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Jリーグを見に行こう【よっしゃ、いこ】初心者向けガイド 

はじめに

事前の予想とは裏腹に大いに盛り上がったカタールワールドカップから早二ヶ月。
欧州からの日本人選手の活躍のニュースが毎週のように入ってき、活躍した選手に対する移籍の噂は絶えず、毎回のことではありますがワールドカップの影響力を強く感じる日々です。

国内に目を向けると、開幕の前哨戦、富士フィルムスーパーカップも終わり、明日にはもう【金J】にて前年の1位と2位がいきなりぶつかる開幕戦です

さて、ワールドカップに話を戻すと、下馬評を覆す日本代表の活躍も世界的な盛り上がりの一端を担ったことは疑いようがありません。
グループEはスペインドイツ突破で決まりと思われていた中で、堂々の一位突破は素晴らしいという他ありません。
とはいえ、スペインドイツ相手に勝利したことは決してまぐれではありません。日本代表は既に弱小国ではなく、欧州中堅国同等レベルまでの力を持っていると思います。10回やって1回勝てるかどうか、なんてレベルではもはやありません。
だからこそ、ベスト8にいってそれを世間に示さなければいけなかった。目標達成できていないにも関わらずよく頑張ったというのは、逆に言うと日本代表には最初からそんなに期待してないよ、という心理からくるものもないとはいえないでしょう。1ファンとしてそれが非常に悔しくも感じます。
とはいえ、日本代表がワールドカップ初出場から24年、プロリーグ設立から30年という短期間での急激なレベルアップになかなか認識を更新するのも難しいということも実際否定はできません。

そして、日本代表のレベルが上っている背景にはもちろん、Jリーグの存在があります。
今年からついにJ3も20チームとなり、J1からJ3まで60チーム。さらにその下にJFLや地域リーグ、都道府県リーグとそのピラミッドは非常に大きく繋がりのあるものとなりました。

出典:Jリーグ公式Twitter
今年はここから奈良と大阪が増えました


こうした地道な裾野の整備によって、日本のサッカーは凄い勢いでステップアップを果たしてきたのです。ただ、テレビでは代表戦以外が取り上げられる機会が少ないく、こうした事実は知られることがないため、見る側の意識変化が日本サッカーのレベルアップについていけていません。
日本代表が欧州中堅レベルになっているのと同様に、J1のレベルも相当に上がっています。しかし残念ながら未だにJリーグは四大どころかポルトガルやベルギー以下と思っている方も少なくありません。 

この現状を打破するためには、やはりJリーグを実際に見てもらうしかありません。
DAZNとの契約タイミングで映像制作と権利をJリーグが持つことになり、SNSを積極的に使うようになったり、昨年チェアマンが元コンサドーレ札幌社長の野々村さんに変わり、大規模な無料招待を久しぶりに復活させたりとリーグ自体もいろいろ頑張っています(着実に入場者数は増えていたので、コロナがなければ……)
だけどそれだけでは足りません。だからこそ、Jリーグファン一人一人が当事者意識を持ってファンを増やしていくということを意識ないといけない、その思いから今回のnoteを書くことにしました。

Jリーグの特徴

【リーグ構成】

まずはJリーグがどのような構成になっているかというと↓こちらのようなピラミッド構造になっています。

出典:日本フットボールリーグ オフィシャルウェブサイト

J1を頂点にして、J3までの三階層を総称してJリーグです。そしてその下にJFL以下のピラミッドが更に広がっているという構図です。
クラブ数はJ1:18、J2:22、J3:20となっていますが、2024年から均等に20クラブずつになる予定です。
クラブ総数は60、つまり都道府県数より多いわけです。Jクラブが存在しないのは福井、三重、滋賀、和歌山、島根、高知の6県。それ以外の41都道府県にはJ3以上のチームが存在しているということになります。
最も日本全土で地域密着しているプロスポーツと言えるでしょう。

