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なぜ日本はドイツよりも生産性が低いと言われてしまうのか?〜現地で働いてみて感じたコト〜

皆さんこんにちは。
ベルリン在住でフリーランスの映像制作をしているTakumaです。

今日は僕がドイツに住んでいて感じる生産性について少しお話ししたいと思います。


ドイツ人の方が日本人よりも効率的に働いてるってホント?

※先に言っておきますが、数字やデータを用いた分析ではなく、あくまで自分がドイツの現地に住んでいて感じる所感なので、そのあたりはご了承いただけますと幸いです。

はじめに結論から言っておきますが、日本人の方がドイツ人よりも劣っているということはないと考えます。

よくニュースやバラエティ番組などでも取り上げられることの多い話題にはなりますが、時間あたりの生産性が日本は低いという風によく言われていますよね。

僕も日本に住んでいた頃はなんとなく
「ふ〜ん、そうなんだ。日本人ももうちょっと頑張らないといけないんだな」
「ドイツ人ってそんなに効率的に仕事してるんだな」
と考えていました。

ただ、実際に僕がドイツに移り住んで 少し違った視点で考えるようになりました。


一部正解で一部不正解 というのが、結論

です。

では、まずは『正解』の部分から
※今回の核になる『不正解』だけ確認したい方は飛ばしてもらってOKです。



仕事とプライベートに対する意識の違い

共通認識のある時間のマネージメント

こっちに来て感じるのはドイツ人はやはり家族との時間などを大切にしているという風に感じています。 そして、職場の人たちが同じ共通認識を持っていて、家族との時間を大切にしたいと考えているので、仕事を就業時間内に切り上げるという考え方はお互いに認められているように感じます。

日本人ももちろん 家族と時間を大切にしたいと考えてる人は多いと思います。しかし、同じプロジェクトに関わっている人たちが遅くまで頑張っているから自分だけ先に帰るわけにはいかず、手伝って残業してしまうというところがあると思います。

ここは文化的に根付いている部分 なので、すぐに改革するというのは難しい部分なのかもしれませんね。

時間に対する意識に関しては先ほど上記で述べたように、就業時間内で仕事を終わらせて家族との時間を大切にしたいという思いが強いと思います。
ここが時間のマネージメントの根源に繋がっていると思います。

会議に関してはヨーロッパは忖度なく思ったことを言うというところが おそらく効率化につながっている気がします。
「この会議って本当に必要なのか?」って感じることってよくありますよね。 大人数いても発言する人は数人しかおらず、他の人はただ黙々と資料を黙って呼んでるだけみたいな光景はよく日本で目にしますよね。ただ資料をみんなで読み返すだけの会みたいな、、

教育の仕組みによって生まれる違い?

こういった部分に関しては、少し日本の学校教育に関わってくることもあるのかなと思います。
日本は先生が基本的に教団の上に立って一方的に知識を伝えるという形式で 教育していることが多く、日本人もそれに慣れていると思います。

しかし、ヨーロッパではそれと比較すると 意見をお互いに述べ合って議論をする回数が多く 慣れている人が多いんじゃないかなと思います。

 僕が日本の大学とドイツの大学をしている経験からすると、 そもそもの教室の配置が大きく異なります。

日本では全ての机が黒板に向かって一律の方向に並んでいると思いますが、ドイツの場合は コの字型であったり、四角形に机が並んでるケースっていうのが多いと思います。

初めから 議論ありきで環境が作られているという感じですね。

これに関しては、メリットデメリットあると思います。

僕が映像の学校に通った時は、上記に述べたようなコの字型に机が配置されていて、 議論する機会も多かったんですが、個人的な感想としてはせっかく学ぶという時間を費やしているのだからプロの人からノウハウを学びたいな という気持ちはありました。

なぜかというと自分と同じ立場の生徒から意見を交わすことによって確かに多少の学びはあると思いますが、同じ時間を費やしているのであればプロフェッショナルである先生からどんどん知識を吸収した方が効率は良いだろうという点でした。


最後にここが今回一番述べたい部分です。

正直なところ、こっちに住んでいて ドイツ人が日本人と比べて圧倒的に効率よく働いているなと感じたことはありません。日本人のサービスや技術の高さは誇るべきものだと思います。

では、なぜ日本の時間あたりの生産性が悪くて、 ドイツの生産性が高いのか。

この疑問に対する主要な要因が、これだと僕は思ってます。 

それは 消費者の意識とサービスの質という点に行き着くと感じる。

例えば、スーパーに行った時の話をするとしましょう。

ドイツの場合は有料のレジ袋を買った際でもレジの横で自分で袋に詰めていきますが、日本だとレジのスタッフが袋に入れてくれるスーパーも多いですよね。
またこういったサービスだけにかかわらず、接客に関しても日本ほど丁寧に接客する国はなかなかないと思います。

つまり 何が言いたいかというと日本は質の高いサービスを安売りしてる。
言い換えれば仕事が丁寧ということですが、 ドイツと日本とでは同じ100円の売り上げを受け取ったとしても、ドイツは 80点のパフォーマンスの価値を提供し、日本は120点の価値を目指すというところでしょうか。

アパレルブランドや車のディーラーなどの接客店員も最後にお店の外まで見送ったり、すごく丁寧ですよね。

その背景としては消費者の意識もあると思います。
ドイツに関しては、 消費者・顧客自体もそもそもの期待値が低いと感じます。

サービスに関してそこまで大きな期待をしていないので、 たとえ質の低いサービスを受けたとしても、「まあこんなもんか」というノリで済ますケースが多いです。

もちろん富裕層向けのサービスを提供している企業などはまた話は違ってくると思いますが、欧米では受け取った対価に対してそれ相応の接客やサービスを提供するというイメージがありますが、日本は比較的どの客層に向けてもある程度の高いサービスを提供したいという意識があり、その背景として顧客が高いサービスの質を求めているという風に感じています。

ただ、ここに関しては、競合との兼ね合いが発生してくるのでなかなか改革するのも難しいと思います。
日本で価格相応のサービスまで下げようと思うと競合との競争に負けて廃業に追い込まれるという状況にもなると思うので、なかなか難しい問題ですよね。

 しかし、そこが日本がドイツと比べると非効率に働いているというところだと思います。


みなさん、いかがだったでしょうか?

もちろん業種や企業によって今回述べた内容と大きく異なることがあるとは思いますが、一般論としては結構当てはまってるんじゃないかなと感じています。


それではまた!


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