カブアンドがもっと気になるnote【KABU&】
しばらく更新が止まっていたnoteのリハビリにいいかなと思い、最近話題のカブアンドについて語っていきたい所存。(リハビリに使ってごめん前澤さん)
カブアンドとは何か、いくら儲かりそうなのか、リスクはどこにあるのか、、なんて話は他の人がたくさん語っているので、今回は「カブアンドってどんな思考で作ったのかな、どんな未来を見てるのかな」みたいな話をしていこうかなと。いわゆるJTC、典型的な日系大企業でUXとかマーケティングをかじってる僕のインプット整理も兼ねて。
【カブアンドはビジョンベースの新規事業…に見える】
僕は当然カブアンドの当事者ではないのでただの妄想なんだけども、カブアンドを見た瞬間「これはビジョンベースの新規事業なんだろうな」と思った。
新規事業には超々ざっくり分けると「インサイトベースの新規事業」と「ビジョンベースの新規事業」がある。
【インサイトベースの新規事業】
インサイトベースは簡単に言うと「ユーザーの声に耳を傾けて生まれたサービス」のこと。わかりやすい例で言うとchocoZAPがあるだろう。
チョコザップは「健康になりたいけど、ガチるのは嫌」「ジムに行きたいけど着替えるのめんどくさい」といったユーザーの矛盾した感情(=インサイト)に目を付け、「コンビニジム」という新たなコンセプトを提供して成功した。
※注: 「ユーザーの声に耳を傾けて生まれたサービス」と簡単に言ってるけども、これは「ユーザーが話していた希望をそのまま事業化すること」とは明確に異なる。なぜならユーザーの声は良くも悪くも適当だからだ。ユーザーの声を馬鹿正直に受け止めて失敗した事例は「サラダマック事件」とかでググれば出てくるので興味ある人は是非。
【ビジョンベースの新規事業】
そのインサイトベースの新規事業と対を成すようにあるのが「ビジョンベースの新規事業」だ。これは簡単に言うと「こういう世界にしたいよね、そのためにはこんなサービスが必要だよね」というバックキャスティング的な考え方で作る事業だ。
これが得意なのはイーロン・マスクだろう。彼のスペースXでやっていることをざっくり言うと以下の通りだ。
人類は将来宇宙に進出するべきだ
もっと気軽に宇宙に行けるようになるべきだ(←ビジョン)
↓
しかし現状、ロケットで宇宙に行くにはあまりにも金がかかりすぎる。
飛行機は十万円そこらで世界中を飛び回れるのに。なぜだろう。
↓
飛行機は機体の再利用ができて、ロケットは再利用できないからだ。ロケットは使い捨てだからコストが掛かるんだ。
↓
「再利用できるロケットの開発」こそ「人類の宇宙進出(ビジョン)」の実現に必要だ。だからスペースXは「再利用できるロケットの開発」をする。
と言った具合で、「将来こうありたいよね」から逆算して考えるのがビジョンベースの新規事業だ。
しかしこのビジョンベースの新規事業というのは本当に、本当に、ほんっっとーーーーに難しい。インサイトベースも難しいけど、そもそも新規事業は全部難しいけど、とくにこのビジョンベースは難しいと思う。
ビジョンがデカすぎてユーザーは「宇宙…??まぁ行けたらいいけどさ(鼻ほじ)」みたいな感じになるし、かといってビジョンを小さくしたら「なんか規模小さくね?」ってなるし、社内からは「なーに夢語ってんだ」って言われるし、外野からは「ロケットを再利用できても打ち上げ場所が無いですよね?乗る人のトレーニングはどうするんですか?やれやれ全く話にならないな」とか言われるし、まぁ大変なことがいっぱいです。
特に最後の「ビジョン実現のためには他にも課題ありますよね?」ってツッコミが非常にウザいけども、案外急所を突いていてなおさらウザい。こういう話になると「これだけ達成すればビジョンが実現できるとはもちろん思ってないよ…でもこれも大事じゃん…みんなで頑張ろうよ…」みたいな気持ちになる。
【カブアンドのビジョン】
ここでやっとカブアンドの話に戻ると、やっぱりカブアンドは典型的なビジョンベースの新規事業に見える。
スペースXのように整理してみると以下のような感じかもしれない。
※外からみた感想なので、ひょっとしたら全然ちがうかもしれません。
日本国民全員、もっと豊かになってほしい。もっと豊かにしたい(←ビジョン)
↓
現在の日本国民はあまりにも投資に無関心すぎる。一部の資産家が更に資産を増やす構図になっている。このままでは格差が広がる一方だ。
↓
国民全員が「株を持つ(証券口座を持つ)」という経験を得ることが、「国民が豊かになる」ために必要だ。だから「インフラを使ってれば株がもらえる」というサービス、カブアンドを展開する。