【Jリーグのスケジュール】


出典:ガンバ大阪公式HP

Jリーグは2月に開幕し12月頭に終了する春秋制をとっています。シーズンが年をまたぐ秋春制採用する海外サッカーとは反転しているので、海外に慣れている方には違和感があるかもしれませんね。
ホーム&アウェイの総当たりで順位を決めるので、各クラブは1シーズン34試合行います。シーズンがだいたい10ヶ月なので、基本的には毎週末試合があるということになります。
最近は金Jといって金曜ナイターも一節に2試合くらいやったりしていますが、基本は土曜か日曜のどちらかです。贔屓の1チームの試合だけ見るのであれば、毎週末90分が1試合と見やすくフレンドリーと言えるかもしれません。

【Jリーグの順位ルール】

Jリーグのリーグ戦は必ず90分で終了します。延長線はありません。
年間の順位は勝ち点というポイントの獲得数で決まります。勝ち点ポイントは、勝つと3ポイント、引き分けで1ポイント、負けると0ポイントいうシステムになっています。


勝ち点が並んだ場合は得失点差や総得点などいろいろな要素で順位を決めますが、とりあえず最初は覚えなくていいです。

何となく伝わるでしょうか


Jリーグには昇降格制度というものがあり、毎年J1下位とJ2上位、J2下位とJ3上位が入れ替わります。そのため、シーズン後半は優勝争いと同等、ときにはそれよりも激しい残留争いが繰り広げられます。
下のクラスに降格してしまうと、リーグからの分配金やスポンサー収入が減ったりするので必死です。一方で下のクラスのチームは昇格すると収入が増えるわけなのでこちらも必死。
結果として、リーグ全体のレベルが底上げされていく、というシステムになっているのです。


昇降格ルール
来年から多少変わります

【Jリーグの三大タイトル】

Jリーグではメインのリーグ戦の他に、J1+降格組によるルヴァンカップ、J1J2全チーム+都道府県代表によるトーナメントで王者を決める天皇杯の3大タイトルというものが存在しています。

出典:Jリーグ公式HP、JFA公式HP


ルヴァンカップは4チーム5組にわけ、各グループリーグを勝ち抜いたチームがトーナメントを行うカップ戦。イメージ的にはワールドカップのような大会形式です。
ルヴァンカップの多くの試合は水曜日や代表戦による中断期間の週末に開催されます。特にグループリーグではリーグ戦を戦う主力を休ませるために若手メインで臨むチームが多く、ルヴァンでの活躍から一気に主力の座をつかんだ若手選手も少なくありません。

出典:Jリーグ公式HP(ノックアウトステージのトーナメント表)



天皇杯は所謂オープンカップといわれる大会形式で、上記したようにJ1J2に加えて都道府県代表チーム、つまりアマチュアチームも数多く出てくる大会です。

出典:JFA公式HP(100回大会のトーナメント表)


100年以上の歴史のあるこの天皇杯は、オープンカップならではのジャイアントキリング(大番狂わせ、つまり下剋上)がよく起こります。
JFLや地域リーグ、大学チームにうっかりポロッと負けるJ1クラブなんて試合も少なくありません。(我がガンバ大阪は二年連続で大学生に負けました……)
サッカーの面白さと残酷さ、その両面がより際立つ大会と言えるでしょう。
このJリーグ・ルヴァンカップ・天皇杯の3つが三大タイトルと呼ばれており、同年に全てのタイトルを獲得、三冠を達成したクラブは未だ2チームしかありません。(我がガンバ大阪はその1チーム!)

Jリーグを見てみよう

【家で見る】

さて、Jリーグについてざっくりと理解いただけたかと思うので、ここからは実際に見るための話をしていきましょう。
まずはハードルの低い家で見る方法。
TVでは毎節J1から1試合、NHK BS1で放送されています。(たまに地上波の時もあります)また、同じ試合がTwitterライブでも配信されています。特に好きなチームとかがなければ必ず毎節1試合は無料で見れるということです。(NHKは厳密には無料じゃないですが)
また、日曜の夜にはBS1でJリーグタイムという番組でJ1全試合のハイライトや特集などを見ることができます。結構見やすい作りなので初心者向けでおすすめです。
https://www3.nhk.or.jp/sports/football/
あとは、各地方局で地元チームの録画放送がある場合があります。これはJ2J3なんかも対象ですね。
配信で見る場合はDAZN一択です。DAZNの場合はJ1J2J3が全試合生放送で見ることが可能です。
また、事前番組やハイライト番組、ゴール集など様々なコンテンツが放送されており、Jリーグが好きなら相当楽しむことができるでしょう。

