数学を学習しないこと2

こんばんは。たくたくです。今回は前回の続きの記事を書いていきます。

数学を学ばないと何が問題なのかという点で前回は話しましたが、今回はその具体的な例を書いていきます。

前回では経済について身近なものでありながらよくわからないものとしてあげました。実際経済については意味が曖昧なままふんわりとした理解で使っている言葉が多いでしょう。

例えば乗数効果という言葉があります。これは何らかの理由で所得が増えたときにその所得のどれだけが連鎖的に有効需要、消費に回るかということを意味しています。仮にAという人が追加で1もらえたとして、0.8を消費に回したのなら有効需要は0.8だけ増加します。これが次にBさんのもとへとたどり着きます。このBさんも同じく0.8の内0.8を消費に回すとしましょう。このように0.8という割合だけ消費に回すことを繰り返すと最終的には5という消費額の合計額が得られます。

これは1/(1-0.8)という計算から出てきます。数学では数列で習う等比数列の和について末項を無限にしただけです。さらにこの0.8という割合をcという文字に置き換えれば1/(1-c)として乗数効果が一般化されました。

さてここで等比数列を考えることで式の導出を行いました。するとcについて条件が存在することがわかりますね(式形から当たり前なのですが一応最初からやります)。等比数列の和から計算をしている以上末項を無限大にするという操作の中で値が無限大になってはいけないという制限が付きます。するとc<1ということがわかります。

今回のケースでは非常に単純なものだったためわかりやすいと思いましたが、これがもっと複雑なものだったらどうでしょう。特に効用と呼ばれる概念は非常に厄介です。

効用とはある消費を行うときに得る満足度の増加はその消費量が大きくなるにつれて減少する消費についての増加関数です。この説明で効用を消費の関数としてとらえた場合、ある程度関数の形が想像つきます。むしろつかなくてはなりません。これはまさしく導関数の説明に等しいからです。最初の、増加分が、消費の量が増えるに従い、減少していくというのは導関数が正でありながらもその値がどんどんと小さくなることを意味します。

これについて何を言っているのかわからないという方もいると思います。しかしこの概念は高校数学で習います。しかも文系理系問わず必修のレベルです。危機感や忘れているなという感想は持たれてたりしますでしょうか。僕としてはそうあってほしいものです。

このぐらいの数学が経済を学ぶと出てきます。しかもそれは初歩の段階で、です。深く学ぼうとすればより高度の数学も要します。そこまでの数学をやれとは言いません。しかしある程度の初歩としての学習は経済を構成する人員として知っておくべきことなのではないかと思います。


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