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災害に強い家をつくる秘訣?

こんにちは。

一級建築士のtakumiです。


家づくりでは、災害に対する対策も大切な要素です。

今回は、災害時における「避難」について、解説したいと思います。

いくら耐震性が抜群でも、火災の発生では避難性が遅れることにより、危険な状態になることもあります。


◆「二方向」に避難ができるか

避難について、基本的には1階も2階も「二方向避難」が必要です。
(※法的には戸建て住宅は二方向避難までは求められていません。)

火が出た方向には逃げられませんから、反対方向に避難することが求められます。

1階だと、玄関扉や掃き出し窓を始め、勝手口がある場合もあり、腰窓でも何とか脱出できます。

これが、上階となると簡単には二方向に避難はできなくなります。


2階だとまだ窓からの「脱出」も可能ですが、3階となると、飛び降りると大怪我しますからね。

ですので、基本的には2階や3階では、「階段の反対にバルコニー」があることがベターです。

※このような感じですね↓↓↓

2階の二方向避難の事例

階段での避難が難しいときには、バルコニーへ避難して、消防隊などの救助を待つというのが正解ですね。


◆小屋裏収納の落とし穴

建築基準法では、「居室(きょしつ)」と呼ばれる人が生活や執務をする部屋は、健康的で安全であるための基準が色々あります。

よく、「小屋裏部屋やロフトを遊び場や寝室にする」という話も聞きますが、注意が必要です。

建築基準法で、面積や階への算入が不要な「小屋裏収納」というのがありますが、こちらは居室にはしてはいけない決まりとなっています。

収納なので採光のや換気の窓もいりませんし、空気の入れ替えも不要です。

特に、小屋裏収納を寝室にすると避難がしにくいことがあるのでタブーです。



◆窓の重要性

火災になると一酸化炭素が発生します。

その一酸化炭素中毒により、死亡するケースがとても多いため、すぐに換気・排煙ができる窓はとても大切です。

最近は、全館空調や熱交換型の換気扇を採用すると、

「適切な空調管理のためには窓の換気は不要なので開く窓は最低限でいいです」

なんて言う設計士もいるようですが、震災や火災時には「停電」することが多く、機械換気では役にたちません。

また、真夏に停電が続くと、窓換気ができない家は生活ができません。

停電か続くと中廊下や窓のない階段は暗くて懐中電灯が無いと歩けなくなります。

階段や廊下も可能な限り自然採光できるように窓を設けて日中は明るくすることは、災害の際にも役立ちます。



◆家具の固定

大地震の際、家具が転倒することにより死傷することはよく言われていることですね。

直に人に当たらなくても、転倒した家具により避難が困難になることもありますから、家具の固定はとても重要なことです。

家具の転倒防止では下図のような突っ張り棒や、最近は家具の下に防振ゴムを敷くような商品もありますが、大地震では効果が見込めないこともあります。

家具の突っ張り棒


ですので、やはり金具で壁に固定してしまうのが一番です。

家具を固定する際に注意することは、家の壁は下地がないところは12mmの石膏ボードしかなく「スカスカ」だということです。
⇒壁の下地補強のInstagram

柱や間柱は45cm間隔に入っていますので、丁度その場所に家具が来れば良いのですが、ズレているとスカスカの石膏ボードしかありません。

そのため、家具を置く場所には壁の下地補強をしておいてもらうとベターです。

下地補強の事例


◆ブロックでの土留めは危険

道路~土地に高低差のある土地では、「土留め」と言われる段差の処理がなされています。

この段差は通常、鉄筋コンクリートの擁壁でなされるのですが、コスト削減のために塀に使われるコンクリートブロックで処理されいることがあります。

通常のコンクリートブロックは、塀には利用されますが土圧を受けるように作られていません。

コンクリートブロックで段差処理することが全てダメではなく、高低差が1メートル程度までならそれほど問題ではありません。

しかし、高さが1メートルを超えてくると土の圧力に耐えられなくなることや、地震で崩れる可能性が高くなりますから、コンクリートブロックを使用することは危険となります。

危険なブロック土留めの事例


◆家づくりの勉強

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