【スタジアムで見る】

ちょっと勇気がいるのが現地観戦。
どこで見ればいいの?とかどのくらい前に行けばいいの?とかわからないことだらけですよね。
なので、その辺含めて実際どうなの?をご紹介します。

出典:ガンバ大阪公式HP

こちらはガンバ大阪のホームスタジアム「パナソニックスタジアム」のスタジアム図です。
スタジアム規模にもよりますが、結構種類があって最初はどこがいいのかわからないと思います。
一番無難なのがバックスタンド側(ベンチの向かい側)の指定席エリア。ここでいうとカテゴリ2かカテゴリー5です。値段もそこそこで、かつ指定席なのでギリギリに着いても確実に席が確保されています。
また、ピッチ横からの視点なので、TVで見る映像と同じ画角でわかりやすいです。
最も安いのが所謂ゴール裏と言われるエリア。ガンバサポーターシートと書
かれているエリアですね。
ここは試合中立って応援しながら見るエリア。なので初心者向けではないです。

が、実は意外と全部が全部そうでもありません。
強豪チームや超人気チームじゃない限り、意外とゴール裏の端の方は空いていて、普通に座ってみていても大丈夫だったりします。そして意外と見やすかったりもします。
初めてでこのエリアを買うのを避けたほうがいいのは、浦和、鹿島、柏、川崎、松本、清水、磐田、新潟、ガンバ大阪、神戸あたりでしょうか。
このあたりは熱狂的なサポーターが多かったり、ゴール裏席数が少なかったりします。


ゴール裏でもチームによっては結構空いてたりする場合も……


横浜FマリノスやFC東京なんかはスタジアムがクソでかく、ゴール裏が埋まることは早々ないので意外と穴場だったり。
応援の熱気を感じられて、現地感が一番楽しめるエリアだと思います。
あとは、二階があるスタジアムの場合は、ゴール裏でも二階エリアはゆっくり見れるので同じく穴場です。ただし、チケット数が売れてないと二階が開放されない場合もありますが。

名古屋グランパス ホーム 豊田スタジアム
クソでかいのでゴール裏二階は結構空いてます(ただし傾斜きつくて結構怖い)

どのくらい前に行けばいいの?というところでいうなら、指定席を買ったらキックオフ20分前くらいで十分です。スタメン発表などでスタジアムが盛り上がり始めるタイミングなのでいい感じにテンションが上ってくるでしょう。
自由席なら1時間前がおすすめ。とりあえず席を確保して、スタジアムグルメのお店に並んでたり、試合前のアップ見てたりしたら意外とあっちゅうまです。春先や秋頃のデーゲームはピクニック気分です。

ジェフ千葉のホーム、フクダ電子アリーナ
とにかく食事がうまい
そして電車でアクセスができるので酒が飲める
サンフレッチェ広島のホーム、エディオンスタジアム(今年が最終年)
カルビーの限定商品ぽてりこが食べれます


ちなみに、スタジアムグルメに関しては地方スタジアムほど気合が入っていて美味しいお店が多い気がします。岡山の屋台村ファジフーズは超有名。一度いってみたい。行ったことあるとこだと湘南の屋台村も良かったです。
あとは、スタジアムの中でガッツリ火を使っての調理ができるカシマスタジアムやフクダ電子アリーナ、パナソニックスタジアムはレベルが高くておすすめです。

写真はないけど鹿島のもつ煮、ハム焼きも有名でおいしい

とはいえ、いきなり遠征するのはハードルが高いので、近いスタジアムで前日チケットが残ってたら行ってみる、くらいが最初はいいと思います。
翌日の天気や気温の予報見て、ふらっと見てみるか~くらい気負わずに適当に見に行くって感じからはいってみましょう。

