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【日報8/4】Saasスタートアップがハマる、トライアル無料提供の罠と3つの対策法

Saasのスタートアップ経営者、学生起業家、スタートアップの営業部長の為のnoteを書いています。

今日のテーマ
Saasのトライアル導入の陥りやすい罠とその対策法に関して

みなさんのsaas商品は適切なトライアル提供ができていますか?
===
・トライアルはやってくれるけど本導入に繋がらない
・トライアル導入の後に料金を取る打診がしにくい
・トライアル検証に工数が取られすぎている
こんな悩みはありませんか?
===

スタートアップ立ち上げ期においては
トライアル導入の使い方を制することが事業の成功には不可欠です。

このnoteを読めば明日からトライアル提供で陥りがちな
罠を回避することができます!


*トライアル導入とは、実際の機能や、使用感、競合比較のためにある一定の期間の導入を無料、または値引きをした上で導入をすることである。

トライアル導入で必ず守らなければいけない
点は3つあります。 

1、トライアルの検証成功の定義を具体性を持って握る。

2、本導入時の金額、導入アカウント数を握る。

3、簡易的な契約書を握る。

これらの3つが成功できれば、トライアル導入の本来の目的である、本導入時に費用をありきの決済ができるようになりますし、仮にトライアルで失敗をしてもその工数が無駄にならずPDCAを回すことができます。

1、トライアルの検証成功の定義を具体性を持って握る。

スタートアップ企業の最初の営業になると、知人の紹介や、VCからの案件紹介といった紹介経由での受注、またはトライアルが多くなります。この際に、なあなあでの無料トライアル導入を進めてしまうケースが非常に増えます。短期的には使ってもらってフィードバックをもらうというメリットが享受できますが、長期的になってくると非常に工数が取られる可能性があります。結論から言うと、トライアルでどういった状態になったら本導入する(費用を発生させるか)といったゴールの認識を明確に組めない限りはトライアルをやらないのがベストです。そういった案件は本導入に至らず99%流れる可能性が極めて高いからです。お互いにゴールを持たないで始めたゲームなので、急に課金をするといっても「聞いてないよ!!」といった話になる。また、サービス提供会社からしても非常に打診がしにくく工数を一方的に発生させる状態になります。

そんな時は下記の内容を参考にがっつりと事前に握りましょう。

case1:数字での効果検証ができる場合 
      例)CVRの改善、IMPの増加、予約数の増加、売り上げの増加
   握り方:1ヶ月検証して、CVRがサービス導入前よりも
       1.3倍になったら本導入をする。
case2:数字での効果検証が難しい場合
   例)シフト管理サービス、入力工数削減系のサービス
   握り方:1ヶ月後の社員アンケート結果で満足度が
       4以上になった場合に本導入を決定する。
case3:上記2つで握れない場合
   →導入から1ヶ月後に必ず話し合いの場を設ける。

基本的にはcase1の数字で握るのがBESTです。達したら本導入、未達なら失注。失注にしたくない場合は、今後の改善計画を含めて再交渉。が鉄板の流れです。誰も傷つかず、無料トライアルにスタートアップの貴重な人的リソースを投下することもありません。

case2はかなり発生すると思います。例えば、前職ではチャットボットのsaasサービスを販売していましたが、CVRの向上+現場の感想を元に判断したいという企業様が結構ありました。特にレガシーな業界様や、エモーショナルに導入を進められる企業様はそういったご要望が多かったです。その際に定性的なところを定量に変換するといった作業が非常にお互いの納得感のいくものでした。定量+定性といった組み合わせの場合はできるだけ全てを定量に変換するべきですが、結果が出ればやる。といった企業様が実態としてはほとんどだと思います。
case3も実態として、30%くらいはあると思います。今後の展開計画が定まっていない企業様。ツールの選定に慣れていない企業様などは握られることを非常に嫌がります。そんな時は強引に握りにいこうとせずに確実に流れないように話し合いの場を設けるといったところで落ち着けるのも1つの手です。

全てをロジカルに握れる世界がビジネスではないので、顧客の人間性も理解した上で最適なトライアルの握りを選択しましょう。

また、スタートアップにおいては1人の営業マンのリソースが生死を分けるので、トライアルに工数が取られている顧客の場合はすぐに失注にするといった判断も冷徹にやっていく必要があります。

2、本導入時の金額、導入アカウント数を握る。

さて、ここまではトライアルに臨む段階までをまでを書いてきましたが、最も大事なのは本導入でどれだけのMRRを積むことができるかです。そもそもここの展開余地が無い顧客に関してはトライアルを提供する価値はありません。ですので、実態として、どれくらいのアカウント数が握れるのかは事前商談時に確認をしておきましょう。ここの数に関しては、「まだわからない」「今後の拡大の計画が組めていない」といった顧客が散見されると思いますが、ある程度決め打ちでもアカウント数を想定しておきましょう。そうしないとトライアルの優先順位、与件の傾斜管理ができずに営業戦略上最適な打ち手が実施できなくなります。

与件の管理の話はこちらで記載しております。

参考までにですが、下記のような形でトライアル後に現実的にどのくらい導入余地があるのかは全てスプレッドシートに一覧化をしております。

スクリーンショット 2021-08-03 23.13.46

さらにこの数値に上記のnoteに記載のある傾斜管理をすることにより、実態として今やっているトライアルはどのくらいのMRRを生むのかといった指標で可視化ができるため、本来の案件の優先順位をつけて運用をすることが可能となります。

このような実態としての優先順位づけをするためにも必ず本導入時の展開規模は握っておきましょう。分からなければ、概算からの決め打ちで問題ありません。

3、簡易的な契約を握る。

あとは非常にシンプルですが、ここまでの握りを必ず契約書ベースで認識を取っておきましょう。スタートアップにありがちだとは思いますが、契約書を巻く工数が無くとりあえずアカウント発行をする。などがあるかと思いますが、先ほどの事前の成功の握り、成功時の展開の握りは全て書面で残しておきましょう。スタートアップでそこまで契約工数をかけられない場合は、メール書面での締結でも拘束力があるため(*状況によるので弁護士に確認ください)、メールでテンプレートを用意して契約を締結するでも問題ありません。

トライアル期間が終わって、揉めることがないように知人の紹介でもアウトバンドでも変わらず一律の対応フローを組みましょう。スタートアップ立ち上げ期の例外は、拡大期になって組織に弊害をもたらすことがあるのでできるだけ早めにトライアルのフローを整備しましょう!


まとめ
Saasのトライアル導入時に必ず握るべきこと3つ

1、トライアルの検証成功の定義を具体性を持って握る。
  →お互いに成功のイメージを持って、トライアルを提供しましょう。
   定量的な握りが最も好ましいですがビジネスには定性面も大事です。
   顧客によって使い分けをして、信頼を高めましょう!

2、本導入時の金額、導入アカウント数を握る。
  →トライアルのそもそもの目的を忘れないでください!
   本導入時の展開規模が見込めないトライアルは無駄な工数です。
   スタートアップの貴重なリソースを最適な案件のみに回しましょう!

3、簡易的な契約書を握る。
  →基本のキですが、トライアル時にしっかりと握りましょう!
   起業当初の最初の負債は後々痛手になってきます。
   トライアルフローを最速で整備しましょう!


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私もまだまだ未熟者ですが日々、本当に使える営業ノウハウを
実践しながらスタートアップで頑張っています。

それでは、また明日お会いしましょう。
see u next note.

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