショッピングモールとか普通にあります。ケンタッキー久しぶりに食べて泣きそうになってました。資本主義の味が口いっぱいに広がって弾けました。うめぇ…

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ショッピングモールも久しぶりに入ったらもう鳥肌もんですよ。何でもあるし、クリスマスツリー飾ってあってああもうそんな季節か、いやケニア季節感ゼロすぎん?とか一人で思ってたらカップ麺見つけるし。なんだここは天国か。地元の生協来た気分ですよ。テンション上がって衣料品コーナーのにおいハスハスして写真までパシャパシャ撮っちゃいました。これ日本帰ったら俺どうなるんだろうとか思いつつ。

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うわーうわーつぶやきながら歩き回っていて気付いたことは、バスで4時間ちょっと行けば、格差が如実に表れるということ。こんなに立派なショッピングモール、島にはありません。ここで冷蔵されてきれいに並べられているお肉は、島ではただ吊り下げられているだけでハエがたかり放題。商品だってこんなにバリエーション豊富じゃない。レジなんてない。

あれ?ここ同じ国なの?ってすごく感じました。もちろんそういう格差はKisumu内にもあって、ショッピングモールから数分歩いたところに行けば、ちっちゃいトタン屋根のお店がずらりずらり並んでいて、島と全く同じなんですけどね。

そして自分がどちらが居心地がいいかと問われれば、間違いなく、もうこれショッピングモール、そして今ウガンダの首都のカンパラにいて思いますけど、ショッピングモールなんですよね。僕が居心地良いと感じるのは。島には島の良さがあるんですが、やっぱり自分は近代化された側の人間だなって。言葉にはできない安心感というか、あ~帰ってきたみたいなものを感じてしまって。

なんですかね。別に開発仕事にしたいからって農村部に住まなきゃいけないというわけでは全然ないと思うし、僕はもちろん農村部の生活も好きなんですけど、なんか、悲しいんですよね。自分と農村部の間に壁を感じてしまうというか。。。壁の向こうに一時的に身を置くことはできても、きっと足元から根っこが生えたみたいにに僕はショッピングモールにとらわれていて、決して向こう側に根を下ろすことはできない孤独感というか。

自分がこっちに関わることのできる時間なんて、住んでいる人からしたら人生の中のほんの一瞬になるかもしれない、って考えると、わかっちゃいるけど悲しいというか。僕には僕のやりたいことがここに住む以外にもいっぱいあって。それは結婚して子どもの成長を見守ることだったり、時間を経てきっとほかにもたくさん見つかるもの。一つの場所に留まってジッとしていられない性分なので余計にそう思います。

そもそもなんでこんなことを思い出したのかもわからないんですけどね。なんかショッピングモールに足を踏み入れて歩き回るうちに、ケニアの格差と、自分がほんとうはどこに属しているかを考えてしまってなんとなく悲しくなってしまったのでした。なんでですかね。

今日からウガンダ旅行が始まります。メインで滞在するカンパラは都会です。車やバイクの往来、雑踏、コンクリートを踏むたび足を伝わる安心感。ショッピングモールのにおいと一緒に吸い込む安堵感。うーん。

やっぱり僕は、ショッピングモールの人間です。

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熊谷拓己
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