2021年派遣求人トレンド:派遣先の採用動向は?

 ■2020年度の日本経済、大幅に落ち込む

 2020年度の日本の実質国内総生産(GDP)は、新型コロナウイルスの流行で、4.6%減とリーマンショック時の3.6%減を超え、戦後最大のマイナスとなりました。2021年1~3月期のGDPも年率換算で5.1%減と、さらに落ち込んでいます。

 GDPとは、一定期間内に、国内で産出された付加価値の総額をいいます。シンプルに例えるなら、付加価値とは、「儲け」のことです。

 2020年4~6月期は、第1回目の緊急事態宣言による経済活動の抑制で、前期比年率28.6%減少しました。その後、「GoToキャンペーン」などの政策で個人消費が一時盛り上がったことは、ご承知の通りです。その影響で、7~9月期、10~12月期は2ケタのプラス成長を記録しましたが、年明け以降は、感染拡大で3回目の緊急事態宣言が発令され、再びマイナス成長に転じました。

 2021年4~6月期のGDP予測平均値は、緊急事態宣言の延長もあり、マイナス成長が続くと予測されます。

 ■2021年1~3月期の派遣労働者数が減少

 日本人材派遣協会は、2021年1~3月期派遣労働者の実稼働者数が、前年同期比5.1%減だったことを発表しました。リーマンショック後(2009年1~3月から2013年4~6月)以来、4四半期連続で前年を下回りました。

 業種別では、「機器操作」12.9%減、「財務」10.7%減、「販売」28.4%減など前年を下回る一方で、「一般事務」は5.3%増、軽作業が2.8%増えました。

 ■派遣求人状況について

 エン派遣の「派遣の求人状況」実態調査2021によると、最近の求人状況は、「以前より厳しくなっている」と感じている割合が、2019年の16%から2021年には38%と上昇しています。「仕事の情報件数が減っている」、「選考に進みにくくなった」、「未経験でチャレンジできる求人が減った」、「求められる資格やスキルが上がっている」などが、厳しくなっていると感じる理由です。

 エン転職に掲載された「経験者歓迎」の求人も2020年1月~6月の27%から、2020年7月~12月には、45%と18%増加しています。派遣だけでなく正社員の求人でも経験者採用を行う企業が増える一方で、「未経験者層」の競争率は低下しています。

 今まで、人手不足のため派遣先に未経験者層を受け入れてもらっていた派遣会社は、新規案件獲得に苦戦しています。そのため、売り上げが伸びず成長が鈍化しているところが増えています。新型コロナ感染の影響が長引けば、既存の派遣社員の派遣契約更新がされずに、売上が減少する可能性があります。

 将来的には、労働人口の減少や高齢化に伴い、人手不足による需要が見込まれるものの、一度、雇用関係を終了させてしまうと、そのスタッフは、戻ってこないため、派遣会社の成長を阻害することになります。

 ■派遣会社がとるべき対策

 派遣先がいくら経験者を採用したいと考えても、経験者層は決して多くありません。派遣会社が注目したいのは、「未経験優秀層」です。「未経験優秀層」とは、コミュニケーション能力が高い人や、主体的に学ぶ意志が強い人など職種に関わらず活かせる能力が高い人材を指します。

 同一労働同一賃金制度の導入後、派遣会社の皆さんと昇給のお話をすることが増えましたが、多くの方が、「派遣社員の仕事は、定型業務が主で、仕事の幅が広がらない。毎年、同じ内容の仕事を繰り返しているだけで、昇給つまり派遣料金交渉はできないと思っている」とおっしゃいます。

 派遣社員もそのように感じているはず、と半ばあきらめているようにも感じます。派遣社員もあきらめてしまっている場合は、難しいのですが、集合研修形式行ったキャリアアップ教育時に派遣社員の意識を確かめると、一定数、「未経験優秀層」になる可能性がある人がいます。

 話をしてみると向上心をもって、今後のキャリアプランを考えたいと相談にくるスタッフがいるのです。そういうスタッフを「未経験優秀層」に育てることが、派遣会社がとるべき対策の一つなのです。ぜひ、トライしてみていただきたいと思います。

 ■未経験優秀層の発掘をするためには現状のスキル把握が重要

 皆さんは、派遣社員のスキル把握ができていますか?例えば、コミュニケーション力が高い人は、どのようなスキルを持っているのでしょうか。スキルには、テクニカルスキル(業務スキル)とヒューマンスキル(人間力)がありますが、まずは、業務スキルが高くなければ、相手と自信をもってコミュニケーションすることができません。

 事務系の職種であれば、タイピングスピードやOfficeソフトのスキルを把握しましょう。具体的にどの程度のランクなのか、そのスキルを向上させる意思はどの程度あるのか、向上させるためには派遣会社としてどのようなサポートができるのか、考えてみましょう。

 ■スキルチェックツール「SkillAnalyst ASP版」のご紹介

 SkillAnalyst(スキルアナリスト)とは、ビジネススキルやパソコンスキルを簡単かつ正確に判断できるソフトです。SkillAnalyst ASP版は、インターネット環境が整っていれば、今まで登録時に行っていた派遣社員のスキルチェックを派遣社員の自宅でも利用できるようにしたものです。さらに2019年からは、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用できるようになり、パソコンを持っていないスタッフにも簡単にスキルチェックしてもらうことができます。

 SkillAnalystでは、Office操作スキルの他に、適性検査として「社会人基礎力」の測定や、ビジネスマナー等のビジネススキル、タイピングスキル、会社独自のオリジナル問題作成などの機能があります。まだ、スキルチェックツールを導入されていない方は、ぜひこの機会にご検討ください。

 SkillAnalyst ASP版は、年間55,000円(税別)からご利用いただけます。詳しくは、下記ページをご覧ください。デモ環境をご提供しますので、お気軽にお問い合わせください。

 ⇒ http://www.takumi-sol.com/skill/asp.html

  ■契約書診断サービスのご案内

 契約書の内容に不安を感じられる方は、まず契約書を、匠ソリューションズにお送りください。問題があるかないか診断させて頂きます。

 診断報告書の作成までは、無料で行っています。是正指導の確率が高い場合は、診断結果を踏まえ、具体的な改善点と改善方法について、コンサルティングさせていただきます。

 無料で診断する契約書は、①労働者派遣契約書、②派遣先への通知、③労働条件通知(兼)就業条件明示書、⑤派遣元管理台帳、⑥派遣先管理台帳、の5点(1パターン)とさせていただきます。

 「契約書診断コンサルティング」では、不備のある箇所を、具体的にどのように修正すればよいかご指導させていただきます。契約書内容にご不安をお持ちの方は、まずは、契約書診断をご活用ください。

 <<契約書診断コンサルティング費用(税込)>>
 一般:1回 49,500円(税込)  BP会会員:1回 38,500円(税込)
 ※ 修正内容を具体的に記した「診断レポート」をメールにてお送りします。
 ※ 訪問による説明が必要な場合は、別途訪問時基本料金と交通費が必要となります。

 別途お見積もりさせていただきます。

 ◆オプション:「労働者派遣基本契約書診断」

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 費用(税込):一般16,500円  BP会会員11,000円

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 ・お預かりした契約書は、契約内容のチェックの目的としてのみ使用します。
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