概ねこんな感じだろうか。というか、上の画像に書いてる通りだね。
ここで大事な部分がいくつかある。まず1つは、「インフラ利用でもらえる多少の株(=資産)で国民が豊かになる」なんてことは、前澤さん自身も全く思っていないってこと(たぶん)
おそらく全インフラをカブアンドにぶっこんで、数年後にうまく上場したときに得られる資産はせいぜい数万〜数十万だと思う。こんな金額で「国民が豊かになった」とはなかなか言えないだろう。年利でいったら0.数%で、預金金利と大差ない気もする。
でも重要なのは「今まで株を持ってなかった人が株を持つ(証券口座を持つ)」ってところで、先に述べた「現在の日本国民はあまりにも投資に無関心すぎる」って課題はカブアンドで解決できるのだ。カブアンドで株の保有経験を得た人が「こうやって資産を運用するのか。他に積立してみようかな」とわかってもらえれば、「日本国民をもっと豊かにする」というビジョンの達成に一歩近づくということだ。
そして更に大事なこと。それはスペースXのときにも述べた「でもそれだけじゃビジョン達成できませんよね?」って話。一個一個突っ込んでいって、あえて「ウザいやつ」になってみよう。
■カブアンドで株の保有経験を得ても、ユーザー全員が「じゃあ他の株も買ってみようかな」って思わないよね。
→その通りだと思う。でもスペースXでも言ったように「いやさ、みんなで頑張ろうよ…」って感情論を持ち込みたくなる、僕は。
その点はほら、ビジネス系Youtuberとかいっぱいいるじゃない。カブアンドユーザーが「株って何?」「NISAって何?」ってググった時点でカブアンドの目的は達成されてる気がする。だってその先のコンテンツは用意されているから。ほら、みんなで頑張ろうよ(感情論)
■ 「r > g」から考えるに、「大した資産を有していない人」が株や証券口座持ったところで、やっぱり全国民は豊かにならないよね。金持ちが更に金持ちになるという構図は変わらない。
→いやそう、全くその通りだとおもう。そうなんだけどさ、「カブアンドがあった世界」と「カブアンドがなかった世界」を比較したときにさ、「カブアンドがあった世界」のほうが株保有者と証券口座保有者が増えるわけでさ、「なかった世界」よりも0.01%くらい「株に興味を持って、少し豊かになった人」が増えていたら大成功なのではいか。こういう積み重ねをしていかないと「国民を豊かにする」なんて壮大なビジョンは達成できないでしょう。ほら、みんなで頑張ろうよ(感情論)
■カブアンドで株の保有経験を得ても、もしユーザーが損したら「もう株なんてやらん」と考えてしまって、むしろ「国民を豊かにする」というビジョンの達成から遠ざかりますよね。
→全くその通りだと思う。多分これが一番大事だし、みんなが一番議論してるところだと思う。これがカブアンドの全てを握ってる(事業化成功の話ではなく、ビジョン達成可否の話)。いやもう、こればっかりは「前澤さん頑張れ」としか言えない。そしてそう考えるとカブアンドのビジョンはかなり難しくてリスキーな設定に見えてくる。
例えば「人類を宇宙進出させる」というビジョン達成のために「再利用可能なロケット」の開発をするスペースXは、仮に「再利用可能なロケット開発無理でした!!!」となってもビジョン達成に悪影響は与えないと言うか、「じゃあまた別の案考えるか」みたいになって、悪くても「停滞」で済むだろう。
でもカブアンドの場合は「上場できませんでした!!」「やっぱり損させちゃいました!!」ってなったら、ユーザーは「やっぱ株ダメだわ」「やっぱり貧乏人は一生貧乏なんだ…」みたいになってしまって、「国民を豊かにする」というビジョンにむしろマイナスの影響を与えかねない。(批判してるわけではなく、そういう可能性もあるね、という話)
ホントに上場できるんですかね、希薄化とかどうなんでしょう。このあたり詳しくないので誰かに任せます。ほら、みんなで(略)
【お前はカブアンドやるんか】
え、僕ですか。 やらないかな、だって株も不動産も持ってるし。やらんのかい。でも当たり前ですよね、たぶん僕はターゲットユーザーではないし。
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いまさら全巻買って読んだ。
おもしろい、おもしろいけども、強いて言うならもうちょっと「因縁の対決」みたいな描写あったらアツかったかも。「えっ、そいつ、コイツが倒すんや…」みたいなシーンが割とあった。でもあと2巻あるから、そこでいい感じになるのかな、わくわく(ネタバレ厳禁)