チェリーの花言葉

悲しい歌は聴きたく無くて、透き通ったボーカルのロックバンドのライブ映像をみています。

行き着いたその場所が最期だとしても
ここにいるのは優しいだけじゃない偉大な獣

歌詞の節々に君を思い出して泣けてくる。お酒も飲んでいないのに。

てんしとあくまの川口

劇場が休館してて君の体調や動向を知ることが出来なかったし、それはあまりに突然でお別れも出来ない現実を思うと何度も涙が溢れてくる。

ベーシストが鳴らす低音が鼓膜を叩くだけで低く吠える君のタイトルコールを思い出してしまった。

君たちNSC29期生の初舞台は僕にとってもNSC現役生の公演に初めて携わらせてもらった大切な舞台でした。

遊んだりしょっちゅう飲みに行くようなことは無かったけれど、てんしとあくまが出番の時はコントリハが楽しみでした。

君たちのコントは常に発明的なネタで魂をくすぐられる思いでした。

一番好きな機械がボールを落とすピタゴラスイッチみたいなネタを初めて見たときは感動すら覚えたし、キングオブコントで優勝出来る!と本気で思ったくらいです。

それに近いこのタイプのネタです。
コントの概念すらうち壊された気分でした。

これまでにも芸人さんや裏方が亡くなることは何度かありましたが、全員年上でした。36歳という僕と同級生の君が亡くなってしまったことは本当にショックです。

悲しいです。

何よりこの数ヵ月の外出自粛といつまで続くかわからない空白が全てのバランスを欠いて、君が亡くなってもう二度と会えなくなったことへの実感を持たせてくれません。本来なら出番表やスケジュールがそういう実感を与えてくれるはずでした。

なぜだか心に穴が空いたとも思わないのです。


でもとてつもなく悲しいし、寂しいし、顔を思い出すと、僕の気持ちとは真逆に君は爽やかに笑っています。

本当はこんな文章書くつもりもなかったし、寝ようと思ってたのに頭の中で色んなことを考えてしまい、頭が冴えてきたのでなるべく明るく爽やかなライブ映像をみることにしました。

ライブの中盤でボーカルの「君を忘れない」という歌い出しを聴き、文章を書こうと思いました。

これからも多くのことに触れ、考え、また色んな出会いや別れを繰り返す中で、今晩のこの悲しみも勿論癒え、今日ほど悲しむこともなくなるでしょう。

昨日より伸びた爪を思わず見つめたり、昼間より少し伸びたヒゲの手触りで自分が生きていることを感じます。

同級生の君だけを置き去りにしてしまいそうです。

何年後かに写真や動画を見て君を懐かしむことはあると思う。あるに違いない。

でも、でも今僕が君について何を考えていたかは忘れしまうだろう。

泣きながら書いていることさえ忘れてしまうのではないかと、別の悲しさが込み上げる。

だから文章にしてここに残しておきます。


僕はまたいつかこの文章を必ず読む。

その度に今晩のことをしっかりと思い出せる。

いつかまたこの場所で君と巡り逢いたい。

ありがとう川口!!

「真実の心をあなたに捧げる」

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