「AirPods Proは音質が」と言うなら、Beats Solo Proも買ったらいいじゃない
まさかの同日発売
ワイヤレス＆ノイズキャンセリングイヤフォンのAirPods Proと、
ワイヤレス＆ノイズキャンセリングヘッドフォンのBeats Solo Proが、
なんと、同じ発売日に出てしまいました。
Appleという会社はどんだけサディストなんでしょうか。ひどい。両方買いましたけど。
しかし、Appleがわざわざ2つのブランドを分けて（正確にはBeatsを買収して）モノを売るにはそれなりの理由があるからであり、スピーカーが使えない場所で音を聞くことに対する様々なニーズをすべて満たそうとすると、結局両方必要になるということも改めて理解できました。
AirPods Proの良さは語るまでもなく
まずはAirPods Proです。
いいですね。全く欠点なし。すでにたくさんのレビューがあるので私からはあえて解説することもありません。買うかどうかを考えたり迷ったりするだけ時間の無駄です。
一瞬だけ、「Lightningは勘弁して欲しいなあUSB-Cでしょう」と思ったのも束の間、Qi規格の無線充電ができるから問題ないことに気づきました。ワイヤレスイヤフォンにワイヤ充電を求めるのはナンセンスでした。
一番びっくりしたのは、カナル型なのに軸がないっていうところ。イヤフォンはAirPodsの前にはカナル型のurBeatsを愛用してました。
耳の中に入り込んでくる、この鉄の軸がノイズとカナル疲れを生んでたんですよね。
AirPods Proは、この鉄の軸を無くす代わりにシリコンとその穴を楕円にすることでさりげなく「疑似的な軸」を作ってます。真円にしてしまうと軸として安定しないから楕円。これ、特許ものなんじゃないでしょうか。
音楽をそれほど聴かないビジネスパーソンや学生さんも、すばらしく高性能で快適な耳栓を買うつもりでAirPods Proをポチったらいいです。音楽を再生しなくても、ノイズキャンセルだけしてくれますし。と言ってもたまには音楽聞きますよね？
細かいことですが、ケースが小さいままだったのもよかったですね。前ポケットに入れても気にならないサイズを維持。なんでこれで24時間もバッテリー持つんでしょうか…。
さて、そんな完璧なAirPods Proに対し、ケチをつける人がいらっしゃいます。「いくらノイキャンが良くても、つけ心地が快適でも、iOSと連携がスムーズでも、肝心の音質が大して良くないよね」と。
Beats Solo Proの音質はAirPods Proの2倍は良い
そうおっしゃるあなた。ぜひこれも一緒に買ってください。Beats Solo Proも。
これまで、音質を優先して有線を選んできた私が今回、ヘッドフォンでははじめての無線ワイヤレスにチャレンジ。というのも、AirPods Pro と同じノイズキャンセル機能とH1チップを積むだけでなく、音質にもこだわったとの社長の弁だったからです。
こちらのインタビューではもう少し踏み込んだコメントもしています。
ウッド氏は「振動板だけでなくDSP（信号処理回路）やアンプまで、従来のSoloシリーズからすべてを一新した」として、本機にしか出せないサウンドにこだわったと話しています。Solo Proはワイヤレスリスニング専用のヘッドホンで、サウンドのチューニングはケーブルリスニングとのバランスを揃えることを考えなくて良かったため、「狙い通りのサウンドに追い込めた」とウッド氏が会心の笑みを浮かべながら話していました。
これらのコメントに社長の自信が表れているとおり、音質に関してはAirPods Proの2倍は良いです。ドライバの口径がAirPods Proが大きめに見積もっても8mm 対してSolo Proは40mmと、5倍デカいんだから当たり前ですけどね。
音がすべてクリアですごい。3万円台クラスの他のワイヤレスヘッドフォンではいままで聞こえなかった音域が聞こえます。低音も、Beatsにアンチが多い理由でもある無理にブーストした低音ではありません。5弦ベースのLowB弦のゴリゴリした低音がきちんとした音程とアタック感を伴って再生されます。バスドラムも、皮の張り具合が伝わってくる感じ。耳にうるさくない凛とした音です。
AirPods Proよりも強力なノイズキャンセルによって訪れる静寂、その環境下でヘッドフォンから耳に入力された音が、耳ではなく頭（脳）の真ん中からスタジオクオリティで聞こえて来る。これは新しい”聴覚体験”です。
音質評価の参考になりそうなレビュー・動画を貼っておきます。MKBHDら有名どころのレビュアーが、「今までのBeatsとは違う」と証言しています。
こちらの動画では、中盤から音質特性に関してかなり専門的で細かくレビューしています。
無線がどうしても嫌な人・信じられない人や、DJプレイで有線でつなぎたい方のために、Lightning - 3.5mmケーブルも別売されてます。これも買っておきましょう。
ちょっと面白かったのが、AirPods Proでも評判の「外部音取り込み」モードが、このオンイヤー型のSolo Proにもあるという点。相手から見ればあきらかにヘッドフォンをしていて聞こえないように見えるのに、ヘッドフォンをしている私は相手の声や周りの音が筒抜けで聞こえる。とっても面白い感覚が味わえます。
タイトルのお話に戻ります。「AirPods Proは音質が」と言う方は、そもそもコンパクトさを優先させたイヤフォンに最高の音質まで求めること自体が間違いなのです。そこにこだわるなら、イヤフォンの最上級を探すのではなく、ヘッドフォンを買ったほうが幸せになれます。
ノイキャンが欲しい、それでいてiOSと連携がスムーズで、肝心の音質も最上級であって欲しい。そんな方のために、AirPods Proの上位互換ヘッドフォンとしてのSolo Proが用意されているのですから。
もちろん、携帯性や装着感の軽快さは失われるわけですが、それは「あちらが立てばこちらが立たず」ということだと思います。
音の経験消費
んなこと言われても、同じタイミングでヘッドフォンとイヤフォンを買うのはなぁ…。そう躊躇する理由が「お金」なら、どうぞ石田ゆり子さんに背中を押されてください。
#アナザースカイ 石田ゆり子さんが我々買い専にむけて心強く背中を押すお言葉を話していらっしゃる
— unix_tower (@UnixTower) October 25, 2019
「お金っていう紙をを残すか、経験に替えていくか、なんです」「経験に替えていきたい」 pic.twitter.com/9vRmA7f2WZ
自分の耳がいつまでも若く、いつまでもいい音楽を聞く経験ができると思ったら大間違い。
耳が遠くならない、まだ音を綺麗に聴ける年齢のうちに、耳に優しいノイズキャンセリングイヤフォンとヘッドフォンを買い、TPOによって使い分けながら、良い音楽をたくさん聴く経験をしておきたいと思いました。
ご参考ください。
サポートをご検討くださるなんて、神様のような方ですね…。