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HomePod(2018)は2台購入しないと買ったうちに入らない

Appleユーザーでかつ音楽好きな方であれば、一度は買おうか買うまいか迷うものの、結局誰も買ってないことで有名なHomePod(2018)。

ついに2台目も購入しました。

1台目を買ったときの1stインプレッションからまた印象が変わりましたので、改めてレビューをしておきたいと思います。

フィル・シラーが語っていたHomePodの本質

結論、HomePod1台の状態を100とすれば、2台をステレオペアにしたHomePodの音の良さと感動は500になります。

とにかく2台揃ったときの低音がすごい。この「繭」のような美しい筐体の中でいったい何を揺らしたら、こんなに部屋の空気が震えるのか。

パワーの強さは1台だけのときにも感じられましたが、2台にすると、その低音がパワー任せではなく、なめらかさ・細やかさ・色気まで帯びてきます。コンサートで聞く音楽がそうであるように、耳ではなく、体が音楽を感じて背中がゾクッとします。

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この低音が、7つのツイーター(高音を担当するスピーカー)が奏でる広がりのある中高音を支えながら、部屋全体を包み込むのです。HomePod1台では、残念ながら低音が身体を包み込むこの音場は作れません。だからこそ、2台買う必要があります

しばし感動に浸りながら、WWDC2017のプレゼンテーションをみると、フィルシラーがHomePodの3つの特徴の一つ目として、まさにこのことを言っていたのです。

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It has to do a few things really great. It’s going to be a great breakthrough speaker. First, needs to rock the house, right. We need to enjoy our music whatever genre you love really low we’re really loud free from distortion.

家をROCKしろ。歪みのないデカイ低音で。これがHomePodの本質です。たぶん、当時これノリで言ってるだけと思われていたような気がします。


さらに、iOS14.2以降は、Apple TV 4KからAirPlayでHomePodに出力すると、Dolby Atmosも再生できるホームシアターが簡単に構成できるようにもなりました。

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好きなアーティストのPVを爆音で再生するもよし。これと120インチプロジェクタで映画を見ると、もはや映画館に行く手間とはなんだったのかと思えるはずです。

スタジオでフラットに録音されたものよりも、ライブ録音の方がこのスピーカーには合っているかもしれません。今もこれを書きながら、THE  WHO, LED ZEPPELIN, QUEEN, JACO PASTRIUS BIG BANDのライブ版を聞いていますが、家の中で彼らが演奏しているかのようです。


Siriの役割再考

こうしていくら音がよくなるとしても、HomePodのようなものを家の中に増やしたくない。その気持ちはわかります。

その最大の理由は、Siriが使えないと思っているからでしょう。私も、Siriが不便なあまり「壺」の置物になるリスクも考え、恐る恐るまずは1台だけ買ってみた人間です。

ところが、設置して1日で分かったのが、iPhoneのSiriよりもHomePodのSiriは使える、という意外な事実でした。その秘密はHomePodだけが持つマイク性能の高さにあります。

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iPhone, iPad, Apple Watch, AirPodsと、どのマイクを通じて話しかけてもこちらの伝えたいことが伝わらないSiri。「そんなこと頼んでないよ(苦笑)」とキレがちだった私でしたが、HomePodにしてからはキレなくなりました。

HomePodに特別に実装された高感度マイクにより、どこから話しかけても正確に聞き取ってくれるからです。これは、YouTuberのレビューではあまり語られない、買ってみて初めて分かったことです。

アーティスト名やプレイリスト名の正確な聞き取りはもちろん、「この曲好きじゃない」と小さな声で呟くだけで評価をつけて次の曲へ早送り、細かい音量設定も「音量3%上げて」「20%にして」と口で言えば済みます。料理中のタイマー設定なども、Apple Watchより正確で反応が早いです。我が家はまだIoT照明にしてませんが、ホームアプリ経由で連携させれば当然照明もSiriでコントロールできます。

Siriの評価はなぜ低かったのか?その理由は、Siriの頭が悪い以前の問題で、iPhoneは身近にあるにも関わらず、こちらが言っている言葉を聞きとれない耳の悪さにあったのです。HomePodの耳の良さは、Siriに感じていたフラストレーションの大部分を解消してくれるはずです。



スマートスピーカー市場におけるAppleの逆襲

HomePodが初めて「発表」されたのは、2017年6月のWWDC。もう3年以上も前になります。

折しもスマートスピーカー全盛期。Amazon AlexaやGoogle Homeなど、ライバル企業が先行する中、Appleはいつこのジャンルに乗り出すのか?と世間がヤキモキしていた頃です。

今思えば、このときAppleはまだ製品の量産の見込みが立たないまま、慌てて発表したのだと思います。その証拠に、ステージ上でもデモはおろか実物も出さず映像だけ、「12月に英語圏で発売」と発表しながら、結局は2018年2月に遅れて出荷となりました。

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そんなすったもんだありながら発売されたHomePod。リリース当時の評価は、以下3点に集約されていました。

・デザインも音も抜群に良い、さすがAppleだ
・しかし、残念だが肝心のSiriは「スマート」ではない
・この価格(US$349/1台)は高すぎる!

特に価格に対する批判は根強いものがあり、1.5年遅れの2019年にはUS$50の値下げを敢行し全世界発売を開始してテコ入れをはかるも、「こんなものを2台揃えるのはApple信者ぐらいなものだ」と揶揄され続け、Appleのスマートスピーカー市場での敗退は確定的なものとなりました。

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ロボットデータベース 2020年4月18日最終アクセス


ところが、Appleはこの2年間かけてソフトウェアアップデートによってSiriを強化し続け、さらに価格競争にも十分に耐えうるHomePod miniもリリース。もともとのAppleエコシステムという強みも生かし、気がつけば欠点だった要素を全て解消し、スマートスピーカー市場のオセロをすべてひっくり返しうる存在となっています。

2020年、在宅時間が増えた私のQOLをもっとも高めてくれたデバイスであるHomePod。ぜひ1台ではなく、2台購入することをお勧めします。

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