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トラブル対応にみる、自分の頭で考えさせない組織の危うさ

こんばんは。
倉敷の美観地区を拠点にした『株式会社有鄰』という会社の代表をしている、犬養といいます。

こないだ弊社のお店で、お客様と一つすれ違いがありました。
通販のご注文に関することで、それはこちら側の書き方やコミュニケーションがよくなかった点があったのが原因でした。

その対応をスタッフがしてくれていたのですが、直筆で書いたお詫びのお手紙で、末尾にこういう文があった点が気になったんですよね。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、宜しくお願い致します。

これはお客様に送る前にSlack上で僕に確認をもらっていたので、僕がそのスタッフに返信した内容がこちら。

僕的にはこういうことがあった際に「今後とも変わらぬご愛顧を〜」ってお店側が言うのはあまり好きじゃなんだよね。
それはお客様が判断することで、お店側が「宜しくお願い」することじゃないと思うので。
なので、こういう場合の手紙の締めとしては、「(この商品を)よかったらお楽しみいただけると幸いです」的なことでいいと思うよ。

お詫びをする内容として、「ご愛顧を賜ることをお願い」するのはちょっと違いますよね。

「自分の頭で考えさせない」組織の弊害

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この話、そのスタッフ自身が悪いのではなくて、それまで働いてきた中での教育や環境が悪いんだと思います。

さっきのことを僕が指摘したら、そのスタッフ(ちなみに20代後半)は「自分も違和感があった」と言っていました。

それで僕はこの問題の根本が分かった気がしました。

そのスタッフはうちの会社に来るまでも接客業をしてきたんですが、これまでの仕事では「こういう風に返しなさい」もしくは「お店に迷惑をかけないように」という偏った教育をされてきたんですよね。
いわゆる「事なかれ主義」というやつでしょうか。

少なくともそこに「お詫びの文を書くにしても、自分の頭で考えて書きなさい」ということは含まれていなかったのではと思います。

そういう「教育」をされてきた結果、よくありがちな(でもTPOが間違ってる)「今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう〜」という言葉を出してしまったんだと思います。

「事なかれ主義」自体が悪いというよりは、その組織が「自分の頭で考えましょう」ということを第一のメッセージとして伝えてこなかったことの弊害でしょう。

そしてそういう組織、日本にとても多いですよね。
(僕はその実態にとても腹が立っていますが)

よくある言葉を使うときは、その意味を正しく捉える

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上で「事なかれ主義」と書きましたが、僕はこういう場合で「今後とも変わらぬご愛顧」を書いていたとしたら、それってもう「事は起こっちゃう」と思います。

それを受け取ったお客様は、ちゃんと文章を読める人なら「それはここで言うことじゃないでしょう」と感じますよね。
そうしたらお店への信頼や愛情をもってくれるわけありません。

なので大事なのは、よくある言葉を、その意味を考えずになんとなく使うのはやめること。
そして自分の頭で考えて、自分の言葉を使うこと(でもお客様に対しては一定の節度と丁寧さをもって)、です。

正直なところを言うと、「一般的に多くの人=そんなに厳密に文章を読まない人」を相手にした商売だったらあの書き方でも致命傷にならないかもしれません。

なので先に書いた「事なかれ主義」というのもある意味では間違ってはいないとも言えるんですが、僕はそういう商売はしたくない、っていうことです。

そして何より大事なのは、自分の頭で考えることをしてしかないと、個人としても組織としても良い未来は訪れないんじゃないかと思う、ということです。

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