ただ、出来たらサッカー専用スタジアムに行って欲しいです。
ピッチとスタンドの間に陸上トラックがあるかないかで迫力が全然違います。
なので、可能であれば最初は最寄りの専用スタジアムで見ていただきたいですね。

共に二階席から
距離が全く違います
大宮アルディージャ ホーム NACK5スタジアム

ファン•サポーターになる

さて、なんとなくサッカーを見る楽しみを掴んだら、次は推しチームを作りましょう。
サッカーに限らず、お気に入りのチームがあると、より観戦に熱が入ってきます。試合結果に一喜一憂しはじめたら、あなたはもう立派なファンです。

さて、じゃあ推しチームってどうやって選ぶの?というところですが、とっかかりやすいの地元チームか、自分の家から近いチームです。
好きになった時に観に行きやすいっていうのは重要です。
あとは、知ってる選手がいるとか、ユニフォームがかっこいいとか、理由は何でもいいです。
自分が応援したいと思う何かきっかけから、どんどん入っていけばいいんです。

一点注意すべきは、サッカーは移籍の激しいスポーツです。普段野球を見てる方だとびっくりするかもしれませんが、過去にはオフシーズンに22人退団して20人新加入した15-16年のジェフ千葉のような事例もあります。
サッカーの場合、契約期間中でも違約金を満額払い、かつ選手も移籍に合意した場合には、保有しているチームは止める術がありません。
なので数年で選手がほとんど入れ替わるのが日常茶飯事です。
移籍自体はリーグを活性化させるためには非常に大事なことなんです。予算規模の少ないJ2やJ3のチームは、選手を育ててJ1チームや海外チームに引き抜いてもらえると、かなりの大金がクラブに入ります。
そうすることで、引き抜かれたクラブは新しい選手を獲得することができるし、ステップアップを狙う若手有望選手がクラブに来てくれやすくなったりします。
なので、サポーターもお金を残していってくれる選手に対しては結構温かく送り出すことが多いです。
逆に、0円移籍でライバルチームに移籍するとかすると結構嫌われます。
詳しく知りたい方は「齋藤学 0円」とかで検索すればなんとなく伝わるのではないかと。
(実際は海外移籍は安いとか違約金設定無しで超割高とかもっと色々あります)

違約金が発生する移籍の構図
0円移籍の構図

ここまで移籍の話を読んで、そんなんじゃ選手やチームへ愛着が湧かないよ、と思うかもしれませんが、だからこそ長くチームにいる選手は貴重で人気があります。
また、サッカーでは中学生年代からユースと呼ばれる下部組織が整備されており、毎年選ばれし数人の選手が高卒ルーキーとしてチームに加入します。
下部組織出身の選手は、トップチーム加入時点で既にクラブ歴が長く、選手が中学生の時から見ているサポーターからの期待も大きくなるので、愛される選手になることが多いです。
例えば日本代表の堂安。彼はガンバユースから一気に海外まで駆け上がっていった選手なので、今でもガンバサポーターからはかなり愛されていますね。
また、最近はユース→大学→トップチームに戻ってくるというルートも増えており、三笘選手がその代表例です。

ワールドカップ後に公開されたJリーグのこのPR動画がまさにJリーグサポーターの心境を表してくれています。
自分たちの愛するクラブで育ち、日本代表まで駆け上っていく選手たちを我が子のように応援する。
そしてその選手が代表で、世界で活躍する。この喜びや感動はJリーグを見ている人にしか感じることはできません。

最後に

さて、Jリーグを見るための情報を色々とまとめましたが、これでも相当内容は省きました(ACLとか)。全然語りたりませんが、いきなりいっぱい詰め込まれるとむしろ敬遠してしまうのでこのくらいで。
とりあえずざっくり理解した状態で見てもらって、これどういうこと?っていう疑問が出てきたら都度人に聞いたり調べていく過程も楽しんでいただければと思います。

サッカーの大きい大会で言えば、来年にはパリオリンピック、そして三年後にはアメリカワールドカップが控えています。
明日からでもまだ間に合います!今こそJリーグを見て日本サッカーを一緒に盛り上げましょう